2017.9.12
『お金原論』という本の命題は、「お金とは何か」ということ。
「お金」という軸を通じて自分自身をニュートラルに見ることができれば、人生をもっともっと楽しめるようになるだろう。
これから毎回、『お金原論』の中身を少しずつ伝えていく。すべてが賛同を得られるものであるという確信はない。しかし、生活や人生と切っても切り離せない「お金」というものについて、1人でも多くの人に「お金とは何か」という議論に加わっていただければ幸いである。
「お金」という軸を通じて自分自身をニュートラルに見ることができれば、人生をもっともっと楽しめるようになるだろう。
これから毎回、『お金原論』の中身を少しずつ伝えていく。すべてが賛同を得られるものであるという確信はない。しかし、生活や人生と切っても切り離せない「お金」というものについて、1人でも多くの人に「お金とは何か」という議論に加わっていただければ幸いである。
欲求を制御するもの
お金はあなたを映す鏡だ。つまり、あなたのお金に対する欲求は、あなたが生きるうえでの欲求そのものを表しているともいえる。
アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローは、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されており、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとして「マズローの欲求5段階説」を発表した。
アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローは、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されており、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとして「マズローの欲求5段階説」を発表した。
これをそのままお金に置き換えると次のようになる。
①生活維持欲求
現代社会においては、生きていくためには少なからずお金が必要だ。生命の危険を脅かされないために、最低限の衣食住を確保するためのお金が欲しいという本能的な欲求が根底にある。
②不安払拭欲求
病気になったり、老後に安心して生活を送ったりするにはある程度度の貯蓄が必要だ。最低限の衣食住が満たせると、こうした「もしも」にも備えておきたいという欲求が出てくる。
③ライフスタイル実現欲求
不安が払拭できたら、多くの人が、より多くのお金を得ることで、欲しいものを自由に買ったり、いつでも好きなところに旅行したりといったライフスタイルを望むようになる。
④自己実現欲求
ライフスタイルが満たされると、「お金のために働く」のではなく、「仕事を通じて自分のやりたいことを実現するために働く」ということに意識が向くようになっていく。
⑤社会還元欲求
自分のため、家族のためという枠を超えて、社会に対して貢献することで自分の存在価値を確認したいと考えるようになる。大規模な寄付や財団の世知率などがその解決策の1つだ。
私たちがお金を人生の味方につけ、真に豊かで自由な生活を実現していくためには、④の自己実現欲求や⑤の社会還元欲求などの高次の欲求を満たしていく必要があるといえる。
しかし、先ほども述べたように、人類の歴史の中でお金という道具が登場したのは、人類史全体の100分の1ぐらいの短い期間にすぎない。しかも、そのうちの大半は生活を維持していくためにお金を活用する、ということで精一杯だった。したがって、こと存在欲求に関しては、先祖の代から脈々と受け継がれてきた正しい方法論というものが存在しないのだ。
加えて、金融経済教育の遅れている日本においては、「どうすればお金を味方につけて理想のライフスタイルを実現できるか」「どうすれば自己実現を通じて社会貢献ができるのか」といったことを学べる場はほとんどない。
私が、ファイナンシャルアカデミーという学校を通じて社会に還元したいと思っているのはまさにここだ。正しい方法論が確立されていないからこそ、実際に自己実現欲求や社会還元欲求を満たした人々の共通点から原理原則を見出し、それを体系化して世の中に伝えていきたい。それが、1人でも多くの人がお金を人生の味方につけ、自分の思い描くライフスタイルを実現していくための大きな力になると信じている。
(『お金原論』87〜90ページより転載)
via amzn.asia