たとえば仮説を立ててデータを集め、検証を行う場合。仮説で想定していることを「結論」として導こうとすれば、確証バイアスが生じる可能性が高くなります。すなわち、「結論」と整合的なデータを重視し、「結論」と矛盾するデータを無視する可能性が高くなるのです。そのような時は、仮説に合致すると思われるデータよりも、仮説に反するデータや見解にこそ、じっくり向き合うよう意識しましょう。
また、自分が慣れ親しんだ分野に関わる問題に取り組む場合も要注意。無自覚のうちに自分の知っていることが全てだと思ってしまうかもしれないからです。たとえあなたが知っていることを総動員した上で「おかしい」と思われることでも、
• 自分が知っているのは事象や事象の分析の一部かもしれない
• 新しい視点が提示されているのかもしれない
• 新しい事象が生じているのかもしれない
• 新しい視点が提示されているのかもしれない
• 新しい事象が生じているのかもしれない
と考える余地を常に残しておく必要があります。
もし自分が何かに囚われて一歩を踏み出せないと感じたら、あるいは周囲との衝突を感じたら、とにかく自分とは異なる立場の人に意見を求めるのも手。異性や自分とは異なる世代(子ども、親、祖父母、上司や部下など)、別の部署の人、同業の異なる部門で働く人、異業種の人など、自分とは違う立場で社会を生きている人は数多くいるでしょう。そうした人々の視点が、あなたの持つ何らかのバイアスを打ち破ってくれるかもしれません。
思考やアイデアは時代とともに変わるもの
「普遍の真理」や「哲学」という言葉で、時を経ても場所が異なっても変わらない何かを求める人々もいます。しかし、実際に生きている中で変わらないものというのは、そうそうお目にかかれません。世の中の価値観は変わるし、もてはやされる対象も変わる。一度廃れても、またどこかで復活することだってあります。たとえば、男女の生き方や平等についての問題提起がなされたのは、性と役割に関する価値観の変化があったから。じっと座って教師の言う事に従って学習する方法よりも、様々な体験を通して主体的に学習する方法を重視するようになるのも1つの社会の変化ですし、日本における仕事・労働における「働き方改革」も近い将来における変化の要請です。
こうした様々な変化に対して身構えてしまったり、最初から相手にしないという態度をとるなら、そこには何らかのバイアスがあるかもしれません。アインシュテルング効果を乗り越え、新しい見方、アイデア、もっと効率的な解決方法を探るなら、そうしたバイアスは障害になり得ます。
「自分と反対の意見に出会ったらチャンスと考える」といった見方を無理にする必要はありませんが、少なくとも「自分が見落としていることがあるのではないか」と気づくきっかけとして、そうした意見やデータを有効に活用していきたいところです。
定住だけじゃない!流動的な「家」を可能にするタイニー ハウス
様々な所で仕事をするライフスタイル「ノマド」が話題となった 2010 年。2018 年に至り、家ご と移動する新しいノマド「タイニーハウス」が日本で見られるようになりました。タイニーハウ スは「家は高額」「家は定住するためのもの」という概念を覆し、新しいライフスタイルの可能 性を示唆しています。