2017年12月20日 更新

〈新川 義弘〉どんな世代とも共存共栄 ~新川義弘が語る、“競争原理は不要。長期目線で人的資産を育てていく”

一軒のレストランが街の価値を向上させ“街の資産”となっているという姿を目指し、お客様、街、レストランが一緒になって、長期の目線で店作りをしていく。起業人の新川さんに、大切な人的資産の育て方などについて聞きました。

神原
新川さんは「100年品質レストラン」を経営理念に掲げ、「一軒のレストランが街の価値を向上させる“街の資産”となっている店作り」というメッセージを発信されています。このような長期目線で、街を代表する場所になっていくという考え方は、ブランド、信用、信頼関係など全て、時間をかけないと出来ないことですよね。

新川
例えば、人が頻繁に辞めて、店長の首が年2~3回すげ替えられるという店は、見事に売り上げが落ちていきます。それを「成長に必要な出血」と考える経営者もいます。僕はそれを「許せない」と考える経営者です。ですから、そういうスピードで店舗は増やせない。直営で、僕が考えるオリジナルが守れるスピードを維持しています。その限度は1年3店です。それで店長やチーフと最初に約束するのは最低3年、通常5年は変わらずにここでやって欲しいということです。そうするとその人は3年のグランドデザインを描くようになります。
ロングタームで、お客様に来てもらうことを考えるようになる。考え方もどんどん経営的立場に変わっていきます。逆に「1年で仕上げて次に行こう」という、短期間で上がって行きたい上昇志向の強い人は入らなくなります。それはうちには向かない。今も昔も自分自身の精神的な部分は変わっておらず、お客様に喜んでいただいて、ロングタームでどうやってお客様に来ていただくか、ということだけを考えています。

神原
女性のスタッフも多いと思います。結婚、出産、育児といったライフステージ別に課題もさまざまですが、どのように対応されているのでしょうか?

新川
子供を持つ女性の仕事をどう支えていくかというのは、自分だけでなく、日本の産業全ての課題かもしれません。吉祥寺店長は女性なのですが、先日産休に入るということで、僕が「どうしたい?」と聞いたところ、「辞めたくない」と言うので、「わかった。店長のままにしよう」と言いました。「その間にどんな仕事が出来る?」と聞いたら、「メール・電話は出来ますから、毎日日報見て、自分が組織をきちんと応援出来るようにやってみたい」ということなので、「では、やろう」とそのやり方を始めました。飲食店業界はある意味非常に簡単で、「これ、どっちが美味しい?」と聞いたら、「う~ん・・・」と引っぱる人の意見は聞かない。「こっち!」ときちんと言える人でないと信頼出来ない。僕はそういうところで人を選んで大事にしています。そしてこのようなときに選ばれるのは、圧倒的に女性です。
神原
女性の仕事に関する問題については、私も同じ女性として、是非新川さんのクリエイティビティで皆が真似できるルールを作ってもらって、安心して出産でき、安心して育児でき、安心して休める組織作りを提案して日本を変えて欲しいです。

新川
頑張りたいですね。共感してくれる人たちを作って、仕組みや法といった大きいものも動かせるようになれれば。今の時代「女性力」ですから、この問題は、前向きに考えたいですね。

家族あっての自分の仕事。社員も見習う「家庭人」

神原
毎日社長業で超多忙だと思いますが、ご家族からは仕事のし過ぎと言われることはありませんか?

新川
嫁にとっていい夫かどうか、娘にとっていい父親かどうかはわかりませんが、家族あっての自分の仕事だと思っていますので、家族は大事にしています。平日は毎日夜中帰宅という状況ですが、僕はどんなときでも日曜日は必ず休みます。休まないとリセット出来ないので。オフのときは、娘と一緒に映画観たり、家族みんなで温泉旅行に行ったり、色々家庭サービスもしています。手前味噌になるかもしれませんが、僕は家庭人なので、行動ユニットが家族・夫婦なんですね。オープニングパーティに行くときは嫁と娘が横にいますし、節目節目には家族が出てくるんです。それを見て、当社の店長たちもHUGE社に来てから結婚する人や子供がいる人たちも多いんです。

神原
家庭が落ち着いていること、家族を大事にすることという同じ価値感の人たちが集まっているんですね。それは長期的に働いて欲しいという新川さんの考え方とつながっているような気がします。

20年後の新川さんは・・・?

神原
将来についてお聞きしたいのですが、20年後の新川さんは、どのようになっているのでしょうか?

新川
20年後は・・・69歳ですね。まず、僕が65歳でリタイアしたら綺麗に仕事を譲りますね。そういう立場で、自分が作った会社を客観視したいなというのが僕の夢です。そして世界中旅をして、「今、ギリシャではこんなことが流行っているよ」とか「このヨーグルト、面白いから使ってみようか」とか余計なことを言っている気がします。要するに今と何も変わっていない(笑)。実は、僕は趣味がないのが悩みなんです。僕は凝り性で、一つのことをやり始めるととことんいってしまうので、今はあえてその時間を作らないようにしています。ですからリタイアメントに向けて、会社を客観視しながら、何かに打ち込めるものを作っていきたいなと思います。

神原
自分の会社を外から客観視できたら良いですね。今日は多くの若い人たちが働いている中でのコミュニケーションの取り方やスタッフ・マネジメント、そして長期視点でのお店作りの考え方など、大変面白い話を聞くことが出来ました。ありがとうございました。

(本記事は、2012年07月10日にファイナンシャルマガジンに掲載されたものを再掲載しています)

新川 義弘さん 株式会社HUGE 代表取締役社長

1963年生まれ。1982年、福島商業高校卒業後、新宿東京会館(現・ダイナック)、長谷川実業(現・グローバルダイニング)、リンク・ワンを経て2005年に株式会社HUGE(ヒュージ)を立ち上げる。
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