睡眠の質を上げる!ハイパフォーマンス睡眠で寝苦しい夏も快適に

暑い日が続いています。仕事が忙しくてまとまった睡眠が取れない上に、夜も寝苦しいといった悩みを持つ人が多いのではないでしょうか。 山口真由子著『ハイパフォーマンス睡眠』 より、限られた睡眠時間の中で、より良い睡眠をとるための習慣をご紹介します。

無駄のない効率のよい睡眠をとる

睡眠のパフォーマンスが高い人は、限られた睡眠時間の中でもしっかり身体を回復させられますし、日中は高い集中力を維持できます。
5ページより引用
一般社団法人睡眠栄養指導士協会代表理事を勤めている著者ですが、ハイパフォーマンス睡眠のノウハウを確立するなど、睡眠の専門家として活動しています。
立教大学卒業後は大手金融機関に入社、かつては複数の副業をかけ持ちして睡眠時間を削るハードな日々を過ごしていたのだとか。睡眠を削ることによる健康の危機を経験したことで、睡眠学を学ぶに至ったといいます。
ハイパフォーマンス睡眠とは、「無駄のない効率のよい睡眠」のことを指しています。健やかな心身をキープするためには、まとまった睡眠時間が大事であるということは誰もが知るところ。しかし、日常でなかなか簡単には睡眠時間を増やせないが現状です。限られた短い睡眠時間の中であっても、よい睡眠を確保できればこんなにいいことはありません。
正しい知識と日常生活の中における少しの工夫で、睡眠のパフォーマンスをしっかりと上げていきたいものです。

深い呼吸をしてリラックスする

熟睡し、睡眠負債を解消するためには、「心身ともにリラックスした状態」で眠りに入ることが重要です。
108ページより引用
睡眠の不具合というと、代表的なものとしてなかなか寝付けないといったイメージがありますが、実はそれだけではないと著者はいいます。
たとえば、日中に強い眠気があって集中力が続かなかったり、休日にいつも以上に寝てしまったり。また、どれだけ寝ても疲れが取れず、いつも眠そうに見える人は「隠れ睡眠障害」であるのだとか。さらには、夜中に目が覚めてしまうといったタイプの不眠症もあります。
睡眠障害は、糖尿病、心臓病、がん、精神疾患、認知症などのリスクを高めることも解明されていると語る著者。睡眠が少ないことで仕事の効率を下げてしまうだけではなく、健康を損ねてしまっては大問題です。
睡眠のパフォーマンスを上げるためのポイントは、寝る前の行動にあるようです。
寝る前に心身がリラックスした状態ができていれば、身体が眠ることに集中できて睡眠負債がたまりにくくなるようです。
そして、リラックスするためには、呼吸の深さが大きく影響するのだとか。睡眠時の呼吸が深くなると、自律神経が副交感神経優位の状態に。姿勢を良くしたり、軽いストレッチをしたり、入浴することも、睡眠時の呼吸を深くすることにつながるといえるでしょう。
寝る前はもちろんのこと、日頃から深い呼吸を心がけてリラックスしていくことを意識していきたいものです。

睡眠ホルモンの生成は朝食にあり

ハイパフォーマンス睡眠を実現させるためには、「睡眠ホルモン」を作ることも大事であると著者はいいます。
睡眠ホルモンの代表的なものとして「メラトニン」が有名です。しかし、体の中で十分に作られていなければ、パフォーマンスのよい睡眠には至らないといえます。メラトニンは抗酸化作用があり、寝ている間に細胞の新陳代謝を促すため、疲労回復やストレス解消を促進。寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めてしまうということは、メラトニンの分泌量が減少しているのかもしれません。
メラトニンが体内で作られるまでには、16時間程度の時間がかかるといいます。夜寝るときに必要なメラトニンを生成するためには、朝、必要な栄養素を取る必要があります。
睡眠ホルモンの生成に必要な栄養素として、ビタミン、ミネラル、タンパク質が挙げられています。その中でもトリプトファン、ビタミンB6が重要なのだとか。トリプトファンが豊富な食品は、大豆食品、乳製品、バナナなどが。ビタミンB6が豊富な食品は、魚類、ニンニク、鶏肉などがあります。サプリメントで補うこともできますが、やはり朝食をとることで夜の睡眠が大きく変わってくるといえるでしょう。
日中に良い仕事をするためにも、睡眠の質を上げてしっかり休んで。ハイパフォーマンス睡眠を実現していきたいものです。
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タイトル: ハイパフォーマンス睡眠
著者: 山口真由子
発行: マネジメント社
定価: 1,400円(税抜)
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(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディ ネーター 。元・銀行員であり図書館司書。現在は、女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っている。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。
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