2018年8月21日 更新

インベスターZが示唆する「IPO株はお値段以上」【インベスターZ祝ドラマ化特別企画】

公募価格3,000円、初値5,000円。6月19日、満を持して東証マザーズに上場したメルカリの株価です。午前11時すぎについた初値は、公募価格を67%上回る大幅上昇となり、その後、一時6,000円まで上昇。終値は、初値を300円上回る5,300円となりました。

メルカリ上場は、いきなりIPO株が脚光を浴びる「事件」となりましたが、そもそもIPO株の値段についてどう考えればいいのか? インベスターZの名言から学びましょう。

その時計は、なぜ高額か

『インペスターZ』で、孝史が美雪の着けている高級腕時計を見て、「投資家の着ける腕時計じゃない」と否定するシーンがあります。
企業の株価を説明するときに、高級腕時計はいい材料になります。男性でも女性でも、ファッション誌に100万円、あるいはそれ以上の値段の時計が載っているのを見たことがあるのではないでしょうか。たとえばロレックス、オメガといったブランドもそうですし、カルティエ、シャネルなどもそうです(このお話には「マニュファクチュール=自社一貫生産」で生産される最高峰の高級時計はふくみません)。
さて、高級腕時計は機械式というゼンマイを軸にした内部機構で動いているので、作りが複雑です。職人による専門的な工程を幾つも経て製品になるため、相当なコストがかかっています。とはいえ、それだけで数百万円の値段にはなりません。ファッション誌への広告費、スポーツ大会への協賛費用もかかっています。また、著名な俳優やスポーツ選手と年間契約してモデルに起用していますから、その費用もふくまれています。
そう考えると、腕時計の「適正価格」はいくらになるでしょうか。「モノ」自体の値段で言えば、もっと低いかもしれません。孝史はそこを指摘し、「この時計が高いのはほとんど広告費だ」と言い放ったのです。時計以外でも、この手の話はゴロゴロしています。たとえば、ポストに投函される新築マンションの広告。5000万円、1億円!ここにも、広告費やモデルハウスの値段がふくまれています。高級車もそうですし、高級ホテルもしかりです。世間で「ブランドビジネス」と呼ばれるものの多くは、こういった値付け構造を持っていますが、本当の値打ちはいかほどか? このことを真剣に考える人は多くありません。
むろん、わたしはブランドビジネスが間違っていると言いたいのではありません。
モノと情報が行きわたった現代で「売れる」ためには、利便性やスペックだけでは足りません。信頼や格式、あるいは商品のバックにあるストーリーが決め手になることは多い。
しかし、投資家たるもの、その付加価値をふくめて適正かを常に気にとめる必要があります。たとえば、IT企業が新規で株式を公開する(IPO株)ときは、実際の実力以上の値段になる場合が多くあります。これは,企業の未来への期待を反映した数値で、これだって付加価値です。みんなが拍手を送っているときこそ、冷静に見つめて欲しいと思います。

本記事は「せめて25歳で知りたかった投資の授業」 三田紀房☓ファイナンシャルアカデミー共著/星海社 より抜粋しました。

ドラマ「インベスターZ」は7月13日(金)放送スタート!

ドラマ25「インベスターZ」

道塾学園はハイレベルな授業、豪華な校舎と絵に描いたような札幌の進学校。ある秘密をのぞいては――。学園内では全教科満点の成績トップで入学した、財前孝史(清水尋也)の話題で持ちきり。部活の勧誘が殺到する中、強引に孝史の手を引く女子が現れる。ひとつ先輩の藤田美雪(早見あかり)だ。勧誘?もしやモテキ?だが連れて来られたのは図書館にある怪しげな隠し部屋…そこは学年トップの生徒で構成された「投資部」だった! 投資とは?金儲けとは?実在の企業・人物も登場し、リアルと虚構が交錯する異色経済学園ドラマです。
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