2018.9.27
その難関試験に合格し、さらに国内CEOコースで年間トップの成績を収めたのが伊藤羊氏。現在プレゼンのエキスパートとしてヤフーの企業内大学「ヤフー・アカデミア」の学長、グロービズ経営大学院の客員教授を務める人物です。そんな彼がプレゼンの知見を詰め込んだ話題の一冊『1分で話せ』には、決して義務教育では教えてもらえないノウハウが詰め込まれていました。
「1分でまとまらない話は、結局何時間かけて話しても伝わらない」と考え、最短で伝える技術に磨きをかけてきた筆者の「話の組み立て方」に迫りたいと思います。
「理解してもらえた」はゴールではない!
「すべてのプレゼンは、ゴールを達成するためにあります。」これは一見当たり前のようですが、多くの人がプレゼン準備をする中で、うまく資料を作り、内容をきちんと説明しようと考えているうちにゴールを見失ってしまうのだといいます。ゴールとは具体的に
・聞き手が賛成にせよ反対にせよ、何らかの意見を表明する
・聞き手が賛成してくれる
・聞き手に動いてもらう
・聞き手が賛成してくれる
・聞き手に動いてもらう
このように聞き手が「どこまでやればいいのか」を最初に決めてしまえば、それを実行するための資料作りなどをブレることなく行うことができるのです。そして、ここで大切なのはゴールはあくまで「相手を動かすこと」だという点。どんなに上手に説明できても聞いて終わりのプレゼンでは意味がありません。「理解したうえで、何をしてほしいのか」というメッセージを明確に伝えることが必要になります。聞き手に「内容は分かった。で、結局何がしたいの?」と言われてしまうようなプレゼンでは意味がないのです。
相手を動かすために、できることはすべてやりきる!
「相手を動かすのがゴール」と決まれば、そのためにできる事は資料作りとスピーチだけではありません。筆者は
・事前の挨拶で聞き手とコミュニケーションを取り、距離を縮めておく
・「こういう話をするんだ」と可能な限り相手に伝えておき、心の準備をしてもらう
・プレゼン後のフォロー
・「こういう話をするんだ」と可能な限り相手に伝えておき、心の準備をしてもらう
・プレゼン後のフォロー
などを実行しているのだそうです。なぜなら、その方が「相手が動いてくれやすいから」。よく「根回しは嫌いだから…」などと言いこれを嫌う人もいますが、相手を動かしてなんぼのプレゼンにそんな美学は無用。相手と話す前後のアクションもトータルでプレゼンだと考え設計していくことが大切です。