2019.3.22
特にサンパウロは、多くの高層ビルが並ぶ南米経済の中心地。多国籍企業などが進出している影響もあり、様々な人種が混じり合うミックスカルチャーの発信地としても賑わいを見せています。
そこで今回は、将来サンパウロへの移住を検討している方のために、実際に暮らす上で必要な生活費などを紹介します。1カ月あたり一体どのくらいのお金があればよいのか? 日本の暮らしとどんな点が異なるのか? 今後の人生設計の参考にしてみて下さい。
(※ 記事では、1レアル(BRL)=30円として計算しています)
(※ 2019年 3月時のレート)
(※ 2019年 3月時のレート)
サンパウロの家賃相場は?
まずは、生活費の大半を占める家賃について。ブラジルでは貧富の差が大きいため、同じ間取りでも、物件や場所によって大きな差があります。
1〜2ベッドルームの場合、1カ月・1,000〜1,500レアル(約3万〜4万5,000円)もあればそれなりの生活水準の部屋に住むことができますが、日本と比べて治安が不安だという方も多いかもしれません。
市内で最も治安が良いとされるのは「パウリスタ」というエリアで、日本人在住者にも人気があります。家賃の相場は1カ月・3,000レアル(約9万円)程度で、駐在員が暮らすような部屋となると5,000レアル(約15万円)以上の物件も珍しくありません。
とはいえこのエリアは、大都市・サンパウロの中でも特に栄えているビジネス街ですので、東京の中心地に住むことと比べれば安いと考えられます。鉄柵が設置され、門番が常駐している物件も多いため、我々日本人でも安心して暮らすことができます。
管理費の相場は家賃の20〜30%と日本に比べ高いですが、多くの物件に、バーベキュースペースやプールなどの共用スペースが備えられています。また、敷金・礼金などは原則発生しないので、初期費用はあまり高くならない傾向にあります。
食料品の豊富さは世界随一
南米というと、物価が安いというイメージがありますが、新興国・ブラジル国内の物価は上昇傾向にあります。しかし、食料品においては“世界屈指の供給力を誇る”ということもあり、自国産のものは安く購入できます。
例えば、肉類では…鶏肉1kg・6レアル(約180円)、ソーセージ1kg・6レアル(約180円)、牛肉1kg・30レアル(約900円)程度が相場です。これらの肉を串に刺し丸焼きにするスタイルを「シュラスコ」と言い、最近では日本でも「ブラジル版バーベキュー」として注目を浴びています。
野菜・果物では…トマト1kg・4レアル(約120円)、ジャガイモ1kg・3レアル(約90円)、タマネギ1kg・3レアル(約90円)、バナナ1kg・6レアル(約180円)と、こちらも日本よりも安い場合が多いです。
コーラやカップラーメンなどグローバルに売られている食料・飲料に関しては、日本と同じか少し安い程度の値段が相場です。自炊を軸にした食生活を送れば、食費を日本の半分程度に抑えることも難しくありません。
また、サンパウロには「リベルダージ」という日本人街(東洋人街)があります。街には日本式の鳥居や橋があり、おなじみの牛丼屋・寿司屋・居酒屋などが数多く立ち並んでいます。現地での生活で日本食が恋しくなった際には、心強いスポットになってくれるはずです。
運賃はずっと“初乗り”
市内の移動手段は、地下鉄とバスが一般的で、運賃はどちらも4レアル(2018年1月時点)です。日本の初乗り運賃と同程度と思いきや…大きな違いが、それぞれどこまで行っても“一律料金”だということです。また、定期的に地下鉄やバスを利用する場合は「ビリェッチ・ウニコ」というICカード乗車券を買うと便利でおトクです。
市外へは、長距離バスでの移動が盛んで、広大な国土(日本の約22倍)に様々な路線が張り巡らされています。例えば、サンパウロからリオへの移動時間は約7時間で、運賃は100レアル(約3,000円)程度が相場です。
ブラジル国内は、温暖湿潤気候の影響もあって夕立が多く、サンパウロのような都心部では渋滞・交通事故が起きやすくなります。もし自分で車を運転する場合には、日本以上に注意を払って下さい。
以上、実際にサンパウロで暮らす際の目安をご紹介しました。ブラジルは、距離こそ日本から大きく離れた地にありますが、国内には日系人が多く、日本人に対し友好的な人々も少なくありません。これらを参考にして、移住への第一歩を踏み出してみて下さい。