2019年11月21日 更新

26歳でブロックチェーンの教科書を執筆したエンジニア<赤澤直樹>

世の中には、新しい技術や概念など、まだ情報量が少なかったりそのものの定義が曖昧なものがたくさんあります。理解したいと思っても情報が点在していて全体を捉えづらい。今回は、そんな「未知なるものの学び方」をテーマに、FLOCブロックチェーン大学校で講師も務めるブロックチェーンエンジニア 赤澤直樹さんにお話を伺いました。

100%の知識がなくても「まずは実際に手を動かして作ってみる」こと

STAGE編集部:エンジニアとしてビジネス経験もない状態で、どうやって勉強したのですか?

赤澤:本を読む、検索する、また当時は大学院生だったので大学の論文をダウンロードして読みまくる。使えるものは全部使い倒して調べる。そして、一通りのインプットをした上で、一番重要なのが「実際に手を動かして開発してみる」つまりアウトプットするということでした。

STAGE編集部:執筆された書籍のタイトルにもある「手を動かして」というキーワードですね。

赤澤:そうですね。実際にやってみるってものすごく大切だと思うんです。泳げるようになりたいのに、プールサイドで練習していても、絶対泳げるようにはならないじゃないですか。プールに入って、実際に足をバタバタさせて、時には溺れかけながら「こうやって手足を動かすんだ」って泳ぎ方を覚えていく。それと同じような感じで、仮に知識が足りなかったとしても、「こうかな?」とか想像力を働かせて手を動かしてみて実際にプログラムが動けば、後から「これってこういう意味だったんだ」ってわかってきたりするので、100%の知識がなくてもまずは行動してみることが大事なんだと思いました。

サトシナカモトのビットコイン論文を読み、ブロックチェーンという発想に感動

STAGE編集部:大学院生兼フリーランスとして、忙しい日々だったんですね。

赤澤:そうですね。大学院の勉強をしながらAIのシステム開発やWebのアプリケーション開発などのプロジェクトも行っていたので忙しい時期もありましたが、案件のある時ない時でムラはありましたね。プロジェクトがない時期は、開発案件ではなく技術系の記事を書くという仕事も請け負っていたのですが、記事のテーマの中にAI・IoT・そしてブロックチェーンがありました。

ちょうど同じ頃、知り合いがビットコインの始まりと言えるサトシナカモトの論文の存在を教えてくれて、「記事を書く参考になるかな」ぐらいの気持ちで読んでみたら、これがめちゃくちゃおもしろくて。一番感動したポイントは、その発想力。ブロックチェーンって、実は使っている技術自体はそんなに新しいものじゃなくて、むしろ既に使い倒されている古い技術ばかりなんですが、それをつなぎあわせて全く新しい技術にした、つまり「技術力じゃなくて発想力で新しい技術を創り出した」んですよね、そのことに大きな衝撃を受けました。その論文はビットコインについて書かれたものでしたが、それをきっかけにブロックチェーンを勉強したり、他の暗号通貨についても調べるようになっていきました。


赤澤 直樹(Naoki Akazawa)

FLOCブロックチェーン大学校講師 ブロックチェーンエンジニア。フリーランスとしてシステム開発やAI開発、データ解析に従事する中で分散システム、特にブロックチェーン技術の奥深さに魅了される。教育を通じて、共に活躍できるブロックチェーンエンジニアを輩出するべく、株式会社FLOCに参画。講師や各種執筆、中上級者向けの新規教育コンテンツ制作に加え、広島大学大学院博士課程後期で研究活動も行う。執筆協力に『Pythonで動かして学ぶ!あたらしいブロックチェーンの教科書』(翔泳社)

▼FLOCブロックチェーン大学校
https://floc.jp/

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