しかし、別の面もあります。マイケル・オズボーンは厳しい見方を出しましたが、あるシンクタンクが次のような予測を出しました。これによって人間は、人間が本来持っている能力、一番重要なクリエイティビティの高い、クリエイティビティを求められる仕事に専念できる、と。そうすることができれば、そういう社会シフトができれば、一気に世界の生産性は、2035年までに40%高まると。そして、個別の計算もしてるんですが、日本の成長率は、今1%ぐらいの成長率が、それが3%ぐらいになる。
その両方があり得る。オズボーンの試算も、このシンクタンクの試算も、あくまで一つの試算ではありますけれども。私たちは、進める可能性をポジティブからネガティブまで、きちっと示していることだと思います。
その両方があり得る。オズボーンの試算も、このシンクタンクの試算も、あくまで一つの試算ではありますけれども。私たちは、進める可能性をポジティブからネガティブまで、きちっと示していることだと思います。
第4次産業革命に関して、実は今、アメリカだけがかなり特殊な動きをしています。過去5年間を見ると、日本の株価もヨーロッパの株価も両方、20%から30%上がりました。どの国もそうです。
しかし、アメリカだけが特殊なんです。60%も上がっているんです。何が違うのでしょう。導き出せる一つの答えは、アメリカの企業、特に、Google、Apple、Facebook、Amazonに象徴されるような、巨大な第4次産業革命を担っている企業は、圧倒的に、有形固定資産ではなくて、無形の資産に投資をしているということです。その投資をできる企業が、この第4次産業革命の時代には大変有利だということを示しています。
しかし、アメリカだけが特殊なんです。60%も上がっているんです。何が違うのでしょう。導き出せる一つの答えは、アメリカの企業、特に、Google、Apple、Facebook、Amazonに象徴されるような、巨大な第4次産業革命を担っている企業は、圧倒的に、有形固定資産ではなくて、無形の資産に投資をしているということです。その投資をできる企業が、この第4次産業革命の時代には大変有利だということを示しています。
投資すべき「無形の資産」とはなにか?
無形の投資資産への投資。それは何でしょう? データベースを作っているかということです。まずは、データに対する投資。そして、技術に対する投資。まさに、研究開発ですよね、R&Dです。
そして3番目が、人間に対する投資。日本の企業は、研究開発っていうのは意外とちゃんとやってるんです。ところが、3番目のヒューマン・リソースに対する人的な投資と、もう一つは、組織を変えるための大胆な投資、これを日本の企業はできていない。アメリカの企業はそれができている。アメリカの場合は、規制が少ないということもあるでしょう。日本の企業は、バブルが崩壊してから人的な投資をしなくなっています。
そして3番目が、人間に対する投資。日本の企業は、研究開発っていうのは意外とちゃんとやってるんです。ところが、3番目のヒューマン・リソースに対する人的な投資と、もう一つは、組織を変えるための大胆な投資、これを日本の企業はできていない。アメリカの企業はそれができている。アメリカの場合は、規制が少ないということもあるでしょう。日本の企業は、バブルが崩壊してから人的な投資をしなくなっています。
皆さんが企業を見る時には、こういう無形の資産を作るためにちゃんと投資をやっているかということを、きちっと見る必要があると思います。
しかし、無形の投資、これは難しいのです。私が例えば企業経営者で、無形資産に対して人的投資をやります。と言っても、銀行はお金を貸してくれないですよね。「本当にそれ、価値あるの?」……この土地を買って、この建物を買いますと言えば、不動産の担保価値みたいなものは、銀行は測りやすいのですが、無形の価値が、なかなか測れないんですよね。
しかし、無形の投資、これは難しいのです。私が例えば企業経営者で、無形資産に対して人的投資をやります。と言っても、銀行はお金を貸してくれないですよね。「本当にそれ、価値あるの?」……この土地を買って、この建物を買いますと言えば、不動産の担保価値みたいなものは、銀行は測りやすいのですが、無形の価値が、なかなか測れないんですよね。
では、アメリカではどのように資金調達をしているのか? それは、銀行借り入れではなくて、投資です。デット(debt)ではなくて、エクイティ(equity)で、資金調達するマーケットがあるからだと思います。我々は賢い投資家になって、そういう企業をしっかりと見抜いていくということが、大変重要になってくるのではないかと思います。
以上が、第4次産業革命という観点からのニューエコノミーです。
以上が、第4次産業革命という観点からのニューエコノミーです。
ニューエコノミーの第2の目は「サスティナビリティ」
ニューエコノミーの2つ目のカテゴリは、地球の「サステナビリティ」です。そして「インクルーシブ」。全員が幸せになれる世界の実現です。所得ギャップもあまりなくて、一部の人だけではなく、みんなが包括的に幸せになる。それをインクルーシブと言います。サステナブルで、インクルーシブな経済社会を作るというのが、実は、これがもう一つのニューエコノミーなのだと思います。
サステナブル(持続可能)で、インクルーシブ(包括的)な、つまり本当の意味で、人々の幸せと結びつくような経済、それがニューエコノミーだということになると、やはり環境の問題は重要です。環境に対する配慮、つまりSDGsの観点から、この企業はどれだけ社会に貢献しているかというのは、投資家としての目線では、長期的には大変重要な尺度になっていくでしょう。
サステナブル(持続可能)で、インクルーシブ(包括的)な、つまり本当の意味で、人々の幸せと結びつくような経済、それがニューエコノミーだということになると、やはり環境の問題は重要です。環境に対する配慮、つまりSDGsの観点から、この企業はどれだけ社会に貢献しているかというのは、投資家としての目線では、長期的には大変重要な尺度になっていくでしょう。
最後に、これから極めて重要になってくるのが、「健康経営」という概念だと思います。結局、企業を支えているのはヒトです。そのヒトの健康状況をどのぐらい大切にしているのか、という観点です。日本でアンケート調査を取ると、「あなたは企業でストレスを感じたことがありますか?」という質問をすれば、だいたい7割ぐらいの人が「あります」という風に答えるわけですよね。
しかし、結局、ストレスフルな企業の生産性は落ちるんです。例えば、健康じゃないのに、無理して出席している人、生産性は落ちますよね? 逆に、すごく有能な人なんだけど、病気で休んじゃう人もいます。生産性は落ちますよね?
だから、働いている人の健康管理、健康経営度合いは、実はその企業の業績にものすごく影響を与える、と。プレゼンティーイズム(presenteeism)、アブセンティーイズム(absenteeism)っていう言葉を最近よく使います。病気なのに出勤されても困るし、有能な人が欠席されたら困るし、働いている人の健康管理という問題を企業が抱えているのです。
しかし、結局、ストレスフルな企業の生産性は落ちるんです。例えば、健康じゃないのに、無理して出席している人、生産性は落ちますよね? 逆に、すごく有能な人なんだけど、病気で休んじゃう人もいます。生産性は落ちますよね?
だから、働いている人の健康管理、健康経営度合いは、実はその企業の業績にものすごく影響を与える、と。プレゼンティーイズム(presenteeism)、アブセンティーイズム(absenteeism)っていう言葉を最近よく使います。病気なのに出勤されても困るし、有能な人が欠席されたら困るし、働いている人の健康管理という問題を企業が抱えているのです。
健康経営銘柄みたいなのを、経済産業省が推奨するシステムを持ってますが、それが本当にどの程度あてになるかどうかというのも踏まえて、注視していくということが、重要なのではないかと思います。
「第4次産業革命」「サスティナビリティ」「インクルーシブ」「健康経営」このようなお話をしてきました。今後、未来や投資について考えるとき、参考にしていただければと思います。
「第4次産業革命」「サスティナビリティ」「インクルーシブ」「健康経営」このようなお話をしてきました。今後、未来や投資について考えるとき、参考にしていただければと思います。
〈植松 努〉「やったことがないこと」へのチャレンジを繰り返せば、お金を超える価値がたまっていく
北海道・赤平町で世界最先端の宇宙ロケット開発事業を行い、「NASAよりも宇宙に近い町工場」と呼ばれる植松電機の代表取締役社長、植松努さん。2017年2月5日に開催された「お金の教養フェスティバル2017」の講演から、熱いメッセージを贈ります。