④「呼吸する場所」を間違えている
胸だけで浅く呼吸している人は、脳に酸素が行きわたらない。さらに体幹の筋肉を使えていないので姿勢が崩れて「疲れやすい体」が定着している。
胸だけで浅く呼吸している人は、脳に酸素が行きわたらない。さらに体幹の筋肉を使えていないので姿勢が崩れて「疲れやすい体」が定着している。
さて、4つの条件を挙げましたが一番気になったのは④ではないでしょうか。胸で浅く呼吸している?呼吸の仕方が「疲労しやすい体」を作っている?いろいろと初耳でしたが、それもそのはず。実はこの呼吸の仕方こそ先ほど述べた「体の歪み」を無くし、「疲れない体」を手に入れるためにスタンフォード大学が導き出した秘策なのです。
スタンフォード式「疲れない体」を手に入れる呼吸法!
本書の大部分を割いて紹介しているのがこの呼吸法について。シンプルに説明すると、息を吸うときも吐くときも“お腹を膨らませて固くする”呼吸の仕方なのですが、お腹の内圧を高めるという意味の英語の頭文字をとって『IAP呼吸法』とも呼ばれます。
ちなみに、身体に良い呼吸法と言えばすぐに「腹式呼吸」がイメージされますが、実は息を吐くときにお腹をへこませる「腹式呼吸」と『IAP呼吸法』は真逆!(スタンフォードでは「腹式呼吸」を推奨したことは一度もないのだそうです。)
そして、『IAP呼吸法』の仕方ですが…
・まず、お腹をパンパンに膨らませながら5秒かけて大きく息を吸う。この時、肩を上げないように意識する。
・そして、お腹を膨らませたまま5~7秒かけてゆっくり息を吐く。
・まず、お腹をパンパンに膨らませながら5秒かけて大きく息を吸う。この時、肩を上げないように意識する。
・そして、お腹を膨らませたまま5~7秒かけてゆっくり息を吐く。
図解でお伝え出来ないので分かりにくいかもしれませんが、やってみると非常に簡単。しかしその反面、気を抜いたらすぐに普段の呼吸法に戻ってしまいます。田中氏は椅子に座って行う簡単な呼吸トレーニングを1日少しずつ行うことを推奨しているので参考にしてみて下さい。
スタンフォード式呼吸法のメリットとは?
先に方法を紹介しましたが、この『IAP呼吸法』の仕組みは、呼吸によりお腹の内側から圧力がかかることで、お腹の外側の筋肉も鍛えられて体の中心「体幹」が安定。姿勢が整うのです。
そのメリットは計り知れず、中枢神経と体の連携がスムーズになるため無駄な動きが無くなり、運動のパフォーマンスが上がるうえに疲れやケガを予防できる。この呼吸法を導入したところ記録が劇的に向上したアスリートは数知れないのだそうです。
人間は1日3万回の呼吸をしていると言いますが、『IAP呼吸法』そのものが体幹を鍛える行為につながるのでその効果は抜群なのかもしれません。
本書では、呼吸法の他にも「肩こり」や「入浴法」など疲労回復のテクニックがたくさん紹介されています。どれも説得力抜群のデータ付きで紹介されており、早速私も実践したいと思いました。