「いつかは住みたい」モナコでの生活費

国の面積がわずか2.02㎢ながら、年に一度F1グランプリが開催され、市街地を猛スピードで走るマシンたちを見るため世界中から人々が集まる人気の国、それがモナコ公国です。今回はモナコへの移住を目指す人のために、モナコ移住にかかる費用を試算し、一カ月あたり一体どのくらいのお金が必要なのか、その生活費を項目ごとにご紹介します。

2017.9.20
地中海に面しており、その穏やかな気候で観光地としても名高いモナコですが、富豪たちが集まる夢の国としても有名。そんなモナコを終の棲家として暮らしたい人もいるのではないでしょうか。夢のモナコ暮らしに興味のある人は、ぜひ参考にしてみてください。

モナコで居住権を得るためには

モナコはその面積の小ささと反比例するかのように、人口はおよそ3万8,000人もおり、世界一人口密度の高い国と言われています。また、モナコ住民の中でもともとモナコ国籍を持っている人は2割ほどしかおらず、残りの約8割は他国から移住してきた外国人で構成されています。
現地人より外国人の方が多いので、一見するとモナコは移住しやすい国と思われがちですが、モナコ政府が提示する移住条件は一般的に厳しい内容となっています。モナコで居住権を得るためにはまず、十分な資産があることを証明するために、モナコのプライベートバンクへある程度のお金を預けなければなりません。その預金額はプライベートバンクごとによってまちまちですが、一説には約100万ユーロ(およそ1億3,000万円)とも言われています。(1ユーロ=130円で換算)
しかし、調べたところによると、銀行によっては約25万ユーロ(およそ3,250万円)程度でも居住権を発行してくれるところもあるようで、これがおそらく最低ラインでしょう。他にも居住権を得る条件として、モナコに住居があることの証明書や、日本での犯罪歴がないことの証明書などを提出し、モナコ政府の審査を経て承認されることが必要です。 移住へのハードルがこんなにも高いモナコですが、他国からの移住希望者が絶えず、常に順番待ちの状態だそうです。というのも、モナコは個人居住者に対して所得税を課しておらず、それが移住希望者にとって大きな魅力なのでしょう。さすが超富裕層が集まるモナコといったところですね。

モナコの不動産相場はやはり高め

世界中のセレブたちの別荘地としても知られるモナコは、当然ながら不動産相場も高く、賃貸物件では1カ月約1万ユーロ(およそ100万円)も下らないと言われるほど、世界一家賃が高い国のようです。前述のとおり、個人に対する所得税がないという、いわゆるタックスヘイヴン状態のモナコには現在、これを目当てに資産家などが殺到しているというわけです。 近年モナコではそのため高級住宅ブームが続いており「世界一高価な分譲マンション」がモナコにあることでも有名です。その価格は日本円に換算してなんと400億円を超える代物。全く夢のような世界ですが、居住者の多くはコンドミニアムタイプに住んでおり、こちらも日本円で数億円程度と、決してお安くはありません。賃貸と分譲、いずれにしても想像をはるかに超えるお金がかかることは間違いありません。

狭いモナコでの移動手段は?

バチカン市国に次ぎ世界で2番目に小さいモナコ。とてもコンパクトなので、徒歩や自転車でも十分国内を周遊できます。徒歩で移動となると危険な目に遭うかもしれないと不安になる方がいるかもしれませんが、モナコの治安事情は良好で、実際歩いてみると至る所に警察官が立っているのを見かけるほどだといいます。また街中に設置されている監視カメラの数も多く、24時間暮らしを見守ってくれています。
ちなみに、モナコで徒歩が好まれる理由として「公共エレベーター」というものが設置されていることも要因のひとつでしょう。坂が多いモナコは、きつい勾配を上る際などに公共エレベーターを誰でも利用することができます。もちろん料金は無料です。徒歩以外にはバスという手もあります。こちらは1回およそ1.5~2ユーロ(約195~260円)ほどとなっています。
こうして見てきましたが、モナコへ移住するためには相当なお金がかかるといってよいでしょう。しかしながら同時に、モナコで暮らし続けることは世界中の多くの人々にとって夢のステータスといっても過言ではないでしょう。あなたもモナコ生活への第一歩、始めてみませんか?
飯村泉

飯村泉

レジ横の募金箱に小銭を入れる人に悪い人はいない!が信条のライター。
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