“自然体”で流れ着いた先は、USの未来をも決めるポジション
STAGE編集部:今後、日本のブルーボトルコーヒーをどうしていきたいですか?
今の日本マーケットがサードウェーブコーヒーに持つイメージって、まだまだファッションのよう。流行に敏感な人のためのもので、コーヒーに対するこだわりでブルーボトルコーヒーを選ぶお客さんはまだ少ないと思っています。それをどうやって増やしていくが課題。ワインみたいに「あの産地のコーヒー豆美味しいよね」って、コーヒーそのものを楽しむ文化を作っていければ。コーヒーのことをもっと知ってもらうべく、イベントやセミナーは各店舗でこれからも積極的にやっていきたいですね。コンビニで美味しいコーヒーが100円で飲める時代に、5倍のお金を払って飲んでいただく価値を伝え続けていくことが大事だと思っています。
「いつかは住みたい」NYでの生活費

自由の国アメリカ。そのニューヨークで暮らしていくための生活費をシミュレーション。ジャンルごとにどのくらいお金がかかるのか、その目安をご紹介します。憧れのNYライフを目指す……
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STAGE編集部:井川さんは日本の代表に加え、現在アメリカ本国のブルーボトルのお仕事も兼務されているとか。
ブルーボトルコーヒーUSにもクリエイティブ・ディレクターとして所属しています。日本のマーチャンダイジング含め、これまでやってきたことを認めてくれているみたいで。今は、アメリカのクリエイティブ関連をすべて見ていて、PR、マーケティング、デザインも私の裁量で動かしていますね。アメリカではブルーボトルの店舗は現在30あるんですけど、今年一気に25店舗ぐらいオープンさせる予定なので、そこにも関与することになっています。新しいマーケットでブルーボトルブランドをローンチした経験は、今の会社には私にしかないので。そういう意味では仕事が広がっていますね。
STAGE編集部:改めて聞きます。今、大変ですか? 楽しいですか?
大変です(笑)。でもありがたいですよね。経歴とかを飛び越えて、これだけのことをやらせてもらっていますから。これも社風なんでしょうね。とはいえ、今の仕事にしがみついていたくはないので、やるだけやって、私がボトルネックになって会社の成長を妨げるようなことになった時点で、役割を見直す必要があると思います。今はとにかく、私が成長させられるところまではいてもいいのかなって思います。
STAGE編集部:こうじゃなきゃダメみたいな、いい意味でのこだわりが全くないんですね。
いや、昔はありましたよ。だけど失敗もいっぱいしたし。「なんかもういいや! 全力でぶつかっていく私のスタイルのままでいいや!」って(笑)。どっかで吹っ切れちゃいました!
STAGE編集部:自然体ですよね(笑)。スポンジのごとく物事を吸収して、でも肩肘は張らない。できないことをできないとはっきり言えることが、井川さんのひとつの能力なんじゃないかと思えてきました。
あまりプライドがないので。できないことがスタートにあるというか、だから必要以上のプレッシャーも感じてないですし。自分の限界も知っているし、いつもとりあえずやってみて考えています。みんなでベストを尽くして、一人で勝つよりみんなで勝ったほうがいいじゃん!と。
人生は「すごろく」。100%やったならふりだしに戻ったっていい
STAGE編集部:とりあえずやってみる、簡単に聞こえますが実は難しいことですね。
日本の女性は、特に優秀な人ほど制度や肩書き、普遍的な価値観にとらわれて、一歩を踏み出せない人も結構いますよね。先日、うちのバリスタの女の子が将来の自分の行くべき道に悩んでいて話を聞いていたんです。
やりたいことはあるんだけど、その先が見えない、と。
やりたいことはあるんだけど、その先が見えない、と。