「いつかは住みたい」ベトナム・ホーチミンでの生活費

いつかは住みたい世界の街の生活費
日本からアクセスの良い東南アジア諸国の中でも、新興国として注目を浴びているのがベトナムです。特に、東南部に位置するホーチミンは、経済を牽引する国内最大の都市として、アジアでも有数の賑わいを見せています。
2018.9.21
市内では、熱帯気候の南国ならではの開放的な雰囲気を味わいつつも、フランス統治時代の趣ある建築を楽しむこともでき、その街並みは「東洋のパリ」とも称されています。
そんなホーチミンの魅力に惹かれ、将来 移住を検討している方のために、実際に暮らす上で必要な生活費などを紹介します。1か月あたり一体どのくらいのお金があればよいのか? 日本の暮らしとどんな点が異なるのか?今後の人生設計の参考にしてみて下さい。
(※ 記事では、1円=200ドン (VDN)として計算)

「Grab」を利用してスマートに移動

ベトナムを語る上で外せないのが“バイク社会”です。日本と違い、電車や地下鉄が発展していないこともあり、国民のバイク保有率は8割を超えています。人口約800万人を抱えるホーチミンとなると、道に溢れるバイクの台数は凄まじく、道路の至る所でクラクションの音が鳴り響いています。
現地でのバイクの価格は、1台・2,000万ドン前後(約10万円)で、中古車となるとその半額程度で購入することができます。日本のメーカーは特に人気が高く、車種によっては相場の1.5〜2倍程する場合もあります。
1度購入してしまえば利便性・節約の面からメリットはありますが、慣れないうちは、日本との交通環境の違いに戸惑うこともあるかもしれません。そのため、ホーチミン在住の日本人でも、運転が苦手/在住したばかりの場合は、タクシーを交通手段とする人も多くいます。
市内には、いわゆる“ぼったくり”をするタクシーも走っている中、最も安心できるとされているのが、シンガポールの企業がサービスを提供する「Grab」です。
これは、スマホアプリに登録して場所を入力すると、付近にいる登録車を呼べるシステムとなっていて、料金はメーター通りの支払いとなります。Googleマップやキャッシュレスの支払いにも対応していて、ドライバーに遠回りをされたり、強引な価格交渉をされたりする心配もありません。その分、流しのタクシーに乗るより料金は安く、市内であれば、4万ドン(約200円)もあれば、十分移動ができてしまいます。

インスタント麺は約20円

食費が安いイメージのある東南アジアの都市ですが、ここホーチミンでも、大衆的な食堂や屋台に行けば、イメージと違わず格安で料理を提供してくれます。例えば、日本でも有名なバインミーは約1万ドン(50円)、フォーは約4万ドン(200円)が相場で、夜にお腹いっぱい飲み食いをしても1人当たりの予算は30万ドン(1500円)程度あれば困ることはないでしょう。
家庭内での食事に関してですが、ベトナム人は大の“インスタント麺好き”です。市内のスーパーには、何十種類もの銘柄のインスタント麺が棚に陳列されており、ベトナム産の商品であれば、4,000ドン(20円)程度で購入することができます。日本産のカップ麺などは、リッチな商品として認識されていますが、それでも1つ1万ドン(50円)程度の値段です。
一方で、日本食レストランなどは、これらに比べると少々高めで、丼ものやうどんなどは1食あたり10万ドン(500円)程度が相場となっています。実際には、日本と同程度か少し安いくらいの価格ですが、現地での生活に慣れてくると割高に感じてしまうかもしれません。
また、フランス文化の影響もあってか、街にはカフェが点在しています。コーヒーの値段ですが、1杯1万ドン(50円)の店舗もあれば、その数倍するところもあるなど、店舗によって差が大きいことが特徴です。

すべて“込み”の「サービスアパート」

ホーチミンの市内は、東京のような区分けがなされています。初めて移住する際は、市の中心部で日本人街もある1区や、その周辺の3区・ビンタン区がオススメです。その他、子供がいるファミリー層の中には、日本人学校のある7区に住む人々もいます。
これらの区で暮らす日本人に最も人気なのが「サービスアパート」タイプの物件で、1カ月・5万〜10万円程度で探すことができます。食費のように極端に安いわけではありませんが、最初からテレビや冷蔵庫などの家具が備え付けられており、引っ越してすぐにでも生活を始められます。水道光熱費やネット料金、セキュリティーや掃除・洗濯(週に数回)もサービスに含まれていることを考えると、やはり日本の都心に比べると割安だと言えるでしょう。
さらに、1カ月・10万円を超えるような物件となると、プールやジムなどが付いていることが多く、スーパーが入っている場合などは、アパートの敷地内だけでも十分な生活ができてしまいます。
また、どうしても家賃を抑えたい場合は、ローカルアパートメントも選択肢にあります。建物や設備が古いことが気にならなければ、1カ月・3万円程度の家賃で暮らすことが可能です。
ベトナムでは、住居契約の際に家賃の1カ月〜3カ月分の料金をデポジットとして、オーナーに預けることが一般的です。日本での敷金に近いような慣習ですが、契約満了前に解約をしたり、部屋にひどい損傷が見られない限りは、満額返還してもらえることが多いです。
以上、ホーチミンで暮らすための目安をご紹介しました。これらを参考にして、移住への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。