“モノのコスト”というと、それが商品として売られていた時に購入した価格を思い浮かべるかもしれませんが、実は、モノは「買ったあと」にもずっとお金がかかっています。
モノを買った後にかかる2つのコスト。それは、モノが占有するスペースにかかるコストと、維持にかかるコストです。
私たちが何か商品を買い、自宅に持って帰ると、それを置いておくのに必要なスペースには、その分の「家賃」が発生しています。小物が増えて整理棚を買わざるを得なくなったり、新しい洋服が増えてクローゼットが手狭になって広い家に引っ越ししたり、といったシチュエーションを想像するとわかりやすいですね。
それから、それを維持するためにかかるコスト。手洗いできないカシミヤのセーターであればクリーニング代が購入後もかかり続けますし、ルブダンのパンプスであればお手入れするにもそれなりのコストがかかるでしょう。
ここで伝えたいのは、「高いものだから維持コストが高くつく」という単純な話ではありません。100円ショップのグッズであっても、しょっちゅう壊れて買い直さないとならないのであれば、「いつも使える状態になっている」ということのために、やはり維持コストがかかります。つまり、モノはあればあるだけ、維持コストがかかるということです。
「モノを増やしすぎない」を心がける
そして、持ち物が少ない人は総じて、その数少ない持ち物の一つひとつが厳選されています。
ここ数年、注目されている「ミニマリスト(モノを最小限に抑えて暮らすライフスタイルの実践者)」いう生き方がまさにそれ。
モノの数こそ少ないけれど、一つひとつが想い入れのあるモノに囲まれているから、心理的に充足されている。そんなお金の使い方ができているといえます。
「ミニマリスト」にはなれなくても……
人の生き方はそれぞれですから、誰もがミニマリストになるのがよいわけではありません。そもそもみんながみんな、日々モノを減らすことを考えてストイックに生活できるわけでもないでしょう。かく言う私自身も無理です(笑)。
でも、そういった、“自分らしいお金の使い方”に目を向けるほどよいレッスンとして始めやすいのが、毎日使う「バッグの中身」の整理なのです。