2019年10月1日 更新

ウェルネスブームが世界中で止まらない!4兆ドルの経済効果と背景

マインドフルネスをはじめとした、ウェルネス(健康を維持、増進させようとする生活活動)に興味を持つ人が増えつつあります。ウェルネスツーリズム、アプリなど新たな商品が出回り、今やウェルネス産業の市場規模は4.2兆ドル以上。このブームの実態や背景、昨今のトレンドについて解説します。

具体的なウェルネスのトレンドは?

報告書に挙げられた、10セクターの中でも特に成長が著しいのは、スパ、ウェルネス不動産、ウェルネスツーリズム。高収入層ほどウェルネスへの関心が高く、そのための出費は惜しまないということから、ウェルネスの高級化がトレンドとして注目されています。
ウェルネスツーリズムとはGWIの説明によると、個人の健康や幸福感への追求、維持、増進をゴールとした旅行のことで、例えば、本場での瞑想、ヨガなどのマインドフルネスやリラクゼーションを体験したり学んだりするような旅です。
ウェルネスツーリズムの2017年消費額は6,390億ドル(約68兆円)。今や観光消費額全体の17%を占めています。旅行先として人気を集めているのは、自然やスピリチュアルな体験のできるインドや中国。
森林浴を目的としたウォーキングツアー、酸素バーでのセラピー、ストレスコントロールを学ぶブレインパワーディナー付きの講義、マンドフルマッサージ、ヨガ、瞑想など、高価だけどストレスを解放し、とことんリラックスできるサービスを提供するスパ施設やホテルの需要も増えています。
ウェルネス不動産とは、心身ともに健康的でいられる建物の設計、建設や地域開発などを手掛けるビジネスです。具体的には有機の素材、清浄した水や空気、体に優しい照明など体に悪影響を与えない工夫を凝らしたり、地域にジムやスパを設けたり、自然と融合させたりなど、心身の健康のための贅沢が行き届いた環境を提供することを特徴とします。
また、フィットネス、マインドフルネス人気の波及効果として、瞑想やフィットネスなどのアプリやグッズが開発され、人気を集めているようです。
「心身ともに健やかでいたい」という誰もがもつ単純な願望が様々な形で商品化され、ステイタスシンボルとなったり、インフルエンサーになったり、ウェルネス産業は今後もますます成長していくことでしょう。
参考記事:

K. ブリーン

アメリカの某大学経済学部卒業。主に社会経済や映画の事などを書いてます。ピラティスにはまり、指導員資格を取りました。
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