人生100年時代に注目される農業✕テクノロジー「アグリテック」とは?

カルチャー
田舎暮らしに憧れ、いつかリタイアしたら家庭菜園をやってみよう…と思っている人も少なくないようです。
その一方で、既存の農家は存亡の危機です。重労働に加え、収入の不安定さなどの理由から後継者がいなくなり、外国人の労働力に頼る農家が増えています。
2018.6.19
いざ「農業」を仕事にしようとすると、
農地を持っていない、ノウハウがない、収支の設計ができない、規制により企業が参入できない…
などのハードルがあり、難しいと思いませんか?
しかし、それは一昔前の話になりつつあります。
廃業する農家が増え、休閑地が増えている問題も表面化したため、規制緩和が進みました。
そして、ITとの融合した農業はアグリテックとして新たな成長産業として注目され始めています。
日本の農業は次世代を担う方の減少や規模の縮小により技術やノウハウの伝達が厳しい状況になりました。
深刻な後継者不足や高齢化を懸念し、日本政府は官民一体となって農業改革とも言える新たな方向性を見出したのです。
今回は最先端技術と農業のコラボ、アグリテックについてご紹介します。

IoTやAIを利用して農業のデータ化や共有を可能に

普段食べている野菜がどのように作られているのかを知っていそうで知らない方も多いでしょう。
四季に合わせて畑を耕し、種まきをして、収穫する。一見すると単純に見えますが、そう簡単なものでもありません。
また、農家さんごとにノウハウや作業手順があり、マニュアル化されていない部分も非常に多い分野であるとも言えます。
アグリテックはIoTやAIを利用して、農業のデータ化をしたり、ノウハウや作業手順を共有化することで知識や経験、技術の伝承を推し進めることで、農業の生産性を向上させるのがアグリテックの目的でもあります。

ドローンや耕作機械の自動化・データの可視化

農作業のイメージとして、一つ一つは単純であり、同じことの繰り返しだと感じる部分があります。
同じことの繰り返しに向いているのは機械やプログラムであり、担い手不足の今、農作業の自動化が進められています。
ドローンによる農薬や肥料の散布、IoT機器による温度や湿度の管理、農耕機器の自動運転など、本来であれば人間が担っていた部分を機械やプログラムに任せることで、後継者や担い手不足の解消だけではなく、農業を新しい段階へシフトする試みであるとも言えます。
GPSによる位置情報を利用して耕作地域の管理、気象情報を元に毎年の収穫量をデータ化、データが蓄積されることで更に利便性だけでなく生産性の向上が見込まれています。

新しいビジネス市場としても注目される

農業と最先端技術のコラボは新しい市場としても注目されています。
AIやロボット、自動運転やIoTの技術の活用は人間の代わりに機械に任せられる分野として最適であることも注目される理由の一つです。
作業負担を減らし、農業という人間と自然の営みがデータ化されにくかった部分の継承など、まさにうってつけなんですね。
元来の農機具メーカーだけでなく、AIやロボット、ドローンや自動運転の技術を持つ企業などの参画や製品の開発なども少しずつ進んでいます。
農業に携わる人口が減り、後継者が少なく、担い手がいないということは、それまで農業をしていた土地があるということ。
もちろん、高齢化が進んで新しい技術を取り込みにくい可能性も考えられますが、日本国内の農地を再利用し、無駄にしないためにもアグリテックは非常に効果的であり有益だと言えますね。

株式会社クボタが作った農機自動運転

GPSが導く無人のトラクタ・田植機・コンバイン
クボタの「農機自動運転」はここまで来た! 農業の未来を担う、その実力とは
https://www.kbt-press.com/news/autonomous-farm-machinery

株式会社クボタでは農機自動運転の開発が進んでおり、田植えの一連の作業の自動化が可能な機械も作られています。
田んぼを耕すだけでなく、苗を植える作業、刈り取る作業の全てが自動化されており、手動で行う部分は苗を植える時に苗箱をセットする程度、しかも、セットする位置まで自動で移動してくれます。
田んぼを耕すだけでなく、苗を植える作業、刈り取る作業の全てが自動化されており、手動で行う部分は苗を植える時に苗箱をセットする程度、しかも、セットする位置まで自動で移動してくれます。
また、畑を耕しながら、手動で野菜を植える作業が可能な機械なども開発されており、農業と最先端の技術のコラボが見事に実現しています。

アグリテックは農業を最新技術で進化させる

アグリテックの言葉の範囲として、農作物の生産や管理、流通やデータの蓄積、携わる人間の管理も含めて、農業全体の生産性を向上させるパッケージであるとも言えます。
IT産業や工業製品など、今まで無機物に利用されていた技術を、自然、農業に向けて利用し再構築することで、生産性を高めるだけなく、新しい仕事の創出や技術の発展にも繋がる。
自然と人間をより強く結び付け、より良い日本作りにも結びつくのがアグリテックの魅力ではないでしょうか。
安心、安全な国産の野菜や果物、お米や麦などの農作物が増えていくことを想像すると、少しずつ日本が良くなっていくイメージが沸いてきますね。
安全でおいしい食料の安定確保は人類の永遠のテーマ。そう考えると農業は「なくならない」仕事です。
人生100年時代ですから、第二第三の職業として思い切って「農業」も候補に入れてみましょう。

Ctrl

流通業界・IT企業・アパレル販売を経て現在フリーランスでライターとして活動中。HTMLやCSS、CMSによるサイトの構築や運営、農業やCAD、3Dモデリングや3Dプリンティング、旋盤やフライス盤の機械加工も経験しています。

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