孫正義氏も認めた男が教える!「1分で話す」技術

カルチャー
2011年。ソフトバンクを率いる孫正義氏は、自身の後継者を育てるための育成機関「ソフトバンクアカデミア」を設立して社内はもとより社外から優秀な人材を集めました。倍率100倍とも言われた選考試験の内容は「3回のプレゼン」。筆記試験や面接はなく、すべてプレゼン。いかに孫氏が「伝える技術」を重要視しているのか分かります。
2018.9.27
その難関試験に合格し、さらに国内CEOコースで年間トップの成績を収めたのが伊藤羊氏。現在プレゼンのエキスパートとしてヤフーの企業内大学「ヤフー・アカデミア」の学長、グロービズ経営大学院の客員教授を務める人物です。そんな彼がプレゼンの知見を詰め込んだ話題の一冊『1分で話せ』には、決して義務教育では教えてもらえないノウハウが詰め込まれていました。
「1分でまとまらない話は、結局何時間かけて話しても伝わらない」と考え、最短で伝える技術に磨きをかけてきた筆者の「話の組み立て方」に迫りたいと思います。

「理解してもらえた」はゴールではない!

「すべてのプレゼンは、ゴールを達成するためにあります。」これは一見当たり前のようですが、多くの人がプレゼン準備をする中で、うまく資料を作り、内容をきちんと説明しようと考えているうちにゴールを見失ってしまうのだといいます。ゴールとは具体的に
・聞き手が賛成にせよ反対にせよ、何らかの意見を表明する
・聞き手が賛成してくれる
・聞き手に動いてもらう
このように聞き手が「どこまでやればいいのか」を最初に決めてしまえば、それを実行するための資料作りなどをブレることなく行うことができるのです。そして、ここで大切なのはゴールはあくまで「相手を動かすこと」だという点。どんなに上手に説明できても聞いて終わりのプレゼンでは意味がありません。「理解したうえで、何をしてほしいのか」というメッセージを明確に伝えることが必要になります。聞き手に「内容は分かった。で、結局何がしたいの?」と言われてしまうようなプレゼンでは意味がないのです。

相手を動かすために、できることはすべてやりきる!

「相手を動かすのがゴール」と決まれば、そのためにできる事は資料作りとスピーチだけではありません。筆者は
・事前の挨拶で聞き手とコミュニケーションを取り、距離を縮めておく
・「こういう話をするんだ」と可能な限り相手に伝えておき、心の準備をしてもらう
・プレゼン後のフォロー
などを実行しているのだそうです。なぜなら、その方が「相手が動いてくれやすいから」。よく「根回しは嫌いだから…」などと言いこれを嫌う人もいますが、相手を動かしてなんぼのプレゼンにそんな美学は無用。相手と話す前後のアクションもトータルでプレゼンだと考え設計していくことが大切です。

「1分で伝える」秘訣はピラミッド!

A「分析したのですが、Aはこんな状況で、Bはこんな状況なんです」
B「現段階ではAのプランを優先させるべきです」
このような2つのプレゼンを聞いたとして、どちらがプレゼンターの言いたいことが伝わるでしょうか?答えはB。Aのプレゼンでは事例やデータを重ねていますが、結局何が言いたいのかが分かりません。対してBは主張を明確に伝えていますよね?
そして、Bさんのようにまず1番に主張(結論)を伝えてから、その根拠となる理由を説明することこそ「1分で伝える」技術の根幹。1つしかない結論に対して、それを導く根拠はいくつもあることが多いので「ピラミッド」に例えられるのだそうです。
1番に「結論」、次に「根拠をいくつか(できれば3つ)」説明する。このセットを構築することができれば驚くほど説得力が増す伝え方ができます。言い換えれば、話がダラダラ長くなってしまう人ほど結論と根拠の順番が逆になっていたり、根拠だけ並べてしまっている。つまりピラミッドの形が美しくないと言えるようです。

プレゼンがダラダラ長くなる原因!NGワードとは!?

筆者の経験上、「話が伝わらなくなる4つの話」が存在し、それは…
・プロセスを話す
・気を使いすぎる
・自分の意見とは違うことを言う
・笑いを入れる
この4つ。より理解してもらうためについプロセスを話してしまいがちですが、それはつまり「自分がどれだけ頑張ったのか」を主張しているだけ。それよりもまず結論を伝えましょう。さらに、会議に参加している他の参加者に気を使った発言や笑い話は回り道になるだけ。面白いと思わせるのはロジックで十分です。
「言葉も資料もスッキリ」と。相手に集中力を持ったまま話を聞いてもらい、行動に移してもらうためには徹底的に無駄を省き、最短で伝えることが重要になります。
この他にも「実践編」と題した相談形式の項では、筆者が実際に相談を受けた事例を紹介。孫正義氏に対するプレゼンで鍛えた「シンプルに伝える技術」を披露しています。職場でプレゼンをする機会がある人はもちろん、普段人と話してもイマイチ言いたいことが伝わっている気がしないと感じている人も。いろんなシチュエーションでかなり役に立ちそうな情報に出会うことができました。