ネットショップ開業するには アイデアと才覚次第で繁盛店になれる

キャリア
ネット通販サイトは、特にITを勉強しなくても開店でき、自宅を事務所兼倉庫にすれば維持費を月数万円程度に抑えることも可能です。店舗運営を助けるASPサービスも豊富で、個人でもアイデアと才覚次第で「繁盛店」になれます。
2019.3.14

ブログを立ち上げるようにネット通販開店?

独立して、あるいは副業としてネット通販サイトの開店を考えている人もいるでしょう。個人がネット通販サイトを運営するには何が必要で、どんな形態がよく、それにはどれぐらいの費用がかかるのでしょうか?
ネット通販と言っても、ITシステムについて自分で勉強したり、技術に詳しい人に頼まなければならないことはありません。なぜなら、今はネット通販開業用の「パッケージ」がいろいろあり、必要に応じてカスタマイズすれば開店にこぎつけられるからです。
それは「ブログ」に似ています。ブログはITを知らなくても、誰でも見よう見まねで立ち上げて運営できます。自力でブログを立ち上げることができた人なら、ネット通販サイトも自力でつくって運営できるでしょう。
ただし、ブログは書いて無料で人に見せるだけですが、ネット通販は商品を売る「営業」をしますから、期日や約束や法律の規制を守るなど「商人」としての責任が伴います。ネットオークションの個人売買の延長のようなつもりで軽く考えないようにすることが大切です。

工夫次第で開店費用も維持費も安くできる

ネット通販を始めるにはまずパソコンとインターネット回線が必要ですが、それはすでに持っているでしょう。それ以外に、ネット上に通販サイトを公開する「スペース」を確保し、お店の内装工事を行うように通販サイトをデザインしてアップロードしなければなりません。商品に値段をつけて通販サイト内に写真と説明文を「陳列」し、お客さんが商品を買う時に使う「レジ」やクレジットカードなどの「決済」のしくみ(ショッピングカートシステム)も用意します。在庫の保管場所も確保し、梱包、配送の手配も行わなければなりません。集客のために宣伝も行います。
公開するスペースやツールはできるだけ安いものを選び、デザインや陳列、宣伝活動は自分で行い、自宅を商品の倉庫にして梱包、発送も自分で行うなど、工夫次第で初期費用、維持費は安く抑えることができます。
具体的には、通販サイトを開くレンタルサーバーを借りますが、「共用サーバー」ならオリジナルドメイン(URL)を取っても安くすみます。個人なら、サイトのデザインや商品の陳列、レジ、決済、メールを自動発信するような受注管理については「レンタルショッピングカート」と呼ばれるASPサービスの利用が向いています。通販サイトの開業、運営に必要な一式が「パッケージ」になっていて、まるでブログを立ち上げたり更新したりするような要領でサイトをデザインし、値段を付け、商品を入れ替えられるからです。
レンタルショッピングカートの中にはレンタルサーバーやオリジナルドメイン取得まで提供するオールインワンタイプ(高機能ASPサービス)もあり、はじめてでも通販サイト立ち上げを助けてくれます。初期費用、月額料金が無料のものと有料のものがありますが、容量やデザインの自由度などに制約が多い無料でも「BASE」のように独自ドメインが取れるものがあり、有料でも「カラーミーショップ」の場合、初期費用も月額料金も3,240円(税込)ですみます。
「『アマゾン』や『楽天市場』や『Yahoo!ショッピング』に出店したい」という人は、アマゾン、楽天、Yahoo!がそれぞれオールインワンタイプの「ASPサービス」を提供しています。有名モールへの出店は大きな集客効果がありますが、出店審査や運営などにルールがあり、手数料など費用もかかります。通販サイト運営が軌道に乗ったら、次のステップとして考えるといいでしょう。

アイデアと才覚次第で「繁盛店」になれる

有名モールに出店しなければ、ネット通販サイトをただ開設するだけでは集客効果は乏しいので、SNSなどで自分で積極的に宣伝をしなければ、お客さんはやってきません。
ネット通販も「お店」ですから、店内をいかに入りやすく買いやすくするか、魅力的な商品を揃えられるか、買いやすい値付けができるか、センスのいい陳列ができるか、効果的な販促企画を打てるか、買ったくれたお客さんの心をつかんで「リピーター」「上得意客」にできるかなどは、「商人」としてのアイデアや才覚次第です。「繁盛店」になるためにはどうすればいいかは、街角に店を出しているリアル店舗の店主と全く同じです。
最初は負担の軽い初期費用、月額料金が無料のレンタルショッピングカートでスタートし、運営が軌道に乗ったら有料のレンタルショッピングカートへ移行し、さらに「アマゾン」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」に出店して事業を拡大するというように、「小さく産んで大きく育てる」のも良い戦略です。

参考URL:
http://www.makeshop.jp/main/know-how/opening/opening-basic.html
http://www.makeshop.jp/main/know-how/product/product-comparison.html

寺尾淳(Jun Terao)

本名同じ。経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、現在は「ビジネス+IT」(SBクリエイティブ)などネットメディアを中心に経済・経営、株式投資等に関する執筆活動を続けている。

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