2019年10月25日 更新

プチプラの次は?フォーエバー21の破綻に見るファッション業界の行方

断捨離した後の服の行方を考えたことがありますか。経済的な成長の裏にはほとんど犠牲が伴い、堅調な成長を見せるファストファッション市場もその一例です。しかし今、利益追求を優先しすぎたファストファッション業者のモラルと、消費者の良識が問われる時期がきたようです。

最近、フォーエバー21が日本から完全撤退し、米破産法適用申請することになった理由の1つとしてサステイナブルに真剣に取組んでいなかったから、という意見も多いです。

注目されるレンタル洋服や古着、スローファッション

gettyimages (48814)

しかし、サステイナブルファッションの問題点は値段が高いということです。それならば、衣類を買わなければいいのですが、そういうわけにもいかないと、注目されつつあるのが洋服レンタルサブスクリプションと古着です。
ファストファッションが環境に良くないのは分かるけど、サステイナブルファッションは気軽に流行に乗れるという値段ではない。いくら質がよくても、「同じ服」、「時代遅れの服」を着ていたら、社会的イメージがあまり良くないというのが現実です。
そのような社会的プレッシャーを考慮し、また環境保護にも貢献できると言う点で、「airCloset」などのレンタル衣類サブスクリプションが最近、特に働く女性に注目されるようになりました。

また、「メルカリ」などで古着を売買し、不用品を捨てずに回転させるという方法も有名ですね。
欧米にはサルベーション・アーミーやGoodwillなどのように、気軽に古着や不用品を寄付できる所がありますが、日本ではまだ少ないです。寄付されたモノを売り、売上の一部を社会に還元するという店舗が増えれば、誰もが簡単に社会奉仕と環境保護に貢献できます。
昨年アメリカで、中学の女性教師が始めた「同じ服を100日着よう!」というプロジェクトが話題となりました。サステイナブル貢献への取り組みとして、流行のスピードを落し、デザイン、質、共に服の寿命を延ばすスローファッションや、流行に感化されない自分なりのスタイルをもつという観念を広めることも大切なのでしょう。
プチプラの使い捨ては消費者の経済活動を活発にします。しかしその裏にある犠牲を減らすよう、企業は努力を迫られています。消費者も社会的な責任意識をもってファッションと向き合う時期がきたのかもしれません。
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K. ブリーン K. ブリーン
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