1 モチベーションとは?やる気とどう違うの?
1-1 やる気の源泉がモチベーション
やる気とは「行動しようとする気持ち」です。その気持ちを引き出すのが、モチベーションとなります。
星野リゾート社長の星野佳路氏は、赤字経営の老舗温泉旅館を再生するにあたり、従業員と徹底的にディスカッションを重ねてモチベーションを引き出しています。顧客に満足して欲しいという気持ちはありながらも実践できなかった従業員は、具体的に何をすればよいのかを考え出すことで、モチベーションを高めてやる気を生み出したのです。(※1)
1-2 モチベーションが上がれば、やる気が出るという関係
2 すべての行動は動機づけされている
2-1 強制力のある外発的動機づけ
外発的動機づけには、強制・懲罰・評価・報酬といったものがあります。
「これをしなければ困る、あるいは怒られる」「これを達成すれば喜ばれる、あるいは出世できる」といったものがそうです。
これらはみな、いろんな意味での「報酬」を受けるために行動するという共通点があります。
たとえばもっと給料が欲しいとか、異性にもてたいといった気持ちも、実は外発的動機づけというわけです。あるいは逆に行動しなければペナルティを受ける、不自由になるといった理由も同じです。
外発的動機づけは強制力があり、行動しやすいのがメリットですが、持続性がなく自主性も生まれにくいというデメリットがあります。
2-2 持続性のある内発的動機づけ
一方で内発的動機づけは、興味や関心を持ち満足感や達成感を得たいという、自発的に生まれる気持ちが行動につながるというものです。
つまり興味や関心がなければ行動につながらないというデメリットがある反面、一度興味を持てば自主性や創造性をもって持続的に行動できるというメリットがあります。
モチベーションを上げるためには、この内発的動機づけが必要ということです。
3 モチベーションを上げるための方法~内発的動機づけ~
3-1 なぜやるのか?を考える
まず最初に考えるのは、「なぜ、それをやるのか?」ということです。誰かの要求に応えるためではなく、自分自身がどんな形で満足できるのかを考えるとよいでしょう。
人が満足を得るための欲求にはいくつかの段階がありますが、アメリカの心理学者マズローによれば人の欲求は最終的に自己実現の欲求に向かうとしています。これは自分の持つ才能や技能を発揮し具現化したいという欲求です。(※3)
3-2 どんな自分になりたい?を突き詰める
つまり「なぜそれをやるのか?」という質問の答えは、「自分の才能や技能を生かしてどんな自分になりたいのか」という問いへの答えと言えます。
最終的に目指す自分というものは、自分の価値観に沿ったものになります。であれば、たとえば仕事の場合、そこに自分の価値観との結びつきをいかに見いだすかがポイントになります。
そうすれば、その価値観に沿って仕事をすることにより、自分が目指す「なりたい自分」に近づくことを実感できます。
ではその自分の価値観というものは、どのようにして把握すればよいのでしょうか。
3-3 好きなことをきちんと認識する
内発的に興味を持つものとは、自分の価値観に合うものです。そして自分の価値観に合致するものには興味や関心を持ちますし、「好き」という感情を抱きます。
つまり、自分が好きなものは何かを認識することで、自分の価値観というものも認識できるようになります。
4 モチベーションを下げないためには?
4-1 自信がもてるまで、実行してみる
自分が実行していることが自分自身が目指す姿に結びついているのかどうか、なかなか実感できないものです。
そこで短期的な目標を立てて実行し、その達成感を味わえば自信もついてきます。今できること、実行できることを淡々とこなして、自己評価につなげるようにしましょう。
4-2 人に評価されやすいことを実行する
モチベーションは内発的な欲求で生み出されるものですが、行動の成果を人に評価されると嬉しいものです。
その気持ちがモチベーションの維持にもつながるので、どうしても気持ちが乗らない業務などは、評価につながるように実行するとよいでしょう。
4-3 実行した自分にご褒美を
業務の中には評価につながりにくいものもあります。その時は自分で自分にご褒美を出すとルール作りをするとよいでしょう。
たとえば好きなスイーツを食べたり欲しい雑貨を買ったりと、ちょ
っとしたお楽しみを考えるとよいかもしれません。
まとめ
参考サイト
(※1)
「星野リゾートの事例で考える
「モチベーション」と「やる気」の大きな違い」
https://www.dhbr.net/articles/-/2745
(※2)
「動機付け」
https://bizhint.jp/keyword/134686
(※3)
「マズローの欲求5段階説とは | 自己実現理論でモチベーション維持、ビジネスへ活用」
https://boxil.jp/mag/a3616/#3616-4