巻き込み力とは?
「それならもう日常的に取り入れているよ」と思う人がいるかもしれませんが、ただ仕事を割り振っているだけであれば、それは巻き込み力とは呼べません。割り振り方や頼み方によっては、「面倒な仕事を他人に押し付けている」と見られることもあります。
真の巻き込み力を身につけている人は、同僚や部下それぞれの得意・不得意を理解した上で、最適な仕事を割り振ることができる人です。さらなる上級者は、面倒なタスクでもなるべくメンバーをイヤな気持ちにさせずに仕事を振るように常に心掛けています。
巻き込み力は今や仕事がデキる人のマスト条件です。
そもそも今なぜ巻き込み力が注目されているのか?
それまではむしろ「自分の仕事をひとりでパーフェクトにこなす人=仕事がデキる人」という認識が強かったように思えます。生真面目な日本人は特にこの傾向が強く、周りが手を差し伸べても断る、なんてことも珍しくありませんでした。
その価値観がなぜ今変わってきているのでしょうか、考えられる理由は2つです。
ひとつは働き方改革が進んで、残業時間や休日出勤が制限されるようになったという背景。限られた時間の中で目標を達成するためには、物理的に考えて自分ひとりの力では限界があるということに、みんなが気づき始めているのです。
そしてもうひとつは、日本人のライフスタイルバランスの変化です。これまで特に男性はとにかく仕事が一番という考えが根強くありましたが、終身雇用制度の崩壊や女性の社会進出などによって、男性も仕事の仕方を見直すようになってきました。その結果、一人で仕事を抱え込むのではなくて人を巻き込んで仕事を効率的に進めるスタイルを、積極的に取り入れるようになったのではないでしょうか。
現在の世間の流れについていくためには、今こそ働き方を見直し、巻き込み力を身につけるときだといえるでしょう。
巻き込み力を身につけるためには
そのようなことがないように、普段から職場の人間関係には最低限気を配っておく必要があります
。腰を低くする必要はありませんが、職場の環境に目を配り、困った人がいれば声をかけるなど、積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。
また、周りと普段から積極的に関わると、一人ひとりの特徴が把握できるようになり、いざ巻き込み力を使うときにも、人材のチョイスや仕事の割り振り方に最適な方法を取れるようになります。このように、人間力を磨くことが、巻き込み力を身に着けるための第一歩といえるでしょう。
巻き込み力に関する書籍を読んでヒントを得る
そんなときは、巻き込み力に関する書籍を読んでヒントを得ましょう。
私のおすすめは、茂木ゆういちさんの「人生は巻き込み力でうまくいく!」です。この書籍では、プロコーチである茂木さんが500人を巻き込んでプロジェクトを成功させた実体験をもとに、巻き込み力の身に着け方や理想的な組織の在り方などについて触れています。
実践編では具体的な巻き込み力アップの方法をわかりやすく教えてくれているので、すぐに役に立てられそうです。
「書き込むだけで人が思い通りに動くワークシート」もついているので、ただ受け身で学ぶのではなく、自分の置かれた立場と比較しながら、具体的な未来が想像できるようになります。