あなたの時間的価値を引き上げる「自分時間の投資」とは

自分の時間を投資し、能力やスキルを身につければ、将来「時間的価値の上昇」として返ってきます。そのためには、インプットの時間をつくることが大事。あなたは普段の生活の中で、時間の投資をどのくらいできるでしょうか?(泉正人著『TIME DESIGN(タイムデザイン)』より抜粋。)

2020.1.13

人生の減価償却

減価償却とは、時間の経過につれて、経済的な価値や将来収益を生み出す力が減少していくことです。
新築で買った寿命50年のマンションは、一般的に年々価値が下がっていき(つまり減価償却していき)、50年後に価値がゼロになると考えられます。 それを私達人間に置き換えてみると、人生80年という寿命が決められているとすれば、時間的視点でみると年々減価償却していると考えられます。 当然、知性は高まり、経験値が深まり、人としての価値はでてくるのですが、「時間」だけをみると毎年減価償却しているのです。 時間として減価償却されつつも、時間とともに中身まで劣化していくよりは、年々希少価値が高まっている自分自身の時間をより楽しく有意義に、そして自由な時間としていくことは、とても大切だと思います。
「時間を浪費してはいけない。人生は時間の積み重ねなのだから」と、アメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンが言うように、時間は浪費するよりも投資することで、楽しい人生を送ることができるようになります。 同じ1日でも昨日より今日、同じ1週間でも先週より今週、同じ1カ月でも先月より今月と、中身を充実させることによって、経過した時間ぶん以上のものが手に入るのです。

1日1時間続ければ、3年で1000時間になる

せっかく自分の時間を投資するのなら、できれば時間的価値が高まり付加価値がつく能力やスキルを身につけたほうがいいと私たちは考えてしまいます。
なぜなら、付加価値がつく能力やスキルは、一度身につけたら、その後の長い人生の中で時間をさらに充実したものにしてくれるからです。 その時間的価値を高めるには、まず自分の時間を投資しなければいけません。
ぼーっとして待っていれば、時間的価値が上がっていくことはありません。
時間的価値の高い人は、かならず過去に時間の投資をし、価値を高めた経験のある人です。
10年間素振りをやり続けた野球選手も、何年も毎晩料理の勉強をした人も、2年間MBAの勉強に費やした人も、スキマ時間でも絵を書き続けた漫画家も、同じ「時間の投資」をしています。 では、あなたは今の生活の中で、その時間的投資をする時間はどのくらいつくれるでしょうか?
1日1時間の時間は、頑張れば、つくれる人は多いと思います。
では、1日に3時間ずつつくれるでしょうか?
その時間の投資は、かならず近い将来の自分に「時間的価値の上昇」として跳ね返ってきます。その時間を取れない場合、現状維持、もしくは下降していってしまうのが、移り変わりの激しい今の時代かと思います。
そのためにまず行うことは、時間的価値を高めるためのインプットの時間(時間の投資)をつくること。
そこでも、自分自身の時間コントロール力は生きてくるのです。
この時間コントロールで一番簡単で続けられる方法は、時間を先にブロックすることです。
たとえば英会話を習得したいというのであれば、英会話学校に通う時間を毎週火、木の午後7時から9時までと決めて最初に入れてしまうのです。
意識的に時間を確保してやっていくと、半年もすれば習慣化していきます。
習慣化するまでは、あえてスケジュールに組み込んでしまうのです。
それでもくじけてしまいそうなときがあると思います。そういときは、英会話の先生を予約するとか、友だちを誘って毎週火、木に行くなど、他人を巻き込んでしまうのもいいかもしれません。
こうしてタイムデザインを考え、今の自分の生活サイクルの中の1時間を変えるだけで、ものすごい時間的価値が生まれてきます。 1日1時間でも3年続ければ、相当大きな変化でしょう。 自分でコントロールできる時間を12時間とすると、その中の3時間を毎日、1年間続けるとしたら、1000時間以上もの時間を投資できることになります。
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