2018.10.10
思考を預けたくなるような信頼できる人が見つからなければ流されることはできません。どのようにすれば思考信託できる人を見つけられるか、また見つけられないときはどうすればよいかを説明しましょう。
実際に人間を導くのは、
物言わぬ無数の手本であり、
生活を取り巻く現実の模範なのだ。
物言わぬ無数の手本であり、
生活を取り巻く現実の模範なのだ。
サミュエル・スマイルズ著『自助論』より
世間信託───世の中に思考を預けてみよう
STEP1(前の回まで)は、僕の経験をまじえて思考信託の具体例をお伝えしてきました。
「わたしも思考をだれかに預けてみよう」と思っていただけたかもしれません。しかし、あなたも知らず知らずのうちに、ふだんから思考を預けています。
たとえば、「ガイドブックに掲載されているレストランに食べに行く」「自動車教習所で免許をとる」といった行為も、「信頼して流される」という意味では思考信託の一種だと、僕は考えています。
前者は「ガイドブック」、後者は「自動車教習所(教官との言うことにしたがって行動するからです。
思考信託という概念は、次ベージのような3つの段階に分けて考えると理解しやすくなります。
「わたしも思考をだれかに預けてみよう」と思っていただけたかもしれません。しかし、あなたも知らず知らずのうちに、ふだんから思考を預けています。
たとえば、「ガイドブックに掲載されているレストランに食べに行く」「自動車教習所で免許をとる」といった行為も、「信頼して流される」という意味では思考信託の一種だと、僕は考えています。
前者は「ガイドブック」、後者は「自動車教習所(教官との言うことにしたがって行動するからです。
思考信託という概念は、次ベージのような3つの段階に分けて考えると理解しやすくなります。
①世間信託
②指南信託
③思考信託
②指南信託
③思考信託
STEP1(前の回まで)でお話しした内容は、③思考信託についてですが、思考信託の前段階には、①世間信託と②指南信託という考え方があります。
このSTEPでは、①世間信託と②指南信託の概念と活用方法についてもお話しします。
ただし、あらかじめお断りしておきますと、これらは思考信託の一種ではありますが、自分が全面的に信頼する人に信託する方法ではないので、本書でいちばんお伝えしたい③思考信託とは異なります。
①世間信託と②指南信託は、自分自身の「我」を捨てて他人に完全に思考を任せる③思考信託をする前に行うトレーニングの段階ととらえていただければと思います。
ただし、あらかじめお断りしておきますと、これらは思考信託の一種ではありますが、自分が全面的に信頼する人に信託する方法ではないので、本書でいちばんお伝えしたい③思考信託とは異なります。
①世間信託と②指南信託は、自分自身の「我」を捨てて他人に完全に思考を任せる③思考信託をする前に行うトレーニングの段階ととらえていただければと思います。
世間に流されると新しい世界を体験できる
まずは、世間信託から説明しましょう。
世間信託とは、その名のとおり、世間や世の中に自分の思考を預けることです。
たとえば、このような経験はないでしょうか。
世間信託とは、その名のとおり、世間や世の中に自分の思考を預けることです。
たとえば、このような経験はないでしょうか。
・雑誌で特集されていた「うまいラーメン店トップ10」を読み実際に店を訪ねてみた
・書店の店頭にあった「売れ筋トップ5」を見て本を購入した
・書店の店頭にあった「売れ筋トップ5」を見て本を購入した
これらは、世間の人が「良い」と太鼓判を押すものを選んでいるケースなので、世間に思考を預けていることになります。
このような場合、たくさんの人が評価しているので、「まずい」「つまらない」というように大きく外すケースは少なくなります。
これらは無意識のうちに世間信託しているケースですが、
このような場合、たくさんの人が評価しているので、「まずい」「つまらない」というように大きく外すケースは少なくなります。
これらは無意識のうちに世間信託しているケースですが、
世間信託を意識して行うようにすると、思考信託と同じように、新しい自分を発見したり、最速で結果を出したりすることができます。
たとえば、あなたが「ビールがきらいだ」と思っているとしましょう。
アレルギーがあったり、体質的に受けつけないというケースは別ですが、単純に「おいしくない」と思い込んでいるのであれば、それを一度、疑ってみるとよいでしょう。
なぜなら、大多数の人が「ビールはおいしい」と好んで飲み、大量のビールが世界中で消費されているのですから。
アレルギーがあったり、体質的に受けつけないというケースは別ですが、単純に「おいしくない」と思い込んでいるのであれば、それを一度、疑ってみるとよいでしょう。
なぜなら、大多数の人が「ビールはおいしい」と好んで飲み、大量のビールが世界中で消費されているのですから。
僕も昔は「ビールは苦くてまずいもの」と思っていましたが、いまではビールをおいしくいただけるようになりました。いまになって振り返ってみると、大多数の人がおいしいと言っているものをおいしくないと感じる自分の味覚がおかしかった、と思っています。
このような例は、食べ物だけではなく、スポーツ、乗り物、趣味などにもいえることだと思います。
繰り返しになりますが、僕はワインやビールなどのお酒を「おいしくないもの」と決めつけていました。しかし、「ワインなんておいしいわけがない」と自分の心にブロックをかける前に、 一度、世間に流されてみるのが大切だ、ということに気づかされました。
繰り返しになりますが、僕はワインやビールなどのお酒を「おいしくないもの」と決めつけていました。しかし、「ワインなんておいしいわけがない」と自分の心にブロックをかける前に、 一度、世間に流されてみるのが大切だ、ということに気づかされました。
「我」をつくるのは、流されて体験したあとでも遅くはありません。
「世間」を見極める日も大切
ただし、世間信託の場合は、その「世間」が本物かどうかを見極めることも必要です。
たとえば、私も失敗した経験があるのですが、ガイドブックに載っている「おすすめのレストラン」などは、レストランにそれほどくわしくない人が記事を書いているケースや、お店側が広告費を払う″宣伝本〃になっているケースがあり、がつかりしてしまうことがあります。
へたをすると、そのレストランで食事をしたことがない人が書いているケースもあるかもしれません。
このような場合の「世間」は本物ではないので、それを信じても良い結果にはたどりつけないのです。
へたをすると、そのレストランで食事をしたことがない人が書いているケースもあるかもしれません。
このような場合の「世間」は本物ではないので、それを信じても良い結果にはたどりつけないのです。
ガイドブックに信託するのであれば、たくさんのレストランをまわっているような専門家が書いた記事や一定の主義をもって評価しているミシュランなどの本を参考にしたほうがよいでしょう。
世間信託をする場合は、「だれが良いと言っているか」に注目して見極めたほうがうまくいきます。
なお、思考信託する相手の見つけ方については、のちほどお伝えしますが、もし自分のまわりで思考信託する人がすぐに見つからないという場合は、まず世間信託からはじめて、成功体験を味わってみることをおすすめします。
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