2020.2.12
「いい人」になればなるほど嫌われる
「いい人」は、「いい人」になればなるほど損をしたり、周りと違う扱いを受けてしまったり、嫌われてしまったりします。
5ページより引用
株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役であり、心理カウンセラーの著者ですが、米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業後は、ブリーフ・セラピーのFAP療法を開発。
カウンセリング歴は25年で、臨床経験はのべ8万件以上。多くの人が自由に生きられることを目指した治療を行っています。
仕事で困っている人がいたら、手助けしてあげているのに、なぜかちっとも感謝されない。それどころか、手柄をすべて持っていかれてしまうというタイプの人、結構いるのではないでしょうか。
カウンセリング歴は25年で、臨床経験はのべ8万件以上。多くの人が自由に生きられることを目指した治療を行っています。
仕事で困っている人がいたら、手助けしてあげているのに、なぜかちっとも感謝されない。それどころか、手柄をすべて持っていかれてしまうというタイプの人、結構いるのではないでしょうか。
自分を犠牲にしてまで、みんなのために頑張っているのに、ちっとも報われない。「いい人」すぎる人は、「いい人」になればなるほど周りと違う扱いを受けて、その上なぜか嫌われるという現象が起きるようです。
いくら、もう「いい人」にはならないと決意しても、周囲に嫌われてしまうのではないかと不安になって元に戻ってしまう。しかし、著者とのカウンセリングを受けて「いい人」をやめることで、職場の雰囲気が変わり、生産効率が上がったという例があったのだとか。
そして、「いい人」をやめることで、その人を不快にする人は離れて、本当に分かり合える人が近寄るようになってきたといいます。
「いい人」を演じる自分から自由になることで、自身も周囲も変わることができる。そのためには、どんな考え方が必要なのでしょうか。
「いい人」を演じる自分から自由になることで、自身も周囲も変わることができる。そのためには、どんな考え方が必要なのでしょうか。
恒常性は人間関係の中で働いている
人間関係が苦しくなる原因はたくさん考えられます。その中でもとても大切なのが、「恒常性」というものです。「恒常性」は、人に携わっている機能で「真ん中に戻す力」が働くこと。
18ページより引用
前日、楽しくみんなで騒いだ翌朝に、なんだか気持ちが落ち込むのは、「楽しい」という気持ちの高まりを「苦しい」という気持ちで中和する恒常性の力が作用しているのだと著者はいいます。
また、楽しみな出来事を控えているとき、なぜか「もし、嫌なことがあったら」と不安がよぎることもあります。これも、頭の中で「真ん中に戻す」という恒常性の機能なのだとか。
また、楽しみな出来事を控えているとき、なぜか「もし、嫌なことがあったら」と不安がよぎることもあります。これも、頭の中で「真ん中に戻す」という恒常性の機能なのだとか。
逆に、元気がなかったけれど、だんだん元の状態に戻ってきたということがありますが、これも恒常性を保っている働きであるといえそうです。
そして、恒常性は、このように一人の人間という個体の中だけではなく、人間関係の中でも働いているのだと本著に記されています。
そして、恒常性は、このように一人の人間という個体の中だけではなく、人間関係の中でも働いているのだと本著に記されています。
ストレスホルモンが分泌されると、相手と争ったり、逆に急いで逃げるための身体や気持ちの準備ができると著者はいいます。
ところが、人によってはとっさのときにストレスホルモンがちゃんと分泌されない(少ない)というケースもあるのだとか。その場合、時間が経ってから後悔が襲って、「あのとき、ちゃんと言ってやればよかった」と思いはじめて、怒りが治らないということにつながります。
ところが、人によってはとっさのときにストレスホルモンがちゃんと分泌されない(少ない)というケースもあるのだとか。その場合、時間が経ってから後悔が襲って、「あのとき、ちゃんと言ってやればよかった」と思いはじめて、怒りが治らないということにつながります。
夫婦や親子関係で、ストレスホルモンの検査をすると、どちらかのストレスホルモンがちゃんと分泌していないということがあるのだとか。カウンセリングしていくうちに、立場が逆転していく。これも、人間関係における恒常性が働いているのだといえるようです。
つまり、相手のために気を遣ういい人になると、相手はその逆になってバランスを取ろうとする。
良かれと思ってやっていることがうまくいかない原因は、意外とこんなところにあるのかもしれません。
つまり、相手のために気を遣ういい人になると、相手はその逆になってバランスを取ろうとする。
良かれと思ってやっていることがうまくいかない原因は、意外とこんなところにあるのかもしれません。
自分の「快・不快」にしたがう
「いい人」は、周りの人に気を遣って、相手の「快・不快」で動いてしまう傾向があります。自分自身の「快・不快」で行動を選択できていないといえるでしょう。ゆえに、どんどんストレスまみれになってしまいます。
まずは、自分の「快・不快」にしたがって、「お!それわかる!」という自分自身の快のポイントだけに反応。不快なときには反応しないようにしてみると良いようです。
断らないと相手には「快・不快」が伝わらないものです。
不快であると感じたら、断ることをしていくと、自分の感覚がわかるようになってくるのだと著者はいいます。
断らないと相手には「快・不快」が伝わらないものです。
不快であると感じたら、断ることをしていくと、自分の感覚がわかるようになってくるのだと著者はいいます。
相手中心だと「快・不快」スイッチが鈍り、脳にストレスが帯電してしまいます。すると、「自分はなんでもわかる、なんでもできる」という万能感が湧いてくるのだとか。
万能感が強ければ強いほど、勝手に相手の気持ちを推測して、エラーを起こし、悩みを作り出してしまうのです。
万能感が強ければ強いほど、勝手に相手の気持ちを推測して、エラーを起こし、悩みを作り出してしまうのです。
ときには、人の気持ちは考えないで、自分の「快・不快」にしたがっていく。すると、脳がストレスで帯電しなくなり、逆にストレスで帯電した人たちが自分にも近づかなくなってくる。
いつも人間関係で損をしがちな人は、そんな生き方を心がけてみるのも良さそうです。
いつも人間関係で損をしがちな人は、そんな生き方を心がけてみるのも良さそうです。
タイトル: 「ひとりで頑張る自分」を休ませる本
著者: 大嶋信頼
発行: 大和書房
定価: 1,400円(税抜)