欧州一高い親との同居率
親もとを離れざるをえない大学生活においても、週末の度に一週間分の洗濯物を持って高速バスで親もとに戻り、マンマが作ったトマトソースの瓶詰を山ほどもって下宿先に戻る。そんな大学生活を送るのは、たいてい男性です。
娘に対しても、過剰な愛情表現をするマンマは存在するのですが、なぜか息子だけが「マザコン」として注目されるのはやはり、息子の相手となるのが母親と同性というのが大きな理由かもしれません。
日本では、「パラサイトシングル」という言葉がはやりました。失業率が高いイタリアも結婚をせずにいつまでも親もとに寄生する若者が増えています。
欧州連合統計局が行った調査によれば、18歳から34歳の人が親と同居している割合は、欧州の中ではイタリアがダントツのトップで67.3%。欧州全体の平均が47.9%で年々わずかながら減少しているのに、イタリアだけは増加傾向にあるのです。
さらに、親の元から自立した男女の差も顕著で、この年代の男性の71%が親もとに残っているのに対し、女性は半数以下の41%となっています。強いマンマ予備軍は、若いころから自立心旺盛といったところでしょうか。
同居する息子が心配なあまり、息子が仕事中であろうがデート中であろうが頻繁に電話を入れ、無事に家に帰れば抱きしめてキスをし、「アモーレ」「テゾーロ」を連呼するのですから、「親との同居」という点では日本と変わらなくても、イタリアのそれが「マザコン」と呼ばれても仕方がないのでしょう。
「マザコンであること=モテない」の図は必ずしも成立しない
というわけで、しつこいマンマの愛情表現に付き合っている男たちはたいてい優しく、女性に対しても自然で紳士的な立居振舞を身につけています。
困っていればさっと手助けをしてくれる男性が多いので、女性たちもついクラクラっときてしまいます。
ただし、逆にマンマがなにもかもしてくれるので気づかいが足りないまま大人になってしまった男性も少なくありません。
ただし、逆にマンマがなにもかもしてくれるので気づかいが足りないまま大人になってしまった男性も少なくありません。
恋愛当初はそのあたりの柔らかさで大いに盛り上がっても、あまりのマザコンぶりに女性が愛想をつかす、という例は枚挙にいとまがないのです。