「いつかは住みたい」ドバイでの生活費

近年、稀に見る急成長を遂げ、世界有数のリゾート地となり、中東を代表する都市としてその名を知られるようになったアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ。砂漠の中に世界一高い「ブルジュ・ハリファ」をはじめとした超高層ビル群が立ち並び、近代的な街並みのすぐそばにあるビーチには、世界中から集まった観光客でにぎわっています。

2018.02.21
今回はいつかドバイで暮らしてみたいという人のために、ドバイで生活するために必要な費用を試算し、1カ月あたり一体どのくらいのお金があればよいのか、その生活費を項目ごとにご紹介します。興味のある人はぜひ参考にしてみてください。

ドバイの家賃は年間払いが一般的

ドバイはかつて、世界で最も物価が高く生活費のかかる都市と呼ばれた時期がありました。そう言われた原因のひとつに家賃相場の値上がりがあったのは間違いないでしょう。現在は一時期のような物価の急上昇もだいぶ緩和され、若干落ち着きを取り戻してはいますが、それでも家賃相場は世界の中でも高めの方に位置しており、ドバイを有するUAE自体「お金持ちの国」というイメージがいまだに根強いです。
そんなドバイの家賃相場は住む地域によってピンキリで極端な差があります。アパートメントと呼ばれる賃貸物件の中で、ワンルーム程度の広さでも1カ月最低5000AED(約15万4000円)以上、高級住宅街になれば1カ月16500AED(約50万円)以上はかかるようです。
しかも、ドバイの賃貸物件には月ごとに払うケースはほぼ存在しないというのは、日本に住む我々にとってはビックリする事実ではないでしょうか。実はドバイの賃貸物件では、ほとんどの場合年間払いが一般的で、先に1年間分の家賃を払う必要があります。年間払いではなく四半期ごとに払う分割払いというところも中にはあるようですが、支払総額を比べると年間払いより割高。となると、やはりある程度お金に余裕がないと住むのが難しいと言わざるを得ません。(1AED=30.8円で計算)

ドバイの物価は日本よりやや高め

ドバイの物価は高いと言われがちですが、実際は日本と比べるとやや高いといった印象でそこまで高くなく、物によっては日本と同等、または安いものもたくさんあります。基本的にドバイのスーパーは野菜や果物などでさえ輸入品が多く、値段は総じて高くなってしまうようです。しかし、UAE原産であれば、輸入品より安く手に入れることができます。いろいろなお店を回ってみて、UAE原産のものを扱っているお店を見つけることが自炊のカギになるでしょう。
一方、外食に関しては物価の高さが影響し、値段も日本より高いところが多いようです。レストランでは1回につき100~150AED(約3000~4600円)くらいはかかると覚悟しておいた方がよいでしょう。特に、ビール1杯で40AED(約1200円)といったように、お酒類は日本のおよそ倍の金額と言われているので、お酒好きは注意が必要です。
1カ月あたりの食費は外食と自炊の両方をすると考えて、およそ1000~1300ドル(約3万~4万円)くらいの間と考えるのが妥当でしょう。ちなみに、ドバイでは今まで消費税がありませんでしたが、2018年からVAT(付加価値税)と呼ばれる、いわゆる日本における消費税のようなものの導入が予定されており、炭酸飲料などの一部商品に課税される模様。食費をはじめとした生活費に少なからず影響を及ぼすのは確かなようです。
https://www.jetro.go.jp/world/middle_east/ae/invest_04.html

ドバイは完全な車社会、タクシーも安い

ドバイは気温の暑さも影響してか、外を歩く習慣があまりなく、移動は車が基本のようです。といっても、一応メトロやモノレール、バスなどの公共交通機関もあり、庶民の足として利用されています。ちなみにドバイメトロは、世界一長い無人全自動運転の鉄道として2009年に開通。グリーン車や女性専用車両など、日本と同じようなサービスがあるのも特徴です。
公共交通機関を利用する時はノルカードと呼ばれるICカードを使うのが便利です。メトロの運賃はゾーン制となっており、地域がゾーンで分かれています。移動したゾーン数で運賃が異なりますが、運賃は3~7.5AED(約90~230円)の間なので、比較的安いと言えます。
また、車文化が発達していることもあり、市内を走るタクシーの初乗りは3AED(約90円)、深夜から早朝にかけて22~6時で利用した場合でも6AED(約180円)と驚くほど安いです。日本のタクシーとほぼ同じく、メーターが上がっていくシステムなので抵抗なく利用することができると思います。
ドバイのタクシーに関してさらに言えば、女性専用のピンクタクシーと呼ばれるものもあります。男性が運転するタクシーに乗りたくない女性に配慮したもので、女性ドライバーが乗っていることがひと目でわかるように、車体がピンク色になっています。女性と男性が密接することがあまり歓迎されないイスラム圏ならではのサービスかもしれません。1か月あたりの交通費ですが350AED(約1万円)前後を目安にするといいでしょう。
実は外国人居住者が人口の8~9割を占めると言われているドバイ。世界中から人々が集まるのは、それだけ魅力がたくさんあり、暮らしやすいということなのかもしれません。これらの生活費を参考にして、あなたも夢のドバイ移住への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
飯村泉

飯村泉

レジ横の募金箱に小銭を入れる人に悪い人はいない!が信条のライター。
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