歓送迎会、打ち上げ、接待にお酒は必須ではない
酒飲みの問題点と「ソーバーキュリアス」とは
お酒を飲むことの是非は、酔っ払いの振る舞いの是非と結びついていることが少なくありません。酔うと相手の都合を無視して絡み続けたり威圧的になったり、公道や他人の土地に嘔吐して放置したり、暴言や暴力で他人を傷つけたりする場合だってあります。
また、過度の飲酒は健康を害すること指摘され続けてきました。
アメリカで増える「ソーバー・バー」
ソーバーキュリアスが知られるようになり、お酒を飲まない人たちが気軽に集まれるアルコールフリーのバーも登場しました。「ソーバー・バー」(Sober Bar)と呼ばれる店舗で、バーでありながらノンアルコールのものだけを提供しています。
ニューヨーク市初のソーバー・バーとなったのは、「ゲッタウェイ」(Getaway)。フルーツや酢などを使い、通常のカクテルと同じようにノンアルコールカクテルを作っています。下戸の人、断酒した人、妊娠中や授乳中の女性、マラソンをする人、宗教的な理由で飲めない人など、多様な客層が集います。
ノンアルコールビジネスに投資家も集まり始めている
ミレニアル世代やジェネレーションZなど、アメリカの若い世代は上の世代ほどアルコールを好んでおらず、ビールの出荷数も伸び悩み中。逆にノンアルコール飲料が急激な伸びを見せており、企業や投資家もノンアルコール市場への投資を増やしています。
日本の場合、サントリーによる「ノンアルコール飲料レポート2019」の報告により、ノンアルコール市場が少しずつ大きくなっていることが分かりました。拡大の理由は、ノンアルコール飲料の味が改善されたことや健康への配慮、軽減税率の影響です。
では、日本で飲めるノンアルコール飲料にはどのようなものがあるのでしょうか。お酒売り場をざっと見渡して目立つのは、ノンアルコールビールやノンアルコールカクテル。ノンアルコールビールではサントリーのALL FREEシリーズが有名で、キリンビールの「零ICHI」も好評価です。
驚くのは、ノンアルコールワインやノンアルコール日本酒の味も良くなっていること。通常のワインからアルコール分を除去したものではスタッセンの「ヴィンテンス シャルドネ 白」が、ぶどうジュースに分類されるノンアルコールワインでは、ひるぜんワイナリーの「妖精たちの宴」が高い評価を得ています。ノンアルコール日本酒は、2019年8月に発売された「月桂冠スペシャルフリー」がノンアルコールでありながら大吟醸の味がすると話題になりました。
飲む人も飲まない人も楽しめる飲み会へ
会社の人付き合いにアルコールは必須と思われていた時代、「飲めるようにならなきゃダメだよ」と言われ、一生懸命お酒を飲む練習をした人もいることでしょう。
今、お酒は適切に楽しく飲む時代。「飲み会でもお酒は飲まない」という選択が積極的になされる時代になっています。
【参考】
・寺町幸枝「「酒飲み」はオワコンに? シリコンバレーも注目の「ソバーキュリアス」を名乗る若者たち」 https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2019/07/post-220.php
・サントリー「ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 サントリー ノンアルコール飲料レポート2019」 https://www.suntory.co.jp/news/article/13483.html
・安部かすみ「NYでノンアルコールバーが生まれる理由」 https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2019/09/ny-1.php
・ゲッタウェイ 公式サイト https://www.getaway.bar/
・リッスン・バー 公式サイト https://www.listen.bar/