流される力(24)絶対点数ではなく相対点数を意識する

自分の「我」や「未熟なこだわり」を捨て、結果を出している人のアドバイスを素直に聞いてそのまま行動する、これが「流される力」=信託思考です。より多くの人に流されることで、速く成長し、人生の成功を手にできます。泉正人著「流される力」より抜粋。

2019.5.22

絶対点数ではなく相対点数を意識する

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自分の力を見つめ直すうえでは、自分の判断が 「本当に100点なのか」を検証することも大切です。
たとえば、自分が立てた会社の経営戦略が完璧だと思っているとしましょう。
そのとき、「もっと会社を成長させている人にとって、その戦略は本当に完璧なのかどうか」を考えてみるのです。
人は自分の 「器」→(ここでは、人間としての力量や能力、視野の広さなどを意味します)の中でしか判断できないので、その器がもっと大きい人のほうが、ものごとを俯瞰して正しい判断をくだせる確率が高いと思います。
したがって、自分の考えが100点だと思ったり、それを主張すること自体、もったいないことだと思います。
このような 「絶対点数」で自分を測ると、自分の器の大きさを勘違いしてしまいます。

自分の力を見極める際には、「相対点数」の視点をもつことが欠かせません。

たとえば、入社1年目の経験のない新入社員が考える100点は、10年同じ仕事をしている人が考える100点の3割しかないかもしれません。つまり、自分が100点だと思っていても、まわりは30点としか思っていないこともありえます。
ふだんの仕事ではとくに、僕は相対点数を意識しています。
たとえば、時代の移り変わりの激しい昨今では、100点を目指して石橋を叩いて渡るよりも、「7割で走り出せ」ということがよく言われます。
しかし、この 「7割」というのは相対点数にすぎず、自分が7割と思っていても、 慎重派な人から見ると3割程度ということも考えられます。
同様に自分が120点だと思っていたとしても、トラスティなどから見れば、まだまだ50点程度になってしまうことも多々あります。
自分を見るときは、「ほかの人の目から見てどの程度か」という相対点数を意識すると、自分の本当の能力が見えてくるかもしれません。

「器」の大きさを判断する目を養う

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自分がどれくらいの 「器」であるかを自分自身で判断する目は大切です。
たとえば 、部下がつくった企画書に対して、「なんだ、この企画書は!全然考えないで行動するな!」と上司が叱責する光景は、職場でたまに目にすると思います。 ですが、これは少しおかしいのではないか、と僕は感じます。なぜなら、人の行動の裏には必ず思考が存在するので、その部下なりに考えて企画書を作成したはずだからです。手抜きをして企画書をつくったのであれば問題ですが、そうではない場合、部下と上司の企画書を作成する能力が違うところに着目をしなくてはいけません。 つまり、部下の企画書をつくる器が10で、上司の器が20だとすれば、企画書のできばえが異なるのは当然です。部下は悪くないのです。

部下が10の器しかなければ、その器の大きさを上司が判断し、20の器の企画書になるように、上司は作成のポイントを教えてあげなければなりません。 たとえば、「企画書の総ページ数は5ページにしてみよう。1ページ目は会社概要、 2ページ目は競合他社の分析、3ページロは具体的な解決法……」というように大枠をつくってあげて、10の器でも20の器の企画書ができるように導く必要があります。
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このように上司が部下の器を見極めるのと同様に、トラスティもあなたの器の大きさを見極めています。

あなたより実績も経験もあるトラスティは、あなたより大きな器をもっている

からです。
自分の器の大きさを客観的に判断することなく、その器に執着して他人からのアドバイスを聞き入れないと、どんなに歳を重ねていっても自分の経験の器でしかものご とを考えられなくなってしまいます。
その器の大きさでしか考えられないのであれば、その範囲でしか行動できなくなってしまいます。
まずは自分の器の大きさを把握したうえで、自分より器の大きな人や成果を出している人のまねをすれば、自分のたりない部分を補い、成長することができるようになるのです。
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