寝落ちで睡眠の質を高めるポイント
小説で寝落ちするには、いくつかのポイントがあります。
1つめのポイントは、単調であること。単調な刺激は人の注意力を低下させ、時に居眠りを招きます。「眠りを誘う物語」は、それをうまく利用しているのです。単調で退屈な物語にのんびりとした抑揚の少ない声、そして「聞きながら眠ってしまって良い」という安心感。これらが緊張を和らげ、心地よい眠りへと誘ってくれます。
2つめのポイントは、長すぎないこと。気持ちよく眠り始めてそのまま良質な睡眠を得るなら、眠って少し経ったあたりで朗読が静かに終わってくれなければなりません。ずっと朗読が続いてしまっては途中で目が覚めてしまい、睡眠の質が低下しかねません。だからこそ『ブルー・ゴールド』も25分という短い物語なのです。
3つめのポイントは、音を小さめにして30分〜60分のスリープタイマーで音が止まるように設定すること。大きな声がしていると眠れませんし、放っておくと朗読が続いて途中覚醒してしまいます。スリープタイマー付きの朗読サービスではAudibleやaudiobook.jpなどがありますので、自分に合ったものを利用すると良いでしょう。
ちなみに、日本語で聞ける具体的な作品としては夏目漱石の『草枕』がおすすめです。特に冒頭部分は主人公が一人でひたすら山を登っているだけ。筆者の場合、次の登場人物が出てくる前に寝落ちできます。
「眠れない」と慌ててしまうと、かえって眠れないもの。心地よい入眠と良質の睡眠を得るなら、快適な室温に設定して肌触りの良いパジャマに着替え、灯りを消し、退屈な短編小説をぼんやりと静かに聞いておくと良いでしょう。
【参考記事】
ローラ・ベネット、「必ず「寝落ち」できる物語──異色の短編作家が紡ぐ5分で眠くなるストーリーの秘密とは」、ニューズウィーク日本版、2018年07月27日
https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2018/07/post-21.php
ローラ・ベネット、「必ず「寝落ち」できる物語──異色の短編作家が紡ぐ5分で眠くなるストーリーの秘密とは」、ニューズウィーク日本版、2018年07月27日
https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2018/07/post-21.php
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