富裕層はなぜ歴史が大好きなのか

富裕層は歴史が大好きです。歴史小説、歴史ドラマ、歴史を題材にしたテレビ番組もかなり楽しんでいるようです。なぜ大好きなのか見ていきましょう。

2019.12.27

歴史は勝負に活かすことができる

多くの富裕層は、歴史が大好きで詳しいといえます。食事のときも面談のときも歴史の例えや話が出てくることからその事実が伺えます。さらに、富裕層はビジネスの重要な判断を下すべき局面でも歴史の知識を活かしています。自ら富裕層になるような人は、事業を起こしたり、独自のルールを見出した投資法などで成功したり、自分でチャンスを作り出した人たちですが、その人たちは、誰一人として運任せではなく絶え間なく努力をし、思考を幾度となく繰り返してきたことは絶対的共通要素です。
そのような人たちが、成功のためのヒントや鉄則を身につける方法として取り入れているのが歴史を知り、学ぶという方法です。そこでとことん成功者のルールや鉄則を歴史とともに学びまくる。本当に歴史を貪るように学んでい人が多い印象です。学んでいるというより好きでたまらないという表現のほうが正しいかもしれません。
このような歴史好きの富裕層の中には、ビジネスや投資で成功するには、「経済や金融学ぶより歴史とその歴史背景を知るほうが成功に近づく」と言い切る人もいるぐらいです。このコメントは、少し極端な気がしますが、歴史から実践的な知識と同じぐらい大事なことが学べることを強調する意味だとすれば正しいかと思います。
さて、自らチャンスをものにした人は決して運任せではないことは前述したとおりですが、素晴らしい成功者の方々のインタビューに「私は運に恵まれました」といったフレーズをよくみかけます。しかし、これは、人知れず努力や思考を重ねその上で運に恵まれたということに過ぎないのです。このようなコメントをする人のその多くは、歴史を学んでいくうちに幾度となく努力を重ねやるべきことをやり、その上で運に恵まれましたという歴史的事象や人物の同じようなコメントを目にして自分のものとして取り入れているのではないかと思います。

何を見いだすのかが大切

富裕層は、時の権力者のさまざまな武勇伝や豪快伝説、大きな出来事後の時代の変調などに詳しいことから歴史のイベントにロマンを感じ興味を持っているように思われがちですが、私が接してきて感じた本当の好きな理由は、そこにはありません。おそらく、自分なりに歴史から「何かを見出すこと」ことで自分に活かせることを知っているからではないかと思います。ただ、本やテレビで伝えられていることを鵜呑みにする、楽しむのではなく、自分なりに考え、何かを見出す。この「自分なり見出す」というところがとても大切なのです。
では、どのようなことを見出すのか。
例えば、世間一般のその歴史に対して前提や常識を疑い、「その進め方は正しかったのか、今は評価されているけど今後も評価されることだったのか、自分であればこうした」などと、自分になりに疑いを持って何かを見出しています。この常識を疑うことでチャンスを見逃さない訓練を繰り返し将来の成功に結びついたのではないかと思います。常に成功者の多くが常識破りであることから、最近ではこの常識を疑う能力がビジネスのKSF(Key Success Factor) であると認識されはじめています。
次に、本質は何かをとことん突き詰め何かを見出します。事象を表面から見るだけではなく、その事象の本質に「嫉妬」「恨み」「必要性」「不満」「時代背景」などがないかなど歴史の転換点の本質を考えていきます。富裕層になるような人は、攻める力だけではなく守りの力も必要とされます。資産運用の世界でも同じで保全の力が長期的なパフォーマンスに大きく影響を与えます。この本質を突き詰めることで、実は守りの力を強化することができるようです。歴史の大きな変革のほとんどが「嫉妬」が原因と説明できるという説があります。できれば回避したい嫉妬などを歴史を通じつつ人間の深層心理を学んでいるのかもしれません。深層心理を読み解くこともビジネスのKSFです。
最後に、富裕層は歴史を単なる偶然だとせず必然と捉え、そして自分の人生においても起こる出来事も必然だと考える傾向が強いと言えます。歴史出来事は必然であると考えているからこそ、歴史的なことから学びなにか自分に起きる必然は何かを見出しています。必然を回避ぜずにチャンスに変えることもビジネスのKSFです。
このように歴史から見出すこと=ビジネスのKSFであることから、富裕層になる人は自然と歴史好きになるのではないかと思います。

何から始めればいいのか

歴史に興味をもったので何から学べばいいのか、富裕層の方と話をしていて話題に挙がったことを参考にご紹介したいと思います。
テレビでは、その時歴史が動いた(NHK)、英雄たちの選択(NHK)、歴史秘話ヒストリア(NHK)、大河ドラマ(NHK)と圧倒的にNHKの番組が多いように感じます。NHKの宣伝のようになりましたが、やはり歴史はNHKが強い印象です。小説は、本当に幅広でさまざまですが、大御所の司馬遼太郎さん、吉川英治さんなどの著書が好きだという話をよく聞きます。そして最近では漫画でも多くの歴史に触れる物が増えています。来年の大河ドラマも漫画が原作のようです。気軽に漫画で始めるのもいいでしょう。
そして、最後に今回の歴史を知るの中には、人物伝で人物を知るも含まれます。例えば、スタートアップ創業者の人物伝を映画、自叙伝、小説でも知ることで歴史から学ぶ手段もありますでの、ぜひ年末年始に時間を割いてみてはいかがでしょうか。
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