お金はあなたを映す鏡です
「お酒を飲むと人間性がでるよね」「車の運転は性格が出る」とはよく言われますが、お金の使い方にこそ、人間性が映し出されます。
例えば飲み会で380円と580円のビールがあったとしたら、個人の飲み会では迷わず380円を選ぶのに、会社の経費だと「自腹じゃないから…」と580円のビールを選んで200円得したと思ったりしないことです。自腹で飲んだことのある同僚や後輩は「いつも安いビールしか飲まないのに、会社のお金だと気にしないんだな」と思われてしまうでしょう。逆に普段は580円のビールなのに会社の経費だと380円を選んだら、「他人のお金のときは我慢をする素晴らしい人だな」と評価が上がるかもしれません。たった差額200円の裏にあるのは、将来自分に返ってくる信頼なのです。
つまり、会社のお金だからとムダ遣いするのではなく、経営者のようなコスト感覚を持ってきっちり使うことが大切です。一方で自分のお金を使う時、特に人と一緒の時には、あまりに細かいところまでは考えない。コスト重視ではなく、お互いが心地よく過ごせるようなお金の使い方をする。その心掛けが周囲の人からの信用をコツコツと積み上げていくことができます。信頼が高い人には、それなりの仕事やプロジェクトが任されるようになります。そして困った時にも、周りの人の信頼が高ければ、手を差し伸べてもらうこともできます。「お金は人を映す鏡」という言葉を肝に銘じて、人に信用されるようなお金の使い方をしたいものですね。
泉 正人

ファイナンシャルアカデミーグループ代表一般社団法人金融学習協会理事長
日本初の商標登録サイトを立ち上げた後、自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、2002年にファイナンシャルアカデミーを創立、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークの3つの学校運営を行い、「お金の教養」を伝えることを通じ、より多くの人に真に豊かでゆとりのある人生を送ってもらうための金融経済教育の定着をめざしている。『お金の教養』(大和書房)、『仕組み仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書は30冊累計130万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。一般社団法人金融学習協会理事長。