では、大好きな彼と自分の金銭感覚が大きく違うと気づいた時にはサヨナラするしかないのでしょうか?
いえ、そうとも限りません。
もし、あなたがその人とずっと一緒にいたいと思うのなら、「相手の金銭感覚から学び、自分の金銭感覚を合わせていく」という努力をするといいのです。彼がお金を払いたいと思うことは、彼にとってとても価値があり、大切なこと。それほど好きになった相手ならば、その人の価値観と合わせていくことも受け入れられるのではないでしょうか。
恋愛はマネーセンスも磨いてくれるもの
キーワードになるのは「両面思考」です。相手の立場になって「なぜ彼はこれにお金を使いたいと思うのか?」と想像を巡らせてみてください。先ほどの映画デートの例に戻ると、あなたが無駄な出費と考える「タクシー代」を出すことによって、彼が手に入れたかったのは何なのか。きっと、あなたを素敵なカフェに連れて行って特別な時間をプレゼントしたいという思いがあったのでしょう。また、日ごろから「時間をお金で買うことがあってもいい」という価値観を持っている人なのでしょう。
そして、たとえ金銭感覚の相性がよい相手であっても、他人の金銭感覚についてはつい、不満を抱きがちです。そんな時は「わたしの金銭感覚はどう思われているのかな?」という客観的視点を持つようにすると、自分の行動も変わってきて上手くいくようになります。
人それぞれ価値観が違うのは当たり前。そして、お金の使い方も違います。だからこそ、自分の小さな価値観にとらわれることなく、相手の立場を考えて、受容する。相手の金銭感覚から学びを得るということは、自分の価値観を磨いていくことにつながっていくのです。
この意識を持ってパートナーとの関係を育んでいくと、おそらくや関係が発展するだけでなく、自分の普段のお金との付き合い方もどんどん磨かれていき、あなた自身のステージが高まっていくことでしょう。
恋がはじまるタイミングは、マネーセンスの磨きどき。お互いを高め合い、人生そのものを潤してくれる恋愛ができる女性は素敵だとは思いませんか?
大竹のり子
ファイナンシャルプランナー株式会社エフピーウーマン代表取締役
出版社の編集者を経て2005年4月に女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。 現在、雑誌、講演、テレビ・ラジオ出演などのほか、『お金の教養スクール』の運営を通じて正しいお金の知識を学ぶことの大切さを伝えている。『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)、『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)など著書は40冊以上に及ぶ。ファイナンシャルアカデミー取締役。一般社団法人金融学習協会理事。http://www.fpwoman.co.jp/