2019年4月1日 更新

4月1日スタートの専門職大学で「実務家教員」になれるチャンス

4月1日、「専門職大学・短大」の制度がスタートしました。職業に直結した「実務」に重きを置く新しい大学です。社会人のリカレント教育(学び直し)の場だけでなく、社会人が経験と知識を活かし「実務家教員」のキャリアを得られる可能性がひろがります。

さて、社会人にとって、この専門職大学は今後、どんな存在になるのでしょうか?
専門職大学院が高度専門職業人へのキャリアアップなら、専門職大学はリカレント教育(学び直し)による「キャリアチェンジ」のための学校だと思うかもしれませんが、「自分が専門職大学で教壇に立つ」というキャリアビルディングの可能性も秘めています。
たとえば福祉の専門資格を持っていなくても、有料老人ホームなど福祉ビジネスの運営にたずさわった経験と実績が十分あれば、福祉分野の専門職大学の「実務家教員」に迎えられるかもしれません。福祉の世界の次世代のリーダーを育てるために、福祉ビジネスの実践知、経験知も求められているからです。
4月に開校した専門職大学・短大は3校ですが、それ以外に医療・福祉、AI・IoT・ロボット、ゲーム・CGなどの分野でも開校が準備されています。将来は観光、美容、農業など数多くの分野で専門職大学が誕生するのではないかと期待されています。
たとえば外食産業でも、ファッション産業でも、観光産業でも、IT産業やそのコンテンツの産業でも、社会人がそのビジネスを徹底的に極めたら、そのキャリアが買われて「大学の先生」という新たなキャリアを手に入れられる道も開けてくることになります。
とはいえ、大学関係者によると、実務家教員活用の成果は本人の頭の中にある実践知、経験知をうまく「言語化」して、学生に理解しやすく伝えられるかどうかにかかっているといいます。人にものを教えるのはやはり簡単ではなく、努力や工夫が必要なようです。
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寺尾淳(Jun Terao)

本名同じ。経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、現在は「ビジネス+IT」(SBクリエイティブ)などネットメディアを中心に経済・経営、株式投資等に関する執筆活動を続けている。
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