スティーブ・ジョブズの「Walking Meeting」が創造力を高める理由

生き方
スティーブ・ジョブズをはじめ多くの著名人は歩きながら、頭を整理させ、斬新なアイデアを生み出す「Walking Meeting 」を好んでいることは有名です。歩くことと創造的な思考力のポジティブな関係は研究でも証明されています。ジョブズ氏のように、歩くことで仕事の効率をあげてみませんか。
2020.3.10

スティーブ・ジョブズが好んだ「Walking Meeting」

最近よく、歩きながら話し合ったりアイデアを出し合ったりする「Walking Meeting」が取り入れられていると聞きます。実は、座りっぱなしは創造性を低下させてしまい、歩きながら考えることは創造性を高めるのだそうです。
集中できないのではと思われるかもしれませんが、あのスティーブ・ジョブズは歩きながら話し、考えることで、多くのアイデアを生み出していたと言われています。
彼は定期的に長時間歩きながら、ブレーンストーミング・ミーティングを行っていたそうです。特に重要な議題は歩きながら話し合うことを好んだそうです。
米CNBC-Make itによれば、ジョブズ氏の長年の友人だったロバート・フリードランド氏はジョブズ氏を思い出して「いつも裸足で歩き回っていた」と述べているといいます。
また、当時アップル社のチーフデザイナー、ジョニー・アイブ氏(2019年11月アップル社を引退, 新会社「LoveFrom」設立)とジョブズ氏が、本社のキャンパスでデザインについて話しながら歩いている姿をよく目撃されていたとも言われています。

歩くことと創造性の科学的な関係

歩くことによる創造的思考に与えるメリットについては科学的に実証されています。スタンフォード大学の研究によれば 数種類のテスト結果では座っている時よりも歩いている時のほうが、平均60%も創造的思考を高めるということが分かりました。
この研究では176人の大学生が参加し、同じテストをいくつかの異なった環境の中で歩きながら受けた時と、座って受けた時を比べるという方法です。テストの1つには、例えばタイヤとかボタンとか一般的に用途が決まっているモノを与えられ、新しい用途を考え出すと言うような内容が試されました。
研究者たちは、研究論文に「歩くことは状況に適した斬新なアイデアを生み出す簡単に実行できる方法だ」と述べました。
歩くと一言で言っても様々な状況がありますが、室内でルームランナーを使い壁に向かって歩くことでも効果はあり、外で異なったいくつかの環境の中で歩く時と大差はないようです。また、歩いた後、座っても暫くはその効果は続くということです。

すぐできる簡単な「チョイ歩き」で仕事の効率がUP

座りっぱなしが良くないという言うのは分かっていても職場では長時間席を離れるわけにはいかないというのが現実です。しかし、5分程度席を外しても、周りに迷惑をかけることはそれほどないのではないでしょうか。
実は、以下の研究で1時間毎に5分だけ歩くことで仕事の効率は上がるという結果が出ています。
ニューヨークタイムズによれば、米コロラド ⼤学医学センターと、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)ヒューマン・パフ ォーマンス研究所やその他の研究機関が実施した共同研究で、「1時間ごと5分程度歩き回ると、気分が上がり、眠気や倦怠感が吹き飛ばされ、空腹感さえも和らぐというメリットがあり、仕事を中断しても、集中力が低下することもないということが分かった」とのこと。
さらには、頻繁に短い時間歩くことは、一度に長い時間歩くことよりも幸福度を上げているということも分かったそうです。
5分程度なら、ちょっと廊下を歩いたり階段を使って上の階のトイレに行くなど、わざわざ外に散歩に出なくても、建物の中で十分出来ることではないでしょうか。同僚や隣人に、このことを話しておけば席を離れるたびに気を使わず、「ちょっと廊下歩いてます」と一言伝えておけばどこにいるのかもわかります。
いかがでしょうか、自分だけのチョイ歩きだけではなく、2~3人程度の打ち合わなら、近くの公園などで「Walking Meeting」をしてみると、スティーブ・ジョブズのような素晴らしいアイデアが生まれるかもしれませんね。是非試してみてください。
参考記事:

K. ブリーン

アメリカの某大学経済学部卒業。主に社会経済や映画の事などを書いてます。ピラティスにはまり、指導員資格を取りました。

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