「いつかは住みたい」ロンドンでの生活費

「いつかは住みたい」ロンドン篇。伝統や格式がありつつ、流行を先取りした文化などが発達し、世界中にその強い影響を発揮する街・ロンドン。

2017.8.2
イギリスは日本と同じ島国であり気候もよく似ているため、日本人が好んで訪れる外国の都市のひとつではないでしょうか。 そこで、今回は将来的にロンドンへ移住したいという人のために、ロンドン移住にかかる費用を試算し、一か月あたりの生活費を項目ごとにご紹介します。一体どのくらいのお金が必要なのか見ていきながら、今後の人生設計の参考にしてみてはいかがでしょうか。

ロンドンの住宅費は東京と比べると少し高め

大都市のため、ロンドンは他の大都市と同様に物価は高めとなっており、家賃相場は日本の中で高額な東京よりも少し高めです。また、ワンルーム物件の気になる家賃ですが、最低ラインが600ポンド(約8万7,000円)で、相場はだいたい800~1,200ポンド(約11万6,000~17万4,000円)といったところです。(※1ポンド=145円で換算)ただEU離脱などの影響で、今後家賃相場も高騰すると予測されています。
ロンドン市内の物件では、ベッドやソファー、日常生活で使う家電類などの家具付きの物件が一般的のようです。また、ワンルーム契約の際には日本と同じく敷金が必要で、家賃の1~3ヵ月分を支払わなくてはなりません。さらに、これらに加えてカウンシルタックスと呼ばれる、いわゆる日本での住民税にあたるものがあります。これは住んでいる部屋のグレードなどにより1ヵ月あたりの金額が変わります。
そんな中、住宅にかかる費用を少しでも抑えたいという人にはフラットシェアと呼ばれる、ルームシェアがおすすめです。ルームシェアの利点は基本的に光熱費が家賃に含まれているものが多いので、生活費を比較的リーズナブルにすることができます。フラットシェアの家賃相場は平均して400~700ポンド(約5万8,000~10万1,500円)くらいとなっています。

ロンドンの外食は少なくとも1000円以上かかる

生活するために欠かせない食費ですが、ロンドンでの外食は少なくとも1食あたり10ポンド(約1,450円)かかるとみておきましょう。イギリス料理はあまり美味しくないと言われていますが、最近では世界的に評価も高いレストランも登場。またマクドナルドなどの有名チェーン店やフィッシュ・アンド・チップス系のファストフード店もたくさんあるので、外食する時の心強い味方になってくれるでしょう。
そして外食する時に気を付けてほしいのが、イートイン(店内飲食)とテイクアウト(持ち帰り)で金額が違う場合があるということです。イートインの方がテイクアウトより高い場合が多いので、もし外食する際はテイクアウトを選択すると少し価格を抑えることができます。さらにレストランなどでは、当然支払う金額の1割ほどにあたるチップもかかります。
また食材を買って自炊する場合ですが、ロンドンのスーパーマーケットでは日本と同じくらいの値段で購入することができます。また品物によっては日本より安く仕入れることができ、例えば紅茶はさすが本場だけあって品揃えも豊富で値段もリーズナブルです。その一方で、日本ならではの食材となると輸入品なので、その分割高になってしまいます。
よって1ヵ月にかかる食費はおよそ150~250ポンド(約2万1,000~3万6,000円)を目安にするといいでしょう。

ロンドンの地下鉄は「ゾーン」に注意

ロンドン市内を移動するときには、公共交通機関ほぼすべてで使えるICカード「オイスターカード」を持っておくと便利です。いわば日本でいうSuicaやPasmoにあたるものです。あの有名な2階建てバスもこのオイスターカードで乗ることができます。
ロンドンの地下鉄では市内をいくつかのゾーンに分け、ゾーンごとに運賃が異なる仕組みになっています。中心部のゾーン1と呼ばれるところを基準として、1回の移動でより多くのゾーンを通過すればするほど運賃は高くなります。すなわち短距離は安く、長距離は高い単純明快なシステムです。また、通勤ラッシュなどのピーク時は通常より高い運賃となります。
オイスターカードは1か月定期券の「トラベルカード」というシステムもあり、通過ゾーン数によって料金も異なります。例えば一番安いゾーン1のみで126.8ポンド(約1万8,000円)、一番高いゾーン1-9で329.1ポンド(約4万7,000円)となっています。ここでは主に中心部間の移動と仮定して、およそ150ポンド(約2万1,000円)としておきましょう。

イギリスのEU離脱でどうなる?

2016年6月の国民投票でEU離脱が決まったイギリスですが、EUを離脱した大きな理由として移民問題が挙げられます。主に低賃金労働者がイギリスの手厚い社会保障制度の恩恵を受けるため、大量に入国して働いたことにより重い税負担を課せられたイギリス国民の反発を受けたことが原因とされます。
これまで受け入れに寛容だったイギリスの移民が今後どうなるのか注目が集まりますが、こと日本からの移民に関しては影響が少ないように思われます。ロンドンへの移住を目指す人は日本での準備を進めつつ、イギリスからのニュースにも耳を傾けてみてください。
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