好きなことで成功する!ハリーポッター作者に学ぶ夢の叶え方

世界中でベストセラーとなった「ハリー・ポッターシリーズ」の原作者J・K・ローリングは、貧困と不運にも負けず、才能と努力により大成功を収め億万長者になりました。成功の秘訣は何でしょうか?J・K・ローリングの人生の中にきっとヒントが見つかるはずです。

2018.10.4

好きなことを続ける

作家に限らず、何かで成功を収める人には「才能があるから」と理由をあげますが、「才能」とは何でしょうか。
「才能とは、情熱を持続させる能力のこと」 宮崎駿
「才能とは何かに目標を定めて、ずっと努力し続けられる力こそが才能の中核」 村上春樹
「才能とは、継続できる情熱である」 羽生善治
と、有名人が口を揃えるように、才能とは「好きなことの持続」です。
英国で航空機エンジニアの父と研究所の科学技術者の母との間に生まれたJ・K・ローリングは、幼い頃から本に囲まれて育ち、「本のために生きていた典型的な本の虫」と自身が語っているほど読書家で、将来は作家になりたいと思っていました。
彼女は6歳で初めて本を書き、11歳でハリー・ポッターシリーズに通ずる最初の小説「7つの呪われたダイヤモンドとその所有者たち」を書いています。彼女が通ったエクセター大学では、古典にはまり大学図書館で期限切れの罰金を受けるほどのめり込みましたが、その古典の知識が後に、ハリー・ポッターシリーズの呪文となるラテン語の作案につながっています。
このように才能とは、
「好きなことを見つけ、長続きさせ、 腕を磨き、それが才能になる」
ということに尽きます。

不幸な境遇に執着しない

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成功する人は時間を大切にしますから、偶然訪れる不運や不幸な出来事に無駄な時間を費やしません。むしろ、不幸をチャンスに変える才能も持ち合わせています。
10年間多発性硬化症に苦しんだ母親が死亡し、バーで知り合った最初のポルトガル人夫との第一子は流産、その後夫の家庭内暴力で離婚と、絵に描いたような不幸な人生を送っています。しかし、子連れで失業中の時代を「自由な時間が沢山あり書くことに集中できた」と後に語っています。
この時期の彼女は、医者から「うつ病」と診断され自殺を図っています。この時の病気は、ハリー・ポッターシリーズで登場する魂を吸う怪物デメンターの誕生にインスピレーションを与えました。病気という経験でさえアイデアに変えてしまう、転んでもただでは起きないしぶとい強さが彼女には備わっているのかもしれません。「失敗は避けられないもの。それを力に変えること」と後に語っています。

富に執着しない

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人はお金持ちになればなるほどお金に執着しがちですが、お金が湯水のように溢れる億万長者は、逆にお金に執着心がなくなるのかもしれません。
ハリー・ポッターの爆発的な人気で、書籍も映画も驚異的な大成功を収めて一躍億万長者になったJ・K・ローリングは、貧しかった自らの境遇を忘れず、決して財産を無駄に使うことはしませんでした。貧しいシングルマザーの執筆時代を支えた英国の福祉政策に恩義を感じ社会党を支援、数多くの慈善団体に多額の寄付をしています。2012年には慈善事業へ1億6,000万ドルの寄付や英国の高い税金により、億万長者のリストから除外されたこともあります。
しかし、自分を成功に導いたものに富を還元するという姿勢は変わらず、貧困と社会的不平等を無くす慈善団体基金を設立し、毎年510万ポンドを投じて、シングル家庭や母親の死因となった多発性硬化症研究を支援しています。また覆面作家がばれてベストセラーになった「The Cuckoo's Calling」の高額印税も全て慈善事業に寄付しています。
こうした過去の境遇を忘れず自らを援助してくれた団体への恩返し、弱者への支援、自分の作品を支援してくれる児童への福祉事業といった還元活動は評価され、それがさらに信頼を強め、新しい事業を発展させる礎となっているのかもしれません。

まとめ

2017年の世界長者番付では、年間9,500万ドル/104億円の収入を得て世界3位の高額所得者に選ばれ、同時に世界一の高収入作家となりました。近年では、BBCのテレビドラマのプロデューサーとしても活躍するなど、作家としてだけでなく幅広いジャンルで活躍の領域を広げています。作家という枠をはずしても、成功する秘訣「好きなことを続ける」「失敗を力に変える」を全うする姿勢は、常にJ・K・ローリングを輝かせているのでしょう。
エリカ・ド・ラ・シャルモン
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エリカ・ド・ラ・シャルモント

フランス、パリ在住。
公職における本職の他、サイドビジネスとして翻訳・通訳・コーディネーター・ライター、
またフランスで不動産業を手掛け、フランスの雑誌編集にも携わっています。
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