インドの大富豪から教わった「運がいい人」になる習慣のコツ

成功するためのコツや方法について、誰しも知りたいものです。サチン・チョードリー著『「運がいい人」になるための小さな習慣』 より、ちょっとだけ習慣を変えることで運がいい人になるための思考の方法をご紹介します。

2019.7.17

「ちょっとだけ変わる」を積み重ねる

「君はきっとうまくいくよ。ちょっとだけ変わることができればね」それは、一刻も早く成功したいと焦っていた私にとって、ひとつの啓示として聞こえたものでした。
5ページより引用
国際コンサルタントとして、パナソニックや日産など大企業に向けて異文化経営・異文化戦略を指導している著者。個人向けにも経営指導を行い、講演やセミナーも開催しています。
インドの首都であるニューデリー生まれで、幼少期には父親の仕事でバブル期の日本において暮らした経験を持っています。電気や水道などのインフラが十分に整っていなかったインドからやってきて、初めて目にした日本の華々しい風景。インドに戻ってからも、いつか日本で成功することが目標になったのだといいます。
そして、バブルがはじけた後の日本に戻ってきた著者ですが、当時はお金もコネもなく、片言の日本語しか話せない状態で、非常に苦労したようです。そんなとき、たまたま出会った印僑と呼ばれているインド人大富豪から「ちょっとだけ変わる」という考え方を助言されたのだとか。
大きなことを突然変えることは難しくても、ちょっとだけを積み重ねていけば、やがて自分を大きく変えることにつながり、いつしか成功へと導かれる。
習慣をルール化して日常生活の中に落とし込めば、心や態度が変わり、運の流れが変わり、人生が変わってくるというのです。
成功に導く小さな習慣を、身につけていきたいものです。

不可能思考を可能思考に反転

これまでたくさんの日本人とビジネスで関わってきましたが、いつも不思議に思うことがあります。それは、何事においてもまず〝できない〟理由を考える人がとても多いということです。
28〜29ページより引用
「登らない者は、落ちることもない」という言葉がインドにはあるのだと著者はいいます。まさに、生き方だけではなく、ビジネスにも通じるといえるでしょう。
今までたくさんの日本人と接するうえで、できない理由を考えて行動をストップしてしまう日本人が多いということを著者は指摘しています。たしかに、日本人の多くは失敗を恐れる思考を持つ傾向があるといえます。
できない理由にフォーカスしがちな「不可能思考」は、日本人の行動を縛る鎖になっているようです。逆に言えば、今の視点をそのまま反転させれば、物事はとたんにボジティブになるといえそうです。
問題なのは、できない理由を探しているうちに、思考がストップしてしまうこと。最初から諦めてしまっては、解決策を見つけることすらできません。
インド人は、口にしたことは実現すると信じているのだとか。日本にも似たような考え方があり、言葉に出すことで力が宿る「言霊」という考え方があるといいます。
自分に期待する言葉を口にすることで、パフォーマンスそのものが変わってくる。つまり、ボジティブな言葉を発するだけで、人は前向きになるというのです。
目標を言葉にすることで筋道をイメージでき、可能思考の扉を開くことになる。できないという不可能思考から解き放たれるためには、ボジティブな言葉を常に口にしていく習慣が鍵になりそうです。

いつもの習慣を見直してみる

逆に、習慣だからといって疑いもなく毎日こなしていることは、本当に必要なことなのか疑ってみることを著者は勧めています。
何気なく送っている日常を少しアレンジすることで、変化が生まれる。無意識下で行なっている行動が、運や不運に繋がるということを、私たちは知っておく必要がありそうです。
たとえば、毎日三食とっているとしたら、本当にそれで体調がいいのか。あるいは、なんとなく決めている起床・就寝の時間はベストなのか。自分の健康状態を知って、快適に一日を始めるためのルーティンを見直すことも大事でしょう。
毎日の日課になっている習慣は、いわば自分との約束。自分を律するためのベースとなるルールになり得るものです。
無理だと思っていたことを疑ってみたり、すでに習慣化していることを見直してみたり。常に、今の自分が持っている思考をアップデートして、新しい習慣を身につけていくことで、運がいい人になっていけるのかもしれません。
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タイトル: 「運がいい人」になるための小さな習慣
著者: サチン・チョードリー
発行: アスコム
定価: 1,500円(税抜)
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(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディネーター 。元・銀行員であり図書館司書。現在は、女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っている。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。
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