富裕層は休日でもダラダラしない?サザエさん症候群と無縁の過ごし方

富裕層の休日の過ごし方には、いくつか共通のスタイルが見られます。休日の終わりは、いわゆる「サザエさん症候群」に悩まされる一般ビジネスパーソンも少なくないですが、富裕層には無縁です。富裕層に近付きたければ、彼らの休日の過ごし方を真似るのも一手ですね。

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2019.6.14

富裕層は休日でもダラダラした過ごし方をしない?

富裕層の休日の過ごし方を知る上で、興味深いデータがあります。PRESIDENT Online2013年2月4日号などに掲載された調査結果によれば、休日は「無計画にダラダラとした過ごし方をすることが多い」とするのは、年収500万円台が27%、800万円台で約23%、2,000万円以上で約20%となっており、年収が低いほど無目的に休日を過ごしてしまう傾向がありそうです。「平日は心身とも疲れ切っているのだから、休日くらいは何も考えない過ごし方をしたい。」この考えも、無碍(むげ)には否定はできないでしょう。
他方、富裕層が含まれる可能性が高い高年収のレンジになるほど、休日には「纏まったエクササイズ時間を確保する、」「纏まった勉強時間を確保する、」という趣旨の回答が多くなります。その上、年収2,000万円以上のレンジになると、24%もが休日の過ごし方として、「仕事をすることが多い」とのことです。実際問題、経営者などの富裕層ほど休日でも規則正しい生活リズムを維持し、「纏め睡眠を取らず、」「夜更かし・朝寝坊をしない、」というのが多く見られる姿です。
例えば、レディースアパレル業界の雄、クロスカンパニー社長の石川康晴氏は、テニスや他の経営者との会合など、何らかのスケジュールを休日にも組み込んで、無理やり早起きしてしまうそうです。アスリートの世界でも、イチロー選手はオフシーズンでも規則正しく起きて、当日やるべき予定を必ず1つは設定しているとのこと。仮に、同僚などから誘いを受けても予定とかぶるようならば断り、休日でもスケジュール通りの行動を心掛けているようですね。

富裕層ほど敢えてオン/オフを分けない休日を過ごす?

富裕層の休日の過ごし方を理解するキーワードの一つに、「アクティブレスト」があります。アスリートの世界では、「アクティブレスト」というオフの過ごし方が定着しており、試合後は完全休養とせず、ある程度のトレーニングを継続した方が疲労回復も早く、心身のコンディションも上向くとされています。富裕層の休日の過ごし方には、これと同じ考え方が見られるのですね。富裕層は、休日でもある種の「負荷」を自身にかけている傾向が強いです。
一例を挙げれば、サントリーホールディングス社長の新浪剛史氏の場合、休日の半分程度は海外・国内出張のための移動日となってしまうようですが、残り半分はゴルフやアスレチックジムでのエクササイズ、他の経営者との会食などに充てているそうです。また、ご自身もメンバーである経済財政諮問会議のための準備も、休日に集中して行うとのこと。反対に、休日は「休息やリフレッシュに充て、仕事をしない、」とする方は年収800万円台で顕著に見られ、おおよそ65%にも達します。
こちらは、中間管理職も多く含まれる収レンジと考えられ、平日は仕事で自身を犠牲にしている感覚が強く、休日に何とか心身のバランスを取ろうとしているのかも知れません。そもそものお話、平日から楽しんで仕事ができていれば、休日にもオン/オフを峻別したいとは思わないでしょう。日本の中間管理職の休日の過ごし方を見ると、平日の仕事の仕方について、何か大きな課題が潜んでいるような気もしますね。

富裕層は休日の終わりでも「サザエさん症候群」と無縁?

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そして、富裕層の休日の過ごし方で特徴的なのは、休日の終わりである日曜の夕方から夜にかけての過ごし方です。「月曜以降1週間の仕事の段取りを考える、」とするのは、富裕層が含まれる可能性の高い年収2,000万円以上で約38%、年収800万円台は約34%、年収500万円台は約31%となっています。年収レンジが高い方ほど、休日の終わりには意識が仕事モードに切り替わる傾向にある、と捉えられますね。
これは見方を変えれば、年収レンジが低い方ほど、休日の終わり段階で仕事へのモチベーションが低い傾向があり、「サザエさん症候群」に取り付かれやすいとも考えられます。この「サザエさん症候群」とは、日曜の夕方から夜にかけ、次の日(月曜)から始まる仕事・職場のことを考えてメンタルが落ち込んだり、体調が悪くなったりする症状の総称です。抑鬱状態にも似た症状を示すことが特徴です。
富裕層の休日の過ごし方から学ぶならば、この「サザエさん症候群」を避けるために、日曜の夕方以降には、意識的に自身を仕事モードに切り替えてしまうことがオススメ、と言えそうです。明日以降の仕事の段取りをするのも効果的ですし、スーツや靴、シャツなどのコーディネイトを考えてみるのも良いでしょう。いずれにせよ、日曜の夜まで休日モード全開でビデオ鑑賞をしたり、深酒をしてしまったりという過ごし方では、却って逆効果になるのですね。
Kenneth S

Kenneth S

総合商社のIT戦略担当からIT系ベンチャー企業の経営補佐などを経て、現在は海外在住の個人投資業。時折、物書きもしている。
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