準富裕層になるには? 生活スタイルは? 早期リタイアも可能?

準富裕層の生活は堅実? 富裕層へのステップとして、準富裕層を目指す方も多いことでしょう。野村総合研究所(NRI)などの定義では、世帯の純金融資産が5,000万~1億円未満を準富裕層としています。準富裕層になる方法や生活スタイル、早期リタイアの可能性を見てみましょう。

2019.2.1

準富裕層になるには? 生活の切り詰めは無意味?

結論から言えば、「生活を切り詰めていつかは準富裕層に!」などと言うのは夢物語です。現在のわが国での平均年収は400万円程度ですから、単純計算で40年間働いても、現役時代の年収総額は1億6,000万円ほどにしかなりません。ここから税金・保険料、家賃・住宅ローン、水道光熱費、食費、教育費、交際費などが差し引かれます。どれほど慎ましい生活に努めても、60代までに5,000万円の金融資産を作り、準富裕層入りを狙うことは非現実的です。
他方、現在の準富裕層の約9割が40代という推計もあります。優良企業の社員や公務員で共働きの世帯、医師・弁護士・公認会計士などで開業する士業世帯であれば、子供が多かったり、派手な生活に耽溺したりしなければ、現役時代に準富裕層入りの可能性があります。私の周囲の準富裕層と考えられる知人たちは、多くがこのパターンですね。
しかし、終身雇用・年功序列制度が事実上崩壊し、企業の合従連衡も盛んな昨今の状況では、高年収の自身がリストラ対象にならないとも限りません。組織改編などにより、実質降格の憂き目に遭うこともあり得ます。優良企業勤務と言えど、将来の資産・生活は保障されません。準富裕層入りの現実的な方法としては、早期退職制度を活用して割増退職金を得る、投資・資産運用で不労所得を得るなどが考えられます。相続は不確定要素が大きく、過度な期待は禁物です。

準富裕層の生活スタイルは? 人により差が大きい?

2018年12月の野村総合研究所の発表では、準富裕層は全世帯数の6%、322万世帯強です。意外と多いと思われますか。準富裕層の生活スタイルは、世帯によるバラつきがとても大きく、「これが典型的な準富裕層の生活だ!」と言えるものがないことが特徴です。準富裕層より下の一般層と、パッと見では生活の違いが分からないことも多いですね。
準富裕層は40代の現役世代が多く、多忙で余暇の時間が少ないことも、一般層との生活スタイルの違いを見え難くしている原因でしょう。それでも、準富裕層では、3,000万~4,000万円クラスの一般的な住宅ならばキャッシュで購入するケースも多いです。地価の高い都心部などでは、1億円超クラスの高級物件を住宅ローンを組んで購入するケースも見られます。通勤での無益な消耗を避けるため、都心部での生活を選択する準富裕層は少なくありません。
自家用車にこだわりのない準富裕層も散見しますが、メルセデス、BMW、ボルボ、レクサスあたりが定番の選択でしょう。一般層でも高級車を所有することはありますが、ほとんどが自動車ローンを組んでの購入です。対して、準富裕層ではキャッシュ購入となるケースが多く、生活を圧迫しません。超都心部(東京都千代田区・港区・中央区あたり)の高層マンションなどで生活する準富裕層では、専らハイヤー・タクシーを使い、自家用車を所有しない選択も見受けます。

準富裕層でも早期リタイアできる? 生活レベルは下がる?

40代以降の生活にゆとりがある富裕層や準富裕層であれば、早期リタイアを考えることも多いでしょう。ただし、純金融資産1億円以上の富裕層とは違い、準富裕層の段階での早期リタイアには生活の不安が付きまといます。実際問題、金融資産5,000万円以上1億円未満の準富裕層が早期リタイアしてみると、多くが生活レベルを大きく下げざるを得ない現実に直面します。老後の生活を考えると、より不安は募りますね。
準富裕層が生活に不安なく早期リタイアしたいならば、不労所得を得ることが一つのポイントになります。不動産や金融商品への投資で資産運用をし、不労所得を得られる段取りをリタイア前にしておくことが肝要です。ある程度安定して不労所得を得られる実績を積んでいれば、準富裕層でも資産を急激に減らしたり、生活レベルを極端に下げたりせずに早期リタイアが可能です。
もしくは、セミリタイアと言って、好きな時にだけ仕事をし、多少の収入を得て生活の足しにすることも、準富裕層の早期リタイア方法として現実的です。インターネットビジネス、在宅ワーク、アルバイトなどをするのですね。ただし、早期リタイア後の生活に不安を覚える準富裕層ほど、富裕層よりもリスキーな儲け話に引っ掛かる傾向が強いので要注意です。再現性に乏しい情報商材を高額で購入してしまったり、怪しげなネットワークビジネスに気付かず参加していたりなど、枚挙に暇がありません。
Kenneth S

Kenneth S

総合商社のIT戦略担当からIT系ベンチャー企業の経営補佐などを経て、現在は海外在住の個人投資業。時折、物書きもしている。
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