2017年12月21日 更新

〈山田真哉〉風が吹こうが、株価が揺らごうが、会計だけは絶対揺るがない

あの店はいつも客がいないのになぜ潰れないのだろうか?――150万部の大ヒットになった「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者山田真哉さんにインタビューしました。お金といえば現れる「会計」という言葉。山田さん、会計ってなんでしょう?

2015.3.28

会計の「本当」の活かし方

家計簿をつけただけでは、会計の30%しか使っていないんです

ー数字というのはこれからのビジネスマン、生活していくうえで必要になってくると思いますが、焦点を社会人、ビジネスマンに置いてこれから欠かせないものとは何だと思いますか?
欠かせないものといえば、やはり「会計の数字」だと思います。

ビジネスに使われるのは「普通の数字」です。シェアが何%でどれくらい増えるとか、株価が上がる、下がるといったのも普通の数字です。会計の数字とは全く別物だと思います。

会計の数字は、科学なんです。自然科学と一緒で反証可能性があります。誰がやっても同じになるんです。売上がこれで、費用がこれくらいだったら、利益はこれくらいだと誰でも同じように出ます。

ですが、株価というのは、人によって儲かる、儲からないというのが大きく変わってくるものです。

基本的にビジネスというのは、人の心とか感情とか、数字にならないものが入ってきますので、どうしても科学的には完全に解明できない、つまり非科学の範疇です。

そういう非科学的な世界にどう取り組むのかというのが、投資教育の世界だと思いますが、会計の世界は逆に、科学的なので、いかに人の心とか感情とかを抜くかということがポイントなのです。ビジネスに必要とされる感情を揺さぶるコンセプトやエモーショナルマーケティングといったものを逆に排除するのです。

株価というのも結局は感情の要素が大きいと思います。みんなが良いと思うか、悪いと思うかで株価が左右されますので、感情を読むことが必要になってきます。しかし、会計の世界だけは、いかに感情を排して見るかがポイントなのです。
たとえて言うと、ビジネスの世界では、この会社とは付き合いが古いから利益が少なくても良いかとか、この事業は思い入れがあるから資金をバンバン投入してもいいやということがあります。

個人でも、株の売買の際に、自分の資産を把握せずに投資する人がいます。そういう人の中には「財産は少ないけれども今が勝負だと思うから大金を投入した」という感情が入った投資をする人もいます。

これらの感情に左右された行動は、現実を直視したものはなく、将来のリスクが非常に高い行為です。
会計の考え方は、科学的であり、感情を入れないものです。そこを、ぜひ学んでいただければと思います。株価が揺らごうが、何が揺らごうが会計だけは絶対揺るぎませんので。まず、そこが一番重要な数字かなと考えています。

ー感情でお金とか数字を見るのではなく、科学的に出た数字・事実というものを見る習慣、クセをつけるということですね。

良い言葉ですね。事実を見る習慣。とても事実ですからね。

ー会計はだれがやっても結局同じ数字になるわけですね。

足し算、引き算、掛け算、割り算でやっていけば、誰でも同じ結果になるのですが、結局そこに、「今回は利益が出なくてもいいや」「これまで多額の投資をしたのだからいまさら止められない」といった感情がどんどん入ってくると思うのです。

(本記事は、2007年05月10日にファイナンシャルマガジンに掲載されたものを再掲載しています)

ベストセラー作家・公認会計士 山田 真哉さん

一般企業に就職後、公認会計士二次試験に合格。中央青山監査法人/プライスウォーターハウスクーパースを経て、現在、会計事務所を中心とした起業家支援組織、インブルームLLPパートナー。著書であるミステリー小説『女子大生会計士の事件簿』がシリーズ80万部のベストセラーに、会計入門書『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は150万部の大ベストセラーになった。
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