将欲歙之、必固張之。
〈これを歙めんと将欲すれば、必ず固くこれを張れよ。〉
要約すると、「もしも縮めたいのであれば、分散・拡大させること」となります。つまり、押してダメなら引いてみるという考えと同様といえるでしょう。この36章は続きの文で「柔よく剛を制す」という意味を持つ言葉もあります。
柔軟な発想で、逆の方法を用いれば成功へのきっかけをつかむこともあるという意味でしょう。
はじめの1歩から最後まで慎重に進めれば成功への近道に
老子道徳経64章内の一文に、以下の言葉があります。
合抱之木、生於毫末、九層󠄃之臺、起於累土、千里之行、始於足下。
〈合抱の木も、毫末より生じ、九層󠄃の臺も、累土より起り、千里の行も、足下より始まるなり。〉
64章は全体が長いのですが、上記の文は以下のような意味になります。
「大木でもはじめは小さな枝からはじまり、九重の塔も、はじめは土の塊からはじまります。千里にもわたる旅であっても、はじめは1歩からはじめるものです。」
「大木でもはじめは小さな枝からはじまり、九重の塔も、はじめは土の塊からはじまります。千里にもわたる旅であっても、はじめは1歩からはじめるものです。」
この文の続きには、「普通の人間は慎重さが欠けることで、完成間際で失敗してしまう」という意味を指す言葉があります。どんな大きな仕事であっても、スタートは些細な1歩から歩みはじめるもの。当時の気持ちを忘れることなく慎重さを期すことで、最後まで失敗することなく完了させることができるはずです。
知らないことを「知らない」といえれば短所もなくなる
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以下の言葉は、老子道徳経の71章にあります。
知不知上、不知知病。夫惟病病、是以、不病。聖人不病、以其病病。是以、不病。
〈知りて知らずとするは上にして、知らずして知るとするは病なり。それただ病を病とす。是を以て、病ならず。聖人の病ならざるは、その病を病とするを以てなり。是を以て、病ならず。〉
全体のおおまかな意味としては、次の通りです。
「自らが知らないことを知っていることはいいことです。しかし知らないのに知っているというのはよくありません。聖人に短所がないというのは、その短所について短所だと理解しているからです。そのため、短所がないということになります。」
「自らが知らないことを知っていることはいいことです。しかし知らないのに知っているというのはよくありません。聖人に短所がないというのは、その短所について短所だと理解しているからです。そのため、短所がないということになります。」
知らないことに関して、知ったふりをするのではなく、自らが知らないことに関して把握することにより、欠点ではなくなるということです。知らないことは恥ずかしいことではなく、謙虚に生きることがビジネスシーンでも大いに役立つことでしょう。
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