「10着しか服を持たないフランス人」に学ぶ人生のコツ

みなさんはフランス人と聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか? オシャレで情熱的、美食家でワイン好き、といったところでしょうか。書籍『フランス人は10着しか服を持たない』を読んでみてわかったのは、これらのイメージはあくまで表面的なもので、その先には彼らの強いこだわりが存在していたということ。

2017.9.19
著者はアメリカ人のジェニファー・L・スコットさん。本書は彼女がパリの大学に留学したときのカルチャー・ショックと、そこからの学びを書き連ねた本になっています。本の中には、日本人の生活向上につながるさまざまなテクニックがありました。
今日は、そのなかでも私が思わず膝を打った3つのトピックをご紹介したいと思います。

ワードローブを10着に厳選しよう!

「ホームステイ先のクローゼットが小さすぎて、著者が持ってきた服が入りきらない」という事件からこの話は始まります。ジェニファーさんは戸惑っていろいろな想像を働かせるのですが「そもそもこの街の人は服を多く持たないのだ」ということを知ります。
オシャレなはずのパリの人が服を持っていないとは意外ですが、実はどうやらパリの人は選ぶことと捨てることが上手なようです。つまり、ショップにあふれる多種多様な服の中から、本当に自分に合う服を厳選する力を備えているということ。これに気が付いた著者も自身のワードローブの断捨離を始めたのですが、思いがけない効果もあったそうです。その一部がコチラ。
・出勤前にクローゼットの前で20分も悩むことがなくなる ・無駄な買い物欲がおさまる ・自分のファッションスタイルが確立される
服の数を減らすだけで、毎朝の準備にかかる時間を短縮できるだけでなく精神的にもいい影響を及ぼしていることがわかります。
日本でも、できるだけ持ち物を増やさない「ミニマリスト」も増えているそうですが、いきなり自分の服を10着に絞り込むことは難しいかもしれません。そんな方はクローゼットの中を見直して、本当に必要なものなのかを考えてみることから始めてもいいでしょう。著者も段階的に服を減らし服を上手に選ぶためのコツを記しているので、参考にしてもいいかもしれませんね!

「いつでもいちばん良い物を使う」と人生が変わる!

著者はホームステイ中、Tシャツと穴の開いたスウェットパンツをパジャマ代わりにしているのをホストマザーに見られ、本気で心配されたそうです。「ひざに穴が開いているのに、どうして取っておくの?」とシックなガウンと素敵なスリッパを履いたホストマザーに言われ、初めて自分が着ているものがダサいことに気付いたのです。
この恥ずかしい体験をしたその日のうちに、ジェニファーさんはちゃんとしたナイトウェアを購入します。そして「自分はいつだってきれいな女性らしいものを身に着ける価値がある人間だ」と、良い物を使うことの効果を感じながら眠りについたそうです。 またパジャマだけに限らず、フランス人のポリシーは「いつでもいちばん良い物を使う」こと。椅子やカーペット、食器といったふだん使いのインテリアまで。良いものに囲まれていると、自然と姿勢や装いや話し方など、様々なことに気を付けるようになるそうです。フランス人が芯を持ち自信たっぷりに見えるのは、実はこういった些細なことの積み重ねによるところが大きいのです。

「ジムに行かないフランス人」の秘密の運動法!

筆者がアメリカにいたときは、運動はジムでするものだと思っていたそうです。それもそのはず地元のカリフォルニアは自動車社会で、買い出しは週に一回、家事は外注することも多いそう。つまり日常的に運動する機会がなかったのです。
しかし、彼女が留学して間もなく、ホストファミリーをはじめパリにはジムに通っている人が少ないことに気付きました。食欲に忠実なパリの人が美しい体形を保ち、とても健康的に見えることがすごく不思議に思えたそうです。その秘密とは一体なんだったのでしょうか?
答えはごくごくシンプル。ふだんの生活で、動くことを楽しむのです! 知り合いのパリジェンヌは仕事や用事で出かけるときも、友達の家に遊びに行くときも、とにかくよく街中を歩き回っていたそうです。またホストマザーは、大型スーパーで済まさずに一軒一軒お気に入りのお店を歩き回りながら食料品を買うことを好んでいました。「外の空気を吸うのはいいことよ、ジェニファー。怠け者になってはいけないわ。」。筆者はそれまでの自分の行動を振り返り、いかに運動不足だったのかを思い知らされます。
みなさんは毎日運動していますか?「忙しかったり面倒だったりでなかなか運動できない」という人も多いのではないでしょうか。でも買い物はもちろん、掃除や洗濯、料理だって立派な運動。フランス人のように、楽しんで毎日コツコツやっていれば大きな効果を生むのです。私もとりあえず、楽しく掃除することから始めてみたいと思います。
アメリカからフランスへ留学した女性が、カルチャーショックを受けてライフスタイルを一から見直す。その物語には共感でき、男性の私も自分の生活を見直すきっかけを得ることができました。単調な毎日を繰り返していると、どうしても生活が疎かになりがちです。だからこそ、ポジティブに毎日のことを楽しむフランスの人々の生活ルールに学ぶべきものがあるのかもしれませんね!
横山ケン太

横山ケン太

趣味はアウトドア、興味は財テク。フリーの作家として活動中。
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