2019年2月25日 更新

資産を10倍に増やす堅実な投資スタイルとは(後編)

前編で取り上げた私の原型ともいえる投資スタンスについて書いた文章から11年あまりが経過しましたが、それから試行錯誤を繰り返して学んだ結果、基本的に次のような投資スタンスを勧めるようになっております。

主に昼間は仕事で株価が見られないという人たちに対して、基本的に次のような投資スタンスを勧めるようになっております。

すなわち、上昇トレンドでは積極的な投資を心がけ、年率30%で増やしていく一方で、ボックストレンド・下降トレンドでは大きな損失を抱えることのないように注意し、年率5%程度で満足する投資をしていくということです。

かつてはボックストレンドや下降トレンドではリスク回避を優先するために、株式の代わりに外貨や外債での投資を勧めていましたが、今では株式のままでも十分に目標が達成できる手法を実践しているので、いっそうシンプルに、かつ柔軟に対応できるようになっています。

この仮定に基づいて計算通りの運用を進めていけば、2007年から2026年までの20年間で投資資金は9.6倍に増加することになります。大きなリスクを取って1年、2年といった短期間で資産を10倍に増やそうと一か八かの勝負をせずとも、堅実なプランのもとで10倍という目標を達成するのは十分に可能なことなのです。

それに加えて、私がこれまで申し上げ続けてきたのは、世界の政治・経済のリスクを考慮に入れながら、投資のリスクをコントロールするということです。リスクをコントロールするには様々な方法がありますが、私が考える簡単なリスク・コントロールの方法は、株価トレンドや経済金融環境に応じて、運用ポジションの比率を柔軟に変えていくということです。

実際のところ、景気拡大期と金融緩和の双方が続く局面では、「暴落時に買い、上昇時に欲張らずに売る」のが基本としてきました。次に、景気拡大期と金融引締めが進む初期の局面では、同じ対応となりますが、「ポジションは控えめに(たとえば、3分の1あたりに)する」のが肝要であるとしてきました。

そして次にやってくる、金融引締めと景気後退が相次ぐ局面では、「ノーポジション(現金比率は100%)で余裕を持って待つ」のが賢明であるとしています。そういった意味では、2019年後半~2020年には積極的な投資のチャンスがやってくると睨んでいます。

なお、私のブログ『経済を読む』においては、大事な局面では株価の流れを分析していることもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

http://blog.livedoor.jp/keizaiwoyomu/

根拠ある銘柄選びで受講生の7割以上がプラスの運用実績

最新記事・限定情報はTwitterで配信中♪

中原圭介(なかはら・けいすけ)

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。 主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『ビジネスで使える 経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)、『日本の国難』『お金の神様』(講談社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点で日本の将来を考える』を好評連載中。
2 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

日本人ノーベル賞受賞者が出た「電池」次世代電池の研究開発最前線は?

日本人ノーベル賞受賞者が出た「電池」次世代電池の研究開発最前線は?

11月11日は「電池の日」。10月9日、「リチウムイオン電池」開発の功績で吉野彰博士がノーベル化学賞を受賞しました。「全樹脂電池」「リチウム空気電池」「全固体電池」など次世代電池の開発競争もますます盛んで、最前線では日本人科学者も活躍しています。
経済 |
プチプラの次は?フォーエバー21の破綻に見るファッション業界の行方

プチプラの次は?フォーエバー21の破綻に見るファッション業界の行方

断捨離した後の服の行方を考えたことがありますか。経済的な成長の裏にはほとんど犠牲が伴い、堅調な成長を見せるファストファッション市場もその一例です。しかし今、利益追求を優先しすぎたファストファッション業者のモラルと、消費者の良識が問われる時期がきたようです。
経済 |
欧州経済の「日本化」が進んでいる?今後最も避けたい3つの恐怖

欧州経済の「日本化」が進んでいる?今後最も避けたい3つの恐怖

9月12日に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が発表した総合的な金融緩和策では、欧州の低成長と低インフレの長期化を阻止するのに不十分であると市場の評価は冷ややかです。いかなる金融政策を講じても経済回復に至らない「低成長」「低インフレ」「デフレスパイラル」という日本化が本当に欧州圏で進んでいるのでしょうか。
今年の秋は10月からスタートする米国企業の業績発表に注目

今年の秋は10月からスタートする米国企業の業績発表に注目

最近では、トランプ大統領の中央銀行への圧力や世界的に広がる貿易戦争などのトピックスに対して反応が鈍くなっているように感じます。一方で、景気の弱さと企業業績の不透明感が徐々に台頭していることについてはニュースとしてあまり取り上げられてないので知られていません。
ウェルネスブームが世界中で止まらない!4兆ドルの経済効果と背景

ウェルネスブームが世界中で止まらない!4兆ドルの経済効果と背景

マインドフルネスをはじめとした、ウェルネス(健康を維持、増進させようとする生活活動)に興味を持つ人が増えつつあります。ウェルネスツーリズム、アプリなど新たな商品が出回り、今やウェルネス産業の市場規模は4.2兆ドル以上。このブームの実態や背景、昨今のトレンドについて解説します。
経済 |

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

STAGE編集部 STAGE編集部
お金の教養講座
お金と投資のセミナー情報(無料)

お金の教養講座

おすすめ

お金の教養講座

⼤⼈として知っておきたいお⾦の知識。
⼈⽣そのものを充実させるためのお⾦の基礎講座

月5万円で資産1億円を目指すゴイチセミナー

1億円を作った人が実践してきた「資産運用のルール」を真似しよう


ファイナンシャルアカデミー公式SNS