2019.4.17
首都・ストックホルムは北欧を代表する都市で、世界中から多くの金融機関が集まっています。14の島からできており、都市が水辺に浮かんでいるような景観を持っていることも特徴で、「水の都」「北欧のヴェネツィア」などとも称されています。
そこで、将来的にストックホルムへ移住したいという方のために、実際に生活する際に掛かる生活費などを紹介します。1カ月あたりどのくらいのお金が必要なのか? 日本の暮らしとの相違点は何なのか? 今後の人生設計の参考にしてみて下さい。
(※ 記事では、1SEK(クローナ)=12円として計算しています)
気になる物価 消費税は驚きの“25%”
まず、スウェーデンで暮らす際に認識すべきなのが消費税の高さです。その税率は“25%”で、現在10%への増税で議論が起きている日本と比べても、倍以上の差があります。
一方で、軽減税率は“12%”と安く定められているため、スーパーで買う食材や日用品などは、日本と同じような価格帯で購入することができます。
市内の一般的なスーパーなどを例に取ると…牛乳 1ℓ・約10SEK(120円)、パン1kg・約12SEK(144円)、豚肉1kg・約80SEK(960円)、チーズ1kg・約80SEK(960円)、りんご1kg・約25SEK(300円)、ジャガイモ1kg・約12SEK(144円)が相場です。ただし、缶詰やレトルトのような加工食品は、軽減税率対象外となるので注意が必要です。
レストランなどでの外食での消費税は、全て25%となります。そのため、カジュアルなカフェでコーヒーを1杯飲んでも、約40SEK(480円)以上することも珍しくありません。また、気軽に入れるようなお店でランチをしても1食・約80SEK(約960円)、ディナーに至っては最低でもその倍近くの値段がすると考えて良いでしょう。
以上を考えると、なるべく軽減税率の恩恵に預かり、自炊を心がけることをオススメします。
充実した社会福祉
これだけ税金が高いスウェーデンですが、不思議と国民からの不満の声はあまり聞こえてきません。それは…これらのお金が「社会福祉」に十分充てられているからです。
例えば、医療費は大人になるまで全て無料で、さらに大人になった後に病気にかかった場合でも、自己負担上限額が設定されているため、最低限の負担で済みます。老後にお世話になるかもしれない老人ホームも、入居費をまかえない場合は、政府から補助金をもらうこともできます。
また、育児に関する支援も手厚く、児童手当・有給休暇などが充実しています。授業料は小学校〜大学まで全て無料で、親の収入に左右されず、学生の誰もが平等に学べるチャンスがあります。
物件は早めに決めるのがポイント
移住の際に気になる家賃ですが、ストックホルム市内は人気の都市とあってやや高い傾向にあります。中心部では、1ベッドルームで8,000SEK(9万6,000円)・2ベッドルームで2万SEK(24万円)以上するところも珍しくありません。
現地の人々にとっても、ストックホルムの家賃は高いため、若者や学生の中には友人とシェアして暮らす人も珍しくありません。中心部から電車で15分以上の郊外まで的を広げれば、2ベッドルームで1万SEK(12万円)程度の物件もあります。
そんなストックホルム市内の物件ですが、このところ住宅不足が問題となっており、ファーストハンド(半永久的にその物件に住むこと)は、数年待ちの場合が多く、残念ながら現実的ではありません。しかし、ファーストハンドで賃貸に住むことができない場合でも、セカンドハンド(又貸し)として物件を探すことが可能です。
家計の大半を占める物件を決めるには時間がかかるものですが、ストックホルムに住みたい場合は、少しでも気になる物件を見つけたら即決するくらいの勢いも必要です。昨日まで目をつけていた物件が、明日の朝にはないということも珍しくありません。
ちなみに…北欧に暮らすということで寒さも気になるかもしれませんが、ストックホルムは、実は日本人でも対応できるレベルの寒さです。暖房は必須ですが、多くの集合住宅ではセントラルヒーティング(全館暖房・中央暖房)が主流となっているため、光熱費は比較的安価で済むと言えます。
以上、ストックホルムで暮らす際の目安をご紹介しました。一見すると家賃や消費税が思ったよりも高いと感じてしまいますが、いざ移住してみると、社会福祉が充実しているメリットの方が大きいという声を多く聞きます。十分な貯蓄や転居の準備をし、ぜひ憧れの移住ライフを手に入れて下さい。