会社の上司も後輩も…あなたの経費の使い方を見ている

お金がもっと欲しいと思って取った行動が、実は、お金を遠ざける結果になっているかもしれません。NG行動に気づき、 “発想”を少し切り替えることで「お金持ち体質」が手に入ります。泉正人の最新刊『お父さんのこづかいは減らすな』より特別編集編をお届けします。

2018.4.12

会社の経費、どんなふうに使っていますか?

あなたはこんな会社の経費の使い方に心当たりはありませんか?
・会社から交通費が出る場合には、歩いて行ける距離でも必ずタクシーを使う。
・会社の経費で落とせる打ち合わせなら、コーヒーだけでなく軽食も一緒に頼む。
・会社がお金を出してくれる飲み会なら、できるだけ高級そうなお店を選び、メニューのなかから自腹では食べないような高い食べ物やお酒を注文する。
・会社のお金で備品を買う時はよく比較検討せずに、とりあえず目についたものを、できるだけ多めに買っておく。
「うちの会社にもこんな人いる」と思った人もいるでしょうし、「私も同じようなことしている」と我が身を振り返った人もいるかもしれません。でも、自腹で払う昼食代や飲み会への移動や飲み代はどうですか? 多くの人は会社のお金(経費)は1000円単位で大雑把に考えるのに、自分のお金になると1円単位できっちり考えてしまうものです。
「どうせ会社のお金だから」と、細かい金額は気にせずバンバン使うのに、飲み会ではきっちり1円単位まで割り勘にしたり、500円の日替わりランチと550円のAランチを迷ったりする人に、周囲は良い印象を抱くでしょうか。「バレないようにうまくやれば大丈夫」なんて思ったら大間違いです。意外と人は他人のお金の使い方を見ているものです。

経費の使い方次第で信頼を失う!?

経費の使い方ひとつで「あの人せこい」と思われれば、信頼を失います。経費で払って得をしたと思っている数百円、数千円で、周りにはお金に汚い人と思われてしまい、こういった信頼を失うことが数回続くと、大きな信頼感を失うことになりかねません。
経費の使い方ひとつで「あの人せこい」と思われれば、信頼を失います。経費で払って得をしたと思っている数百円、数千円で、周りにはお金に汚い人と思われてしまい、こういった信頼を失うことが数回続くと、大きな信頼感を失うことになりかねません
つまり、経費を1000円、2000円と私的に使うことで短期的には得をしているけれど、長期的に見れば損をしています。仕事で信頼を積み重ねていれば本来得られるはずの収入アップがなくなり、信頼はもちろん、金銭的にも大きな痛手を被ってしまうのです。

お金はあなたを映す鏡です

「お酒を飲むと人間性がでるよね」「車の運転は性格が出る」とはよく言われますが、お金の使い方にこそ、人間性が映し出されます。
例えば飲み会で380円と580円のビールがあったとしたら、個人の飲み会では迷わず380円を選ぶのに、会社の経費だと「自腹じゃないから…」と580円のビールを選んで200円得したと思ったりしないことです。自腹で飲んだことのある同僚や後輩は「いつも安いビールしか飲まないのに、会社のお金だと気にしないんだな」と思われてしまうでしょう。逆に普段は580円のビールなのに会社の経費だと380円を選んだら、「他人のお金のときは我慢をする素晴らしい人だな」と評価が上がるかもしれません。たった差額200円の裏にあるのは、将来自分に返ってくる信頼なのです。
つまり、会社のお金だからとムダ遣いするのではなく、経営者のようなコスト感覚を持ってきっちり使うことが大切です。一方で自分のお金を使う時、特に人と一緒の時には、あまりに細かいところまでは考えない。コスト重視ではなく、お互いが心地よく過ごせるようなお金の使い方をする。その心掛けが周囲の人からの信用をコツコツと積み上げていくことができます。信頼が高い人には、それなりの仕事やプロジェクトが任されるようになります。そして困った時にも、周りの人の信頼が高ければ、手を差し伸べてもらうこともできます。「お金は人を映す鏡」という言葉を肝に銘じて、人に信用されるようなお金の使い方をしたいものですね。
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