年収1億円のお金持ちの人脈術とは

富裕層とは?富裕層になるには?
「人脈」と聞いて、どのような印象を受けるでしょうか。一般的には「自分に何らかのメリットをもたらしてくれる相手」と考えると思います。しかし、年収1億円のお金持ちは人脈を「価値を提供し合うビジネスパートナー」と考えるのです。
2019.7.25
人間関係とは相互扶助というのが、本来のあり方です。お金持ちはこの人間関係の原理原則を誰よりも深く理解し、そして実践している人たちと言えます。相手が自分にメリットをもたらしてくれるというだけでなく、自分も相手に何か価値を提供できることが人脈と呼ぶ条件と考えるのが「お金持ちの人脈感」なのです。

人脈作りでしてはいけない「教えて君」とは

世の中には、「相手から価値ある何かを無償で得たい」と考え、与えることを一切しない「教えて君」と呼ばれる人がいます。彼らは会社で働く上で、「未熟な自分ですが、勉強させてください」と謙虚な姿勢で教えてもらおうとします。しかし、考えてみればおかしな話です。「あなたの時間を使って、自分のために無料で情報を提供してほしい」と言っているわけですから。教える側にメリットがまったくないのに、相手に求めてばかりだとどうしても相手は距離を取りたくなってしまうものです。

お金持ちの人脈術は「まず与える」

お金持ちは教えて君とはまったく異なる思考を持っています。
彼らはとにかく与えます。筆者がビジネスでお世話になっている一人、A氏は年収2億円を超えるIT企業の経営者です。彼は信頼のおける相手にはとにかく持っている情報やノウハウ、知識を惜しげもなく与えてくれます。
彼が手がけている分野はITや金融といった分野です。こうした分野は変化が早く、常に先端の情報や知識が求められます。その分野で常に勝ち続ける彼は、「知識やノウハウ、経験をシェアする集合知こそが重要」。そして、「真の富は集合知によって得られる」と私に教えてくれました。
集合知とは、一人ではなく多くの人の意見や知識を集めて分析し、その中から有効なものだけを抽出することを言います。例えばある金融投資の情報を得るためには、スタッフBがビッグデータ収集し、それを他のスタッフCが解析して、最終的にA氏の頭脳で必要なデータだけを抽出するということをしています。これにより、A氏や他のスタッフ単独では得られないハイレベルの結果を得ることができるわけです。
「デキる人ほど、様々な人の知識やノウハウや経験が混ざり合う集合知の価値を理解している」とA氏はいいます。だからこそ優秀な人同士は協力しあい、自分が持っている知識や情報を与えることで、集合知となって返ってくることや、相手から一目置かれて信用情勢のアイテムになることを感覚値として理解しているのです。

もらったら返したくなるのが人間

人間は何か価値のあるものを受け取ったら、返したくなります。「返報性の法則」と呼ばれるもので、相互扶助の交流を経て、人脈が形成されるのです。
よく、「得する情報は人には話さないで、自分だけで儲ける」ということを言う人がいますが、それは誤りです。お金持ちは得する情報を相手にプレゼントすることで、結果的に自分が得をすることを知っているのです。
実際に、筆者は上記のお金持ちの人脈術を取り入れ、彼らと会う時には自分の持っている情報を手土産にするようにしています。
例えば、私は投資家です。私は2018年にトレードで大きな収益を得ることができ、そこから得られた有効なトレード手法やノウハウのデータを集積し、レポートにまとめて彼らにせっせと提供しました。統計的に有効な手法と思われるものだけを提供したわけです。結果、大変喜ばれただけでなく、「投資の講演会で、トレードを指南して欲しい」と言われて、投資家を集めた講演会に毎月登壇させてもらうようになりました。彼らの仲間に入れてもらったことで他の投資の情報を得られ、また講演料をいただき、お仕事もさせてもらっています。
与えることで与えられる、この上なく体験できた出来事でした。

どんな人でも与えられる

「自分は人に提供できる価値ある情報なんてない」と落ち込むことはありません。自分が出来ること、得意なことを積極的に提供して、相手が喜べば良いのです。筆者の知る事例としては婚活の場でアウトドアが得意な男性が、積極的にバーベキューのセッティングなどをし、相手に喜んでもらいたいという気持ちに触れた女性と最後には結婚に至ったという話があります。
大事なのは「類まれなく才能」でも、「卓越した知能」でもありません。「相手に喜んでもらうために、まずは自分から与える」という思考を持つことが人脈を形成する上で非常に重要なのです。人脈とは作るものではなく、結果として勝手に出来るものであることを理解できることでしょう。

黒坂岳央(くろさかたけを)

1981年、大阪府生まれ。「水菓子 肥後庵」代表。ビジネスジャーナリスト。 高校卒業後、5年間のニート&フリーター生活の後、関西外国語大学短期大学部に入学。在学中にシカゴの大学へ留学して会計学を学ぶ。卒業後は、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て、高級果物ギフト専門店「水菓子 肥後庵」を設立。 公式ブログのほか、「アゴラ言論プラットフォーム」「ZUU online」「MONEY PLUS」「Study Walker」などのメディアで情報発信するビジネスジャーナリストとしても活躍中。 著書に、英語力を劇的にアップさせる独自のノウハウ「読むだけ勉強法」について書いた『中学レベルの僕が「読むだけ勉強法」で英語をペラペラ話せるようになった!』(大和出版)がある。 水菓子 肥後庵: https://www.higoan.jp/ 公式ブログ: https://higoan.jp/gift/ 連絡先: takeo.kurosaka@gmail.com 公式メールマガジン: https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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