余暇とSDGs(持続可能な開発目標):あなたのレジャーは持続可能か?

あなたの常識を、アップデートしよう。
SDGs(持続可能な開発目標)が話題になっています。SDGsとは、2030年までに達成すべきとされる世界共通の目標のこと。自治体や企業の活動だけでなく、私たちの休暇の過ごし方にも関わっています。レジャーとSDGsはどのような関係にあるのでしょうか。
2019.8.21

SDGs(持続可能な開発目標)とは?

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までの国際目標です。「地球上の誰一人として取り残さない」ために、17のゴールと169のターゲットで構成されます。17のゴールとは以下のようなものです。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
169のターゲットは、17のゴール達成のための具体的な目標のこと。「2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる」などがあります。日本でも企業の他、SDGsモデル事業に認定された神奈川県など10都市で積極的な取り組みが始まっています。

日本と世界の休暇の過ごし方

SDGsは、私たちの休暇の過ごし方とも深い関わりを持っています。

旅行サイトや人気ランキングを見ると、日本の休暇の過ごし方で多いのは、
・温泉地や自然の多い場所、リゾート地での滞在・体験・観光
・テーマパークや大きな公園で過ごす
・各地の人気の飲食店を巡る
など。

ヨーロッパでは、
・自然の多い場所やリゾートホテルでのんびり滞在
・豪華客船でクルーズ
・パーティーに参加
などとなっています。

私たちの休暇が観光産業と切り離せないことが分かります。

レジャーによる見過ごせない汚染の実態

ところが、2019年にこの観光産業でSDGsを無視した行為が発覚しました。世界最大のクルーズ運航会社「カーニバルコーポレーション & PLC」傘下の「プリンセス・クルーズ」によるゴミ不法投棄です。同ブランドは日本発着の外国客船としても乗船客数第1位を誇ります。

豪華客船が海に不法投棄したのは、残飯やプラゴミ。不法投棄は恒常的に行われており、過去には石油の不法投棄と隠蔽工作で有罪判決も受けています。

海のプラゴミが環境を汚染し、生物たちを死に至らしめている問題は現実に起こっています。海への不法投棄を続ければ、いずれ海の生態系は取り返しのつかないほど壊れてしまい、ゴミが漂う波間をクルーズすることになるでしょう。このような方法での楽しみ方は「持続可能」ではありません。

レジャーにも持続可能性の視点を

電通による2019年の第2回「SDGsに関する生活者調査」によれば、SGDsの取り組みが期待されているのは、自治体や企業がメインです。しかし、個人でも17のゴールに関することを何らかの形で実践していると答えた人は約6割にのぼることも分かりました。ただ、家庭でSGDsに取り組もうとする場合、「具体的に何をしたらよいかわかりにくい」といった声が目立ちます。そこで、8月の長期休暇や秋の連休に合わせて、身近なレジャーから考えてみるのはどうでしょう。

たとえば次のような視点でレジャーを考えてみましょう。
・旅行会社や運営会社は乱獲・大量廃棄・不法投棄など自然や生態系を壊すことをしていないか?
・観光地で働く人々に対して低賃金や長時間労働など、不当な労働を求めていないか?
・世界遺産や文化財、公共施設を汚したり壊したりしていないか?
・人種や国籍、職業、宗教、その他の理由で他の人を差別していないか?

SDGsには日本人がこれまで「マナー」と呼んできた考え方も多く含まれています。まずは自分にピンとくるところから考え始めるとよいでしょう。

持続可能なレジャーは余暇を豊かにする

レジャーと観光産業は密接に関係しています。長期休暇や連休でレジャーの機会が増える時期、
SDGsに少し配慮してやり方を変えれば、そのレジャーはより長く楽しめる、持続可能なものになるでしょう。持続可能なレジャーが多ければ、私たちの余暇の選択肢も増え、豊かになります。

旅行会社や観光地を訪れる際には、ぜひ「今のやり方を続けて、20年後も同じように楽しめるだろうか」と問いかけ、多角的にプランを検討してみてください。

【参考】
・外務省「JAPAN SDGs Action Platform」、 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
・Trevor Nace「海にゴミを捨てまくる「豪華クルーズ船」企業の呆れた実態」、Forbes JAPAN、2019年6月15日、 https://forbesjapan.com/articles/detail/27824
・株式会社 電通「第2回「SDGsに関する生活者調査」を実施 —SDGsを知らない人も含めて、SDGsに関する行動を実践している人が6割存在—」、2019年4月22日、 https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M101216/201904225648/_prw_PR1fl_47uBKeVv.pdf