プロトラベラー、プロゲーマー、ブックセレクターに見る新職業マップ

インターネットで世界が一瞬にしてつながるようになると、私たちの生活も職業のあり方も変わりました。SNSによって多くの共感を集めることが成功の鍵となった現在。コンピューターゲームがオリンピック競技にもなろうというこの時代の、新しい職業について調べてみました。

2019.2.18

SNSを表現の場とする時代のアイコン・プロトラベラー

日本テレビ「マツコ会議」に眉エクサロンの客として登場した “プロトラベラー”のaiseriさん。
羽田空港からサロンに直行したという彼女は、この時プロトラベラーという職業について説明しました。それはまさにSNS時代の申し子。旅行先の写真をInstagramにアップし「いいね!」の数で成功報酬を頂くという働き方をします。気になる報酬ですが、aiseriさんは平均で月60万も得ているのだそうです。
プロトラベラーは2016年にミツバチワークス株式会社によって生み出されました。「旅の素晴らしさを伝えることで、より多くの女性を旅に誘い、彼女たちの人生を豊かにする。」が彼女達の理念です。
公式ホームページによると、プロトラベラーとはブロガー、インスタグラマーとともに、SNSを表現の舞台とする時代のNEWアイコンといえる存在です。
「テラスハウス ALOHA STATE」に出演していた羽石安奈さんもプロトラベラーとなり、この職業を世に広めました。
企業も商品の魅力をより活き活きと伝えるため、プロトラベラーとタイアップしています。例えばPanasonicのカメラLUMIX GFは、aiseriさんらプロトラベラーとコラボし、彼女たちが撮影した世界各地の美しい写真と動画を公開しました。日産も、リーフの公式プロトラベラーとしてaiaiさんを起用しました。
aiseriさん、羽石安奈さん、aiaiさんらは皆ミツバチワークスに所属しています。

プロゲーマー活躍のeスポーツは今後に期待

将来オリンピック競技になるといわれるeスポーツ。日本にも梅原Daigoや東大卒プロゲーマー・ときどなどがいますが、世界のプロゲーマーの獲得賞金は桁違いに高い事実も広く知られるところとなりました。
世界トップの選手の2017年の獲得賞金を調べると、驚きの結果になりました。
1位 クロッキー ドイツ        274,495,000円
対して「eスポーツ後進国」日本のプロゲーマーたちは、トップのときどでも推定獲得賞金4,500万、Daigoで2,400万と1桁違ってきます。
これには理由があり、日本のプレーヤーは、ストリートファイターなど競技人口が少なく賞金規模の小さいタイトルで闘うからです。
対して世界のトップ層は、Dota 2(Defense Of The Ancients 2)プレイヤーが占めています。Dota 2 International 2016の賞金総額は約26億円。対してストリートファイターは約2億円にとどまっています。

「1万円選書」に7,700人が応募!ブックセレクターという職業

「1万円選書」とは、北海道砂川市にあるいわた書店の店主・岩田徹氏がおこなう選書サービスです。希望者が自分の情報を書き込む「カルテ」と呼ばれる申し込み書には、このような質問があります。
・これまでに読んだ本で印象に残っているベスト20は?
・何歳の自分が好きか
・あなたにとって幸福とは?
岩田氏はカルテを基に、ふさわしい書籍を1万円分選び、郵送してくれます。
店を畳もうとした時もありながら、2014年に1万円選書がテレビで報道されてからは注文が殺到しました。残念ながら、現在では年に数回の抽選制になってしまいましたが、2018年12月には7,700人が応募したというから驚きです。
このサービスには、選書代金は含まれていません。本の実費1万円と郵送料のみを申し受けるので、あまり利益は出ません。そのうえ1日に5人分しか選書できないのですから、「いかにその人にふさわしい本を選ぶか」に完全にフォーカスしたサービスです。
いわた書店は、売れ筋の書籍が並ぶ本屋ではありません。1979年出版のものもあったり、岩田氏肝入りのセレクトが陳列されています。
書店には、岩田氏の選書により救われたという購入者からの手紙も届きます。本を読んだ人がTwitterで感想をつぶやくと反響はまた広まっていきます。
本の持つ力が、最大限に活用されたビジネススタイル。メディアの助けもありましたが、このビジネスを成立させているものは、第一には岩田氏の信用です。
自分だけのためにセレクトされた本を、一度は手に取ってみたいものです。岩田氏は、全国の書店に自分のやり方を真似て欲しい、そして書店の置かれた厳しい状況を打破して欲しいと願っています。

まとめ

紹介した新職業は、すべてSNSやインターネットの誕生の産物ともいえますが、同時に情熱がなくては絶対に成立しない職業であるとも感じました。
しーな

しーな

システム開発業の夫を手伝いながら身に付けた知識で、2017年からIT業界を中心に扱いライティングをしています。3児の母です。IT業界や成功者に興味があります。
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