2019年10月18日 更新

欧州経済の「日本化」が進んでいる?今後最も避けたい3つの恐怖

9月12日に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が発表した総合的な金融緩和策では、欧州の低成長と低インフレの長期化を阻止するのに不十分であると市場の評価は冷ややかです。いかなる金融政策を講じても経済回復に至らない「低成長」「低インフレ」「デフレスパイラル」という日本化が本当に欧州圏で進んでいるのでしょうか。

欧州の金融緩和をどう理解すればいいのか

欧州の金融緩和の影響はどのようなもがあるでしょうか。
・世界的な低金利化を加速。銀行の収益が圧迫され副作用が強まる
・金融政策だけでは経済を支えきれず過度な財政政策が行われソブリン・リスクの再燃
・預金金利などにマイナス金利が定着し、投資家にとっての「資産の負債化」が顕著化
・国債の50年、100年債券発行が定着化し異常な金融環境の定着化、債券のバブル化
・新興国も利下げ戦争に巻き込まれ通貨安に巻き込まれる
・新興国の通貨安によるリパトリエーション再開
これ以外もいくらでも懸念事項を挙げることは出来ます。しかし、ここでみなさんにお伝えしたしたいのは上記を恐れていただくことではありません。大切なのはECBやFRBの利下げや量的緩和策でマネーが市場に溢れ、行き場を失ったマネーが株式、債券、コモディティーなどありとあらゆる資産へ向かっているという事実と、そのうらで上記のような私達があまりニュースや記事で見かけないような市場リスクが量的緩和のプラス材料の裏でマイナス材料として芽吹いているということなのです。そして、金融緩和や財政出動は経済の回復や成長を本来の目的としているので、現在の世界経済はそれを必要としているあまり健全ではない状況であるということを心に留めておくことが今のような経済環境においてはとても大切になります。
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渋谷 豊 渋谷 豊
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