2018年4月8日 更新

近い将来、お金は「稼ぐ」ものではなくなる

今回紹介する本は『新しい時代のお金の教科書』(山口揚平著)。”教科書”といっても、堅苦しい内容ではありません。仮想通貨の登場をはじめ、お金を取り巻く環境が変わりつつある現在、その歴史と未来に迫り、これからの時代にふさわしい生き方を考える一冊です。

istockphoto (12801)

2018.4.8
もしも今、あなたが『お金持ちになる方法』のような本で必死にお金の稼ぎ方を勉強しているなら、本書を読みはじめたとたん、思わずのけぞってしまうかもしれません。
なぜなら著者は次のように断言しているからです。「今までのお金の稼ぎ方は、近い将来通用しなくなる」、それどころか「お金は稼ぐものではなくなる」と。

仮想通貨はやがて破たんする

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お金はもともと価値を交換するための「手段」でした。それがいつのまにか「目的」となり、人びとはお金そのものを求めたり、お金でお金を増やしたりするようになっています。まるで人間を支配する王様のような存在。しかしその王位も、別の「あるモノ」の力によってやがて失墜するだろう、というのが著者の考えです。
というと、「仮想通貨のこと?」と思われるかもしれませんが、違います。著者いわく、「仮想通貨はあくまで、お金が電子上の世界に溶け込んだ世界に過ぎません」。短期的には盛り上がっても、円やドルにおける”国家”のような信頼基盤の欠如と、高度な流動性が生みだす投機的動機によって、早晩破たんは免れないだろうとも語っています。
実は「あるモノ」とは、仮想通貨よりも、もっと古くから私たちに馴染みのあるものです。なにかわかりますか?

新しいかたちの経済が生まれる

Two teddy bears, arm on sho...

Two teddy bears, arm on shoulder, back view on wood

答えは「信用」です。社会や経済の変化、技術の進歩などによって、人びとは人生を豊かに過ごすために、お金よりも信用を増やすことが必要になるというのが著者の予測です。

大量生産でモノが余っている先進国では、現在のようなお金を使ったやりとりは、衣(医)・食・住にかかわる生活必需品や生活インフラの領域だけになります。やがてそれらも、シェアリング・エコノミーの拡大やベーシックインカムの導入によって、限りなく低コスト化・無償化へと向かってゆきます。
一方で人びとの欲求も変わります。モノではなく、自尊・所属・承認欲求といった「社会的欲求」や、そのベースとなる人との「つながり」を求めるようになります。そして社会の構造は、お金のパワーを利用した「支配・依存」関係を軸とするタテ型から、信用を介した「つながり」が軸のヨコ型へと比重が移ってゆくのです。
そのとき、今のお金中心の経済とは別に、信用を基軸にした新しいかたちの経済が生れてくるというわけです。
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