リファラル採用が活発化!そのメリットと利用するときの注意点

キャリア
リファラルとは「紹介」を意味し、リファラル採用とは「人材会社を介さず、社員に紹介してもらった人で採用活動をすること」を指します。特筆すべきは、紹介者の社員へのインセンティブ以外の費用はほぼ発生しないことですが、リファラル採用には他にもメリットがあります。
2019.7.5

リファラル採用と“コネ入社”は違う?

通常、企業の新規採用には人材系の外部サービスなどを使いますが、その場合、採用した人材の年収の20~30%ほどの費用を、成功報酬として支払わなければいけません。つまり、年収700万円の人を新規採用すると140万円以上の成功報酬の支払いが発生するのです。

リファラル採用の場合、紹介者である社員へのインセンティブ支払いは発生しますが、はるかに安いのですから、リファラル採用は人事担当者や経営者としては無視できない制度ではないでしょうか。
リクルートワークス研究所によると、アメリカでは2012年時点で、既にリファラル採用が社外採用全体の28%を占めていました。また、2018年に同研究所が国内人事部対象におこなった調査では、「リファラル採⽤の制度がある企業の割合は7割以上」という結果が出ており、予想以上に活用されていることが分かります。
「リファラルなんてコネ入社と一緒」という誤解もまだ残っているのも事実です。しかし、リファラル採用はコネ入社とはまったく異なります。コネ入社には正攻法ではない採用というイメージがありますが、その背景には、役員など権限を持った社員が採用基準に見合わない親類縁者を、特権を利用して採用させたケースが相次いだことがあります。「縁故採用者」はワケありというレッテルが貼られがちですが、リファラル採用者は、活躍度や定着度が高いという評価を生みつつあるのです。

リファラル採用のメリットとは?

現在、リファラル採用を積極的におこなっている業界といえば、サイバーエージェントをはじめとするIT系です。また、銀行や損保などの金融系、電気・ガスなどエネルギー系のデジタル部門や子会社も、多くがこの手法を採用しています。AI(人工知能)などの先端技術を扱うデジタル人材は、ITベンチャーだけでなく製造業や金融業でも希少なため、エンジニアがエンジニアを紹介・推薦するリファラル採用は重要な採用窓口です。
このように、リファラル採用には採用コスト低減もさることながら、「ポテンシャル人材の発掘」という大きなメリットがあります。企業が求める人材には、常に転職マーケットで出会える訳ではないからです。大手企業の中でも特にGoogleは、高い技術を持った「ポテンシャル人材」と出会うために、リファラル採用制度を設け強化しているのです。
リファラル人材のメリットには、他にも
「カルチャーフィットする人材と出会える」
「従業員の満足度の指標になる」
などがあります。サイバーエージェントは、経費をかけてエンジニアを対象にしたセミナーや勉強会を開催し、懇親会などで親交を深めた優秀なエンジニアに「うちで働きませんか」と声掛けする手法を取っていますが、これもリファラル採用のひとつといえるでしょう。

リファラル採用体験者のリアルな声と注意すべき点は?

前述のリクルートワークス研究所調査は、「ここ3年以内に知⼈に⾃社にこないかと誘われたことがある」人の割合を調べたところ、全体の21%という結果でした。また、
「この年でまったく職種の違う職場に必要とされるのは嬉しかった。」
「⾃分の良いところを知った上で提案してくれ、条件も良かったため、タイミングがあえば転職したかった。」
「⾃分が友⼈にとって優秀な⼈材として評価するに値するのだと感じ、嬉しかった。」
このように、誘われたことに対して嬉しく感じた人が多数派でした。一方、
「紹介だとプレッシャーを感じる」
「友⼈との関係が崩れないか⼼配になった。」
など、ネガティブな捉え方をしたり冷静だったりした人もいました。
なお、もしあなたにリファラル採用の話がきても、採用が約束されているとは考えないようにしましょう。採用担当者によれば、“せいぜい一次面接をクリアできた程度”と考えるのが妥当だとのことです。
採用担当者によれば、リファラル採用の応募者には「自分は三顧の礼で迎えられる」と思い込み、採用は間違いないと勘違いして面接を受ける人もいるそうです。
横柄だったり、なれなれしかったりすると、いくらあなたのキャリアやスキルが素晴らしくても、人事担当者としては「職場で上手くやれるだろうか」と不安を抱くといいます。面接には是非謙虚な姿勢で臨みましょう。

まとめ

リファラル採用であれば、全く違う業種からあなたのスキルを求めて声がかかることもあり得ます。一般的な転職活動では、なかなか訪れないチャンスだといえます。リファラル採用は、今後人材の確保が厳しくなると、さらに注目されるであろう採用方法です。

出典:
日経xTECH https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/02269/
NIKKEI STYLE https://style.nikkei.com/article/DGXMZO41402600Y9A210C1000000/
日経xTECH https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00333/072600007/
リクルートキャリア https://www.recruitcareer.co.jp/news/20190304.pdf

しーな

システム開発業の夫を手伝いながら身に付けた知識で、2017年からIT業界を中心に扱いライティングをしています。3児の母です。IT業界や成功者に興味があります。

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