日本は富裕層が急増中!資産1億円以上は50人に1人?

現在私たちの日本国内で富裕層が過去最大に急増しており、資産1億円以上を持つ人は50人に1人といわれています。日本の富裕層の多さは世界ランキング3位で、東京・大阪の2都市において富裕層の多い都市世界10位にランクインしています。さて、我が国の富裕層の近年の動向を見ていきましょう。

2019.5.15

日本の富裕層は50人に1人?具体的に何万人?

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日本の富裕層の実際の人数ご存知でしょうか。
国内で資産を1億円以上持つ人は、50人に1人と言われています。
現在の国内人口は1億2,632万人(2019年1月1日現在)。そのうちの50人に1人を富裕層とするならば、国民のうちの約250万人以上の人が該当の層に当てはまる計算になります。
野村総合研究所(NRI)が2018年に作成した「2017年の純金融資産保有額別世帯数と資産規模についての推計」の調査において、
純金融資産保有額が
・1億円以上5億円未満の富裕層:118.3万世帯
・5億円以上の超富裕層:8.4万世帯
・3,000万円以上5,000万円未満のアッパーマス層:720.3万世帯
・3,000万未満のマス層:4,203.1万世帯
という結果が発表されました。
富裕層と超富裕層の合計世帯数は126.7万となり、2000年以降、この数は2017年に過去最大であるとのことです。
しかし実際のところ、過去最大である2017年でも、超富裕層は全体の0.16%、富裕層は2.20%と、お金持ちである人たちはごく少数であることがわかります。
つまり、ごくわずかな世帯にたくさんの富が集中しているピラミッド型構造になっていて、お金持ちはピラミッドの先端の上層部のみであるということになります。

日本の富裕層人口は世界3位

さて、世界全体で見た場合の日本の富裕層の多さはどれくらいなのでしょうか。
2018年10月に発表された「2018年 グローバル・ウェルネス・レポート」では、100万ドル(日本円約1億1000万円)以上の資産を持つ富裕層は280万人で、これは1位のアメリカ、2位中国に次ぐ世界3位と記されています。
2015年の発表では、日本は272万人のアメリカに次ぐ2位で、中国は100万人の4位でした。中国の富裕層がここ近年で莫大に拡大したと分かりますが、一方日本国内でもこの過去3年間で、100万米ドル以上の資産を持つ富裕層がおおよそ10万人増加したことが統計から分かります。
また、3000万ドル(日本円約33億円)以上を保有資産として持つ人を超富裕層と定義した、超富裕層人口の世界都市ランキング(米調査会社Wealth-X調べ)では、日本の東京と大阪がトップ10入り。
1位:香港 1万人

2位:ニューヨーク 8900人

3位:東京 6800人

4位:ロサンゼルス 5300人

5位:パリ 4000人

6位:ロンドン 3800人

7位:シカゴ 3300人

8位:サンフランシスコ 2800人

9位:ワシントンD.C.  2700人

10位:大阪 2700人

出典:Wealth-X World Ultra Wealth Report
東京の6,800人は世界ランキングの3位。
そして東京に続き大阪も、アメリカの6つの大都市がランクインする中で、肩を並べるレベルの富裕層の人数がいるのは驚きですね。

親が富裕層であるかはお金持ちになるのに関係がある?

近年の動向をみて、日本の富裕層が急増している傾向が読み取れましたが、親が富裕層であることはその子が同様に裕福になるために関係があるのでしょうか。
野村総合研究所(NRI)は、「2017年の純金融資産保有額別世帯数と資産規模についての推計」で富裕層と超富裕層の親を持つ人を親リッチと定義し、親リッチではないグループの非親リッチとの比較アンケート調査を実施しました。
調査内容は以下の3つの項目。
・金融リテラシー
・金融情報感度
・金融感応度
結果は、
親リッチ 対 非親リッチにおいて
・金融リテラシー 男性57%: 36% 女性39%:20%
・金融情報感度 男性13%:8% 女性10%:3%
・金融感応度 男性65%:50% 女性65%:48%
となり、どの調査項目においても親リッチのグループが優位を示しています。
金融リテラシーの水準の高さは金融に関する5個の質問に4問以上正解した、正答率80%以上の人の割合を示しています。
金融情報感度の高さのパーセンテージは、「新しい金融商品が出たら、積極的に情報収集する方だ」という考えに対して「あてはまる」または「ややあてはまる」と回答した人の数値になります。
そして、金利感応度の高さは、「利回りがよければ金融機関を変えても良い」という考え方に「あてはまる」もしくは「ややあてはまる」と回答した人の割合です。
この統計を見ると、裕福な親のお金の蓄えや、親のお金に対する価値観が、子供のお金に関する考えに影響を及ぼすと考えることができます。
確かに、お金持ちな家庭で育った人は、お金への安心感や、お金に対してポジティブなイメージがある人が多いように思えます。
また、野村総合研究所(NRI)は、上記の調査に併せてグループ毎の家族の結びつきに関する意識についてのアンケートも行いました。結果では、親リッチのグループの方が家族との絆意識が高い傾向であることが示されました。
親の富は下の世代に受け継がれ、また景気拡大や株式上場により、同層のさらなる保有資産が拡大したと考えることができます。
持っているお金が多ければ多いほど、生活に必要のないお金を投資に回すことができるので、不労所得を増やすことが可能になります。
それによってさらにお金を増やすことができれば、労働を最低限にし、どんどん富を増やすという仕組みをオートメーション化できることになります。
それでは、富は永久的にお金持ちの間でのみ循 環し続けるということなのでしょうか。
答えは必ずしもそうではありません。
今現在、お金持ちであると感じられない人でも、支出を最大限に抑えて手元に残るお金の使い道や投資先を熟考することで、上で述べた裕福な人たちが実践していることを真似ることは可能です。
日本の富裕層の数は世界的に見ても上位に位置しています。国内で富裕層は増えているといった傾向から、これを読んでいる方にも富裕層を目指すチャンスは十分にあるでしょう。
お金持ちの思考パターンやお金に対する安心感や感度を磨き、お金にまつわる情報に敏感になることこそが、富裕層へ近付く一歩なのではないでしょうか。
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STAGE編集部
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